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マックでポテトを揚げたトランプ氏に非難轟々 格好が何か変! おわかりいただけただろうか? 米大統領選

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
マクドナルドでフライドポテトを作ってみせたトランプ氏だが、その格好に注目!(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 大統領選の投票日が迫る中、トランプ陣営、ハリス陣営は、共に、激戦州での選挙活動を活発化させている。そんな中、トランプ氏がお得意のパフォーマンスに出た。激戦州の中でも勝敗の鍵を握っているペンシルバニア州のマクドナルドでアルバイトでもしているかのように、フライドポテトを作ってみせたのだ。

 ハリス氏は学生時代、マクドナルドでアルバイトをしていたというが、トランプ氏は根拠もなくそれを“嘘”と決めつけ、「私はマクドナルドでカマラ氏より15分長く働いた」と豪語して、ハリス氏に対抗する姿勢を示した。

 息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏も、先週、フォックス・ニュースで、ハリス氏がマクドナルドでのアルバイト体験について話しているのは「親しみやすく、好感を持たれていると見られたいからはないか」と述べ、トランプ氏は「ハリス氏よりもマクドナルドのメニューをよく知っている」と話している。

トランプ氏の“マクドナルド愛”

 バーガーやステーキ、フライドチキンなど典型的なアメリカン・フードを好むトランプ氏の“マクドナルド愛”はかねて知られるところだ。トランプ氏の元選挙対策本部長コーリー・ルワンドウスキー氏と補佐官デビッド・ボッシー氏が執筆した著書によると、トランプ氏の典型的な夕食の一つに「ビッグマック2個、フィレオフィッシュ2個、チョコレートシェイク」があるという。大した量だが、ルワンドウスキー氏がCNNで「彼はパンを一度も食べなかった。それが重要だ」と話していたところ見ると、トランプ氏はフィリングでお腹をいっぱいにしていたのだろうか。

 トランプ氏の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏も、2022年の自伝『Breaking History』の中で、トランプ氏は2020年に新型コロナウイルスに感染した際、「好物の1つであるマクドナルドのビッグマック、フィレオフィッシュ、フライドポテト、バニラシェイクを頼んだら、気分が良くなっていた」と書いている。

トランプ氏の格好、何か変!

 そんな大好きなマクドナルドでフライドポテトを作ってみせたトランプ氏。しかし、よく見てほしい。その格好、何か変である。飲食店のキッチンで働いている人々ならすぐに気づくはずだが、おわかりいただけただろうか? 

 そう、帽子を被っていないのである! フライドポテトを揚げる手にはグローブも着用されていない。飲食店では、衛生上、キッチン・スタッフは帽子やヘアネットなどで髪を覆うことや手にグローブを着用することが義務付けられている。しかし、トランプ氏は帽子もヘアネットもグローブも身につけていなかった。だからだろう、“X”などのSNSではこんな投稿があがっている。

「グローブも帽子もつけていない。衛生規則違反だ」

「手洗いはしていたと願うよ」

「滑り止めのシューズを履いていない」

とその格好が衛生規則に違反していると批判する声や、

「34件も重罪を犯した者はマクドナルドで働けないはずだ」

「刑務所のキッチンで働く予行練習になるね」

と重犯罪者となったトランプ氏を皮肉る声や、

「これはコスプレだ。実際に働いたことがある人々に対する侮辱だ」

とその場限りのパフォーマンスを非難する声もある。

 パフォーマンス上手なトランプ氏であるなら、たとえ選挙活動の一環だとしても、とってつけたようなパフォーマンスはせず、きちんと、マクドナルドの従業員と同じユニホーム姿で、帽子やグローブも身につけて、キッチン・スタッフさながらのパフォーマンスを披露してほしいところである。

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在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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