Yahoo!ニュース

【河内長野市】バスに加えて電車も乗り放題のデジタルきっぷで観光客気分!楠公さんスタンプラリーにも最適

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野の観光・交通面で、10月1日から新しい試みが続々スタートしています。1日にさっそく乗ってこれは便利と思った、モックルコミュニティバスの新路線実証ルート地域拠点循環バスもそのひとつですね。

「『楠公さん』ゆかりの地を巡るデジタルスタンプラリー」(外部リンク)もそのひとつ。来年の1月31日まで開催しています。ちなみに楠公さんというのは、皆さんご存じ南河内、中世の歴史的ヒーロー、楠木正成とその子正行(まさつら)のことです。

いまさらながら楠公さんの人気は河内長野を含めた南河内全体に広がっています。10月26日には富田林のすばるホール(小ホール)で、楠公さんをテーマにした恒例の無料講演会が実施されます。

そして楠公さんデジタルスタンプラリーは、全国68自治体で設立している「楠公さん」大河ドラマ誘致協議会が行っている初めてのデジタルスタンプラリーで、27自治体にゆかりの地を設定してスタンプを集めようというもの。スポットは大阪府が多いですが、京都、兵庫、奈良さらに福岡と多岐にわたります。

つまり各スポットを訪れて、「楠公さん」や中世の時代を体感しながら協議会の活動を知ってもらおう、そして署名などの大河ドラマ誘致活動を一緒に盛り上げようというのです。ちなみに河内長野市は、会長市です。すごい!

そのため市内には「楠公さん大河ドラマ」に関するのぼりや楠公さん自動販売機が設置されていることが多いのですね。

河内長野が会長市であるということと、住んでいても何かと話題に出てくる楠木正成の存在ということもあり、ぜひ参加しようと思いましたが、範囲がとても広いだけでなく、福岡県という非常に離れたところもあるので非常に大変です。

このスタンプラリー、実はひとつでもスタンプを手に入れればクリアファイルが参加賞として頂けると聞いたので、やってみることにしました。河内長野市内のスポットは2ヶ所で、三日市町駅前の多聞丸像と観心寺の入り口にある大楠公像です。

この2か所なら、普通に考えて観心寺までバスに乗って大楠公像のスタンプを得た後、歩いて三日市町駅に行き多聞丸像のスタンプを手にいれば良いとなります。後は河内長野駅前の観光案内所に行けば参加賞がもらえます。

これは動画の楠木正成甲冑隊のように、重い甲冑を着てても歩けるルート。観心寺から三日市町駅は下りが中心なので、大人の足であれば余裕ですね。

ところが、同じタイミングで始まった「河内長野デジタルきっぷ」(外部リンク)を使ったら面白いと思ったのです。なぜならば、従来ならバスの乗り放題「モックルMaaS」を活用していましたが、鉄道は対象外でした。ところがデジタルきっぷは、市内の南海電車区間も乗り放題!

河内長野デジタルきっぷは、西野市長自らが動画で紹介しています。モックルバスの実証ルート同様に11月29日までの期間限定とのことですが、せっかくなのでデジタルきっぷで楠公さんデジタルスタンプラリーを回ってみることにしました。

詳しくは、河内長野市の動画に紹介されていますが、注意したいのはモックルMaaSとは違うアプリです。スルッとQRtto(外部リンク)というWebサイトを使います。

このWebサイトは大阪市内の乗り放題チケットでも利用されている関西一円の交通機関で利用されていて、画像のように金剛山や高野山などに使える南海デジタルきっぷもあります。ただこれを利用するには、事前にメールアドレスなどの会員登録が必要です。

まずWEBサイトに会員登録をしログインすると、このような画面が出てきます。そこで河内長野デジタルきっぷを購入して利用するもの。「チケットを購入する」をクリックすると大阪市内などのいろんなデジタルきっぷが出てくるので、「河内長野」と検索すると河内長野デジタルきっぷが出てきます。

そしてクレジットカードなどで決済をし、チケットを手に入れてから必要な日に使用開始にすれば、その日1日有効です。画像のように上に3つのタブがあって、きっぷのタブは鉄道用。スマホのQRコードを改札の読み取り機にかざして入るという仕組みです。

南海電車の河内長野市内の各駅の改札に「QR」と書かれた装置が設置してあり、スマホをかざして改札を通過します。面白いのは複数人で使う場合、それぞれのスマホに分配する方法と、ひとつのスマホで横にスワイプさせてひとりずつ入るというやり方があります。

こちらはバスのページです。これは降りるときに運転手に見せればよいだけなので、モックルMaaSと同じです。ただ面白いのは有効期限。2:59となっていて、実際に翌日の2:59まで有効のシステムです。

バスがこの時間に走ることはありませんが、電車の終電の場合は日付を越えるので、このようになっているものと考えられます。そして翌日使うからと言って前の日の夜中に利用開始を選ぼうとした時、午前3時を過ぎてからでないと翌日無効になりますので注意しましょう。

また滝谷駅や紀見峠駅など河内長野市外に出てしまった場合は、駅員につたえた上で相当の旅客運賃(乗りこし料金)を別途払う(外部リンク)必要があります。無人駅の場合はインターホンで対応することになると考えられます。

1日使えるなら、楠公さんデジタルスタンプだけではもったいないと、1日中観光客気分で電車とバスを乗ってみることにしました。ここは朝の千代田駅です。乗り放題なので河内長野市内にあるもっとも北側の駅から試してみました。実施日は10月7日月曜日。週明けのためか、通勤客のピリついた空気が流れています。

千代田駅周辺を観光で見た場合は、世界かんがい施設遺産の寺ヶ池や最近寺の庫裏(くり)を寺子屋として活用した、ゆずと蓮で有名な盛松寺の最寄り駅でもあります。

8:06に千代田駅から区間急行に乗り、三日市町駅に向かいます。

午前8:11に三日市町駅に到着しました。

「楠公さん」ゆかりの地を巡るデジタルスタンプラリーは、よく使うSpotTourのアプリをです。

今回のスポットはとにかく数が多いです。何しろ46あります。その中でも今回集めるのは河内長野市内、13と14のスポットで赤で囲んだ2ヶ所です。

三日市駅の陸橋からの眺めです。手前にだんじりの提灯が目立っていますが、その上側、時計塔の右側に小さく楠公さんスポットの多聞丸像が見えます。

観光客モードで回るので、いつもと違って石碑などもチェックしましょう。岩湧寺に向かうスタート地点でもあり、左側に行けば鬼住(現:神が丘)の延命寺に向かう旨の標識です。

岩湧寺は、バスで神納まで行ってからの道のりですが、延命寺は三日市町駅からなら歩いてという道筋は今も同じですね。美加の台駅からならば、延命寺方面に行けるバスがあります。

さらにこちらは、三日市に関する説明文です。実は3面になっていて、どの面にもぎっしりと説明があります。

引用すると次の通り。

三日市は京、大阪から紀州の霊場高野山に向かう"信仰の道”「高野街道」の道筋で、平安の昔から高野詣での旅人で賑わいました。上皇や公卿の往来も多く、中世初めの武家の興亡を背景に日記「山槐記」を書き残した中山忠親卿らが知られています。近世になると三日市にも駅が置かれて宿場町として栄え、「河内名所図会」にも旅籠屋諸問屋などが軒を連ねていた往時の姿が紹介されています。

河内長野が大阪近郊の田園都市として発展したのは昭和四十年代からで、南海高野線三日市町近くにニュータウン「サザンノール三日市」が誕生したのは平成になってからです。この地には旧石器時代から近世にまたがる複合遺跡「三日市遺跡」が眠っていました。特に平安時代から室町中期までは大きな集落があったようです。約六百年の時を経て、今また新たな暮らしが始まりました。

すつる身は うき立雲が ゆくみつか いちのかりやの みくしとまちで 立印(「高野の道の記」より)
高野の道の記は江戸中期の歌人、烏丸資慶が亡き母の三十五日忌に高野山へ参詣する途次に記した随想です。この歌は、随行の僧、立印が旅先の三日市宿で酒を酌みながら出家の身を浮雲、流水にたとえて詠んだものです。烏丸家は藤原北家の流れを汲む歌道の名門。資慶は細川幽斎門下の歌人として有名な光広の孫です。

少し脱線しましたが、スタンプのスポットに行きましょう。

こちらには弘法太師(空海)の名前が彫られた常夜灯があります。隣の説明版によると1770年6月に建てられたもので、三日市宿のシンボル的な存在とのこと。

などと見ていたら、スタンプ獲得の案内です。

いつものファンファーレとデジタルスタンプが押されました。

このように手に入れたスタンプは青で反転します。スタンプはひとつあれば参加賞はもらえますが、せっかくのデジタルきっぷですから、もうひとつ左隣にある観心寺大楠公像のスタンプも目指します。

平成時代に建立された像です。左の多聞丸(楠木正成)が右の大江時親に学ぶ像です。

三日市町駅からは、1日の時にも乗った実証実験ルートのモックルバスに乗ります。8:35発で目指すはくろまろの郷です。モックルバスの時にも紹介しましたが、くろまろの郷は平日しか行かないので、ここからは平日専門でのルートとなります。

バスは大矢船北町と南花台を経由してくろまろの郷を目指します。この日は南花台の各バス停から乗ってくる方が目立ちました。

ということでくろまろの郷に8時58分に到着しました。くろまろの郷に来た理由はデジタルきっぷの特典「くろまろの郷のパン」をいただくためです。

デジタルきっぷの「特典」タブです。税抜き250円以下のパンの特典を得るときには、精算に従業員にこちらを見せると1回限りで有効です。

くろまろの郷に到着したのは、ほぼ朝9時とあって、ビジターセンターの開店時間でした。さっそく中に入ると、焼きたてのパンが並んでいます。

期限は決まっていませんが、今北海道フェアーを開催中とのこと。ちくわパンなど北海道限定のものや、モーモーみるくパンのような北海道をイメージしたパンを販売しています。

またデジタルきっぷの実施期間中の11月16・17の両日には花の文化園でアートの森が行われます。以前滝畑ダムで取材した記事があるので参考にしていただき、興味のある方は申し込みましょう。

そして面白いと思ったのはくろまろの郷到着の10分ほど後です。私がパンを購入して次のバスをベンチで待とうとすると、ちょうど9:04に河内長野駅を出た滝畑ダム行き最初のバスが入ってきました。くろまろの郷に到着したのは9:13です。

平日限定ですが、例えば三日市駅からひとあし早くくろまろの郷に到着してパンを購入してからバスに乗って滝畑ダムを目指すことも可能です。くろまろの郷で手に入れたパンを手に、これから見頃になる岩湧山山頂での昼食ということも、今ならできます。

しかし、私はいったん10:19発の三日市町駅に戻ります。デジタルきっぷは滝畑ダムへのバスも乗り放題ですが、それはモックルMaaSでもできることです。今回は鉄道が乗り放題を試したいとの考えがあったので、あえて鉄道を乗りに行きました。

10:50着で三日市町駅前に戻ってきました。ここからは電車に乗り込みます。

楠公さんデジタルスタンプだけを目指すのであれば、本来は河内長野駅まで電車に乗るのですが、デジタルきっぷの威力を試したくなった私は、あえて逆方向のホームに来ています。

そして向かったのは天見駅です。河内長野で最も南側にある南海電車の駅ですね。

天見駅には11:02に到着しました。天見駅なら、たとえば山川草膳久右衛門さんでランチをとることもできます。また天見駅ではなく手前の千早口駅なら歩絵夢さんという選択肢もありますね。

天見には蟹井神社や流谷方面にある八幡神社などのスポットもありますし、ハイキングなら紀見峠、さらにダイヤモンドトレールに行ってみてもよさそうです。

これまでは通常の運賃が必要だった電車の区間が、乗り放題のチケットとあって、天見に広がる山々や田園地帯が広がっている場所に、以前にもまして気軽に行けます。

今回時間があるので、私は少し歩いて遠くに行ってみました。ここは上天見の奥、島の谷のもっとも奥地にあるそば畑です。

10月中旬ごろまで、白いそばの花が咲いているとのこと。あまり期間はなく、もう終わっているかもしれませんが、参考までに紹介します。

12:59の天見駅発の電車に乗って、河内長野駅に戻ってきました。

ここでようやく観心寺を目指します。楠公さんスタンプラリーのことは忘れていません。

観心寺バス停に到着です。13:24到着。

大楠公像の前に到着しました。

ところが、大楠公像前に来てもスポットが反応しません。いったいどういうことでしょうか?

どうやらセンサー位置が少しずれていました。画像の地図で大楠公像は観心寺と阿修羅窟さんの間の駐車場にあります。ところが、センサーのある位置は観心寺KU-RIよりも北側、バス停寄りの駐車場付近でした。

大楠公像のスタンプが反応する駐車場
大楠公像のスタンプが反応する駐車場

そのためセンサー近くの駐車場に戻ったところ反応しました。実はSpotTourのアプリのアプリの位置確認を「常に許可」にしておくと、どうしてもバッテリーの消耗が早くなるので、それを止めていたのです。そのため目の前を通ったのに反応しなかったのです。

つまり、私のように設定をいじってスマホのバッテリー消費を抑止しようとするようなケチくさいようなことをしなければ、観心寺バス停から観心寺に向かう途中でスタンプが反応すると考えられます。

ということで無事にふたつ目を手に入れました。河内長野市内に限ればコンプリートです。

観心寺のスポットは観心寺をはじめ最近は旅館のリニューアルで来るたびに新しくなっているenさんがあります。ちょうど離れ(別館)の茶屋恕意(JOY)さんもグランドオープンしましたね。また近くに洋食のおとぎ屋さんもありますし、土日なら阿修羅窟さんや菊水切石さんもありますね。

またデジタルきっぷの期間中に、観心寺では観心寺マルシェKU-RIがあります。例年大人気マルシェなので、車よりバスのほうが行きやすいかもしれません。観心寺と河内長野駅の往復は680円。デジタルきっぷの料金との差額は20円なので、プラス少しより道をするだけでお得になりますし、くろまろの郷に行って特典のパンをもらうとさらにお得になります。

ということで観心寺15:09発のバスに乗って河内長駅に戻ってきました。時刻は15:24です。

駅前の観光案内所にスタンプをもっていきます。参加賞の場合はアンケートなどの回答も不要で、スタンプを見せただけでクリアファイルがいただけます。ただし先着順で枚数が限られているので、興味のある方は急ぎましょう。

こちらが頂いた参加賞のクリアファイルです。他自治体のスポットを回ってスタンプを5つ集めると自治体賞の応募の権利があります。期限は1月31日までなので、思い切って九州まで遠征してコンプリート賞を目指してもよいですね。

ちなみにデジタルきっぷをさらに活用する場合、15:35発のバスに乗れば15:51に天野山バス停に到着するので、天野山金剛寺(閉門時間16:30)にも間に合います。寺に行かなくても天野山金剛寺Monzen.さんが16:30までなので休憩もできますね。

もちろん、天野山でゆっくりしたいなら観心寺を1時間早く繰り上げるとか、天見をもっと早い時間の電車に乗るなどいろんなアレンジができます。今回は平日の場合ですが、土日祝だとまた違うでしょう。バスや電車の時刻表と睨めっこしながら計画を立てるのもなかなか楽しいものです。

そして夕方に河内長野駅前に戻れば、どこかで夕食をとって帰ることもできます。例えば駅近くの酒蔵通り、天野酒さんの前にある天空さんもおすすめです。仮に二次会のお店で遅くまで飲んでも翌日の2:59までチケットが有効なので、最終の電車やバスの時刻さえ把握しておけばよいでしょう。

余談ですが次の土曜日10月19日に天野酒さんで秋の蔵開きを行います。デジタルきっぷなら安心してアルコールが飲めますね。

多聞丸像

住所:大阪府河内長野市三日市町

アクセス:南海三日市町駅下車徒歩1分

---------------------------------

奥河内から情報発信のおすすめ記事がLINEに届きます!

奥河内地域に住んでいる人たちに役立つ情報を毎週水曜日の10:00にお届けします。

ぜひご登録ください!

<友だち追加の方法>

■下記URLをクリックして友だち登録してください

LINEアカウントメディア(外部リンク)

※本リンクはYahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています

---------------------------------

※記事へのご感想等ございましたら、プロフィール欄にSNSへのリンクがありますのでそちらからお願いします。

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

奥河内から情報発信の最近の記事