2023年新築マンション全国平均価格5911万円で、大阪市の平均が4202万円の謎
2月28日、不動産経済研究所が昨年・2023年の「全国新築マンション平均価格」を発表した。その金額は1戸あたり5911万円。国税庁が昨年年9月に発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は457万6000円とのこと。そこから考えると、日本のマンションは、平均で年収の12倍以上ということになってしまう。
驚くべき数字であるため、マスコミは「こんなに高くなった」とさかんに取り上げた。ところが、マンション平均価格に関しては、もうひとつ気になる数字が公表されている。
それは、全国新築マンション平均価格発表の1カ月前、1月25日に発表された首都圏と近畿圏の「2023年新築マンション平均価格」だ。
それによると、2023年、首都圏の平均価格は8101万円……これは、全国平均5911万円と比べて、まあ納得できる価格差であり、数字である。
一方で違和感が生じたのは、近畿圏。近畿圏の2023年新築マンション平均価格は4666万円だったのだ。全国平均の5911万円より1245万円も安い。さらに注目したいのは、大阪市の新築マンション平均価格。大阪市内で2023年に発売された新築マンションの平均価格は4202万円だった。
2023年に発売された大阪市の新築マンション平均価格は、全国平均の5911万円より1709万円も低かった。え、そうなの?と首をかしげる人が多いだろう。そもそも、近畿圏全域(4666万円)よりも、大阪市内(4202万円)のほうが平均価格が低いというのも腑に落ちない。
なぜ、そのようなことが起きたのか。そして、新築マンションの全国平均価格が5911万円と発表されたことの影響を考察したい。
大阪の平均価格は、いつも低くなってしまう理由
大阪市内の新築マンション価格は、決して安くない。この数年、梅田や本町、中之島界隈を中心に新築マンション価格が高騰しているため、大阪市内の新築マンション平均価格は東京23区内と同様、バブル状態と言われることが多くなっている。にもかかわらず、大阪市内の新築マンション価格が4202万円になってしまうのはなぜか。
じつは、大阪の新築マンション平均価格が実勢水準より低くなってしまうのは、今回に限った話ではない。毎年、大阪の新築マンション平均価格は低めに発表される。それは、ワンルームマンションの価格データが入っているためだ。
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