いちごのショートケーキは日本だけ? 今さら聞けないクリスマスの秘密
世界ではクリスマスにショートケーキは食べない
クリスマスと言えばクリスマスケーキがお約束。自分で作ったり洋菓子店のデコレーションケーキを買う人も多いだろう。しかしながらそれは日本だけの習慣であるということをご存知だろうか。クリスマスのケーキと言えば、やはりいちごの乗ったショートケーキが定番中の定番。しかし海外ではこのようなケーキをクリスマスに食べる習慣はない。
まずドイツやオランダでは「シュトーレン」を食べるのが一般的。シュトーレンとはドイツで生まれたフルーツケーキのことで、雪のように粉砂糖がたっぷりとまぶされている。レーズンやオレンジピールなどがゴロゴロと入った生地の密度の高いケーキを、クリスマス前からスライスしながら食べるのが定番で、日にちが経つにつれてフルーツの味が生地に染みていくのを楽しむのだ。
フランスでは「ブッシュ・ド・ノエル」と呼ばれるケーキを食べる。「クリスマスの丸太」という名前の通り、木に模した形のチョコレートクリームのロールケーキ。アメリカではケーキの代わりにクッキーを食べる。靴下や星などのオーナメントのように型抜きしてアイシングしたクリスマスクッキーやショートブレッドが一般的。また、ジンジャーブレッドクッキーでお菓子の家を作るのも子供たちの楽しみの一つ。
なぜ日本のクリスマスにはいちごのショートケーキが浸透しているかについては諸説あるが、一説によれば老舗洋菓子メーカーの「不二家」によるキャンペーンがきっかけ。元々はシュトーレンに近いフルーツケーキをクリスマスケーキとして販売していたが、その後不二家がショートケーキを販売するようになって、クリスマスにもデコレーションのショートケーキが売られるようになったと言われている。
ちなみにスポンジにクリームを使ったショートケーキは日本発祥。イギリスやアメリカのショートケーキでは生地にビスケットを使うことが多い。ショートケーキの語源にはいくつか説があるが、その一つとしてサクサクとした食感のショートブレッドを使っているという説がある。日本のショートケーキはフランス菓子のスポンジケーキがヒントになっている。
クリスマスにチキンを食べるのも日本だけ
また、クリスマスにローストチキンを食べるのも日本独特の文化だ。アメリカやイギリスなどではクリスマスや感謝祭の時にローストターキー(七面鳥)を食べる文化があるが、日本では入手困難な七面鳥の代わりに鶏肉を使ったのが発祥とも言われている。
さらに現在ではローストチキンの他にフライドチキンも定番化しつつあるが、これは『ケンタッキーフライドチキン(KFC)』のキャンペーンに拠るところが大きい。日本のKFCがクリスマスキャンペーンを開始したのは1974年のこと。諸説ある経緯の一つとしては、当時日本在住の外国人が七面鳥を手に入れられず、代わりにKFCのフライドチキンを食べに来たことがきっかけとされている。
クリスマスとはイエス・キリストの降誕をお祝いするお祭り。しかしながら日本では宗教的意味合いはほとんどなく、年末の国民的な行事として定着している。家族や仲間、恋人たちと一緒に美味しいチキンとケーキを食べて、どうぞ楽しいクリスマスを。
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