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【富田林市】な、なんと日本初のワンちゃん専用懐石!龍泉で五つ星ホテル歴任料理人が作る、犬と人の和食連

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

人が動物をペット(最近は家族)としてかわいがることはごく普通のこと。最近ではフクロウやヤモリといった珍しい動物を飼う人もいます。しかし、ペットの代表格と言えば、やはり犬と猫ではないでしょうか?

東京渋谷のハチ公像
東京渋谷のハチ公像

特に犬は、人との付き合いがはるか昔からあり、1万年前以上(考古学上では1万4000年前の痕跡が確認されている)からと、とても長いのです。犬との付き合いは最初は家畜からスタートし、やがてペットとなりますが、最近では「ワンちゃん」として家族の一員として過ごしています。

そのような中、ワンちゃんと人がともに過ごせる場所が重視され、ワンちゃんと泊まれる宿やワンちゃんと一緒に食事できるドッグカフェなどが増えてきています。しかし、富田林では普通のドッグカフェではなく、日本で初めてワンちゃん専用懐石料理を出している本格和食店があるのです。

お店の名前は「犬と人の和食 連(以下、連さん)」。場所は、富田林龍泉、旧東條村の佐備と甘南備の間、地名の由来である龍泉寺が中腹にある嶽山(だけやま)のふもとにあります。公共交通での最寄り駅は竜泉バス停です。(※寺の名前「龍」と異なり、バス停の名前は簡単な方の「竜」です)

ワンちゃん連れのお客さんが楽しめる本格和食店なので、車で来る人がほとんどかもしれません。駐車場は広く、2カ所で10台以上停められます。

連さんのinstagram(外部リンク)によれば、駐車場についての説明があります。専用の駐車場は大型車とそれ以外は場所が違うとのこと。また台数に限りがあるため、可能であれば乗り合わせをお願いしたいとのことです。

こちらが連さんです。まさに古民家を改装してできたお店です。注意したいのはワンちゃん専用懐石があるといってもワンちゃん連れ専用店ではありません。その証拠にワンちゃんを飼っていない私が普通にお昼のランチとして連さんを利用できました。

古民家を改装したカフェ・飲食店は、この地域では何店も見かけます。とはいえ本格的な和食店ということで、古民家の造りがとても活かされているように感じました。

ただ、一般的な和食店に無いものもあります。ワンちゃんの足を洗うための場所です。

さて、連さんの中に入ってみましょう。

風情のある佇まい、そして正面奥にワンちゃんがいます。これは連さんの家のワンちゃんで、名前は店名と同じ連ちゃんです。

人間では「ワン」としか聞こえませんが、彼(彼女)ら同士でコミュニケーションを取り合っているはずで、公園の散歩やドッグランに行けばそういう光景ばかり目に留まります。だからただそこにいるだけでなく、連さんに来たお客のワンちゃんに対しても、きっとおもてなしのようなことをしていると考えられます。

連ちゃんの前に来ました。普段は中からの出迎えです。これはお客さんの中には、ワンちゃんに対して否定的な考えを持つ人もいますので、普段はここで大人しくしている訳ですね。ただ後でお店の人に話を伺うと、お店にいつも常駐しているわけではないようです。運が良ければ連ちゃんに会えるわけです。

ワンちゃんと共に食事ができるので、土足のままで上がれます。

こちらが店内です。ワンちゃんと共に過ごすコンセプトがあることからか、イスとテーブル席になっています。お店の人の話では、この古民家を探すのに2年かかったとのこと。

グループの会食にも最適な空間です。15名以上24名未満であれば7,500円以上のコース料理での貸切も可能とのこと。

またこちらにリードを引っ掛ける金具があります。ワンちゃんを連れで来られた場合でも、野放しでは他のお客さんの迷惑になる恐れがありますし、ワンちゃん同士でという可能性もあるわけですから、大切なことですね。

さて、メニューをみましょう。ちなみに私は予約不要の3,500円のおまかせ弁当「花」を選びました。なお、お昼は5,000円と6,500円のコースがありますが、いずれも事前予約が必要です。お店の人の話では、2025年に値段改定を検討しているそうで、詳細は連さんのinstagramを確認してほしいとのことです。

コースに追加できる期間限定の単品です。めっきり冷えた冬の時期に温かい鍋はとても良いですね。

飲み物です。各種アルコールとソフトドリンク、ノンアルコールビールがあります。アルコールを飲まない運転手が一緒にいれば、本格和食なのでお酒も頼みたいところですね。

そしてこちらが、日本初とされるワンちゃん専用懐石(わんこのお献立)です。わんこ御膳は小型犬用と大型犬用で分かれており、それぞれのコースに応じた品数が用意され、2日前の21時までの予約で受け付けているとの事。またヤギミルク、わんこ薬膳ドリンクとワンちゃん専用ドリンクメニューもあります。

そしてワンちゃん連れで懐石料理が食べられる和食店だからの注意点があります。誤飲を防ぐために、つまようじなどは素早く拾うこと、ヒート中(発情期)のワンちゃんの来店を控えて欲しい、自然豊かな場所なので店内に虫が入ってくるリスクがある旨などです。

もちろん店を運営する料理人の方がワンちゃん好きでもあるわけですから、このように箸置きひとつをとっても、ワンちゃんで揃えています。

そして、店内には雑貨コーナーがあります。ワンちゃんは飼っていない(飼えない環境)だけれど、ワンちゃんが好きと言う人もいるかと思いますので、食事の後で覗いてみて気に入った雑貨を購入できます。

こちらがワンちゃん雑貨コーナーです。

ワンちゃんひとつとっても、いろんな犬種があり、犬種に応じたたバッジがあります。

さて、料理を待つことにしましょう。しばらくは人間が堪能できる料理のご紹介です。

先付けは「あん肝とカブのポン酢ジュレ」。普段食べる機会の少ない豪華な料理、口で味わう前、視覚だけでも美味しいのがひとめでわかりますね。

お刺身は「カンパチ、モンゴウイカ、ヨコワ」です。異なる3種類の食感を堪能しました。ところで頼んだのはおまかせ弁当です。これはまるでコース料理ですね。一体どういうことでしょう。まさか間違えて来ている?

次に瓢箪(ひょうたん型)の器が登場して安心しました。実はこれが弁当だったのです。

瓢箪弁当の中身はこちらです。「厚焼き卵 ホタテの真砂煮 蛤しんじょう 金柑蜜煮 ニシンの艶煮 イサキの柚庵焼き 雪輪蓮根 イカのぬた和え」おかずの種類が多いです。そして一口一口異なる食感と味わいが続きます。あまりにも贅沢すぎるお弁当ですね。

この後は、小さな土鍋が登場しました。

開けるとこうなりました。「ぶり大根、あわぶ、春菊、富田林名物海老芋」どれも一口サイズです。

天ぷらは「菊芋 さつまいも 海老 菊の葉」。器が大きいので、天ぷらが小さく見えますが、実際には大きいです。特に海老については頭と殻を取って15センチはあるかという大きさなので、驚きました。余談ですがワンちゃんと一緒に食事の席についていると、天ぷらが登場するとワンちゃんが大きな反応を示すそうです。

蟹炊き込みご飯、白菜べったらの漬物、赤だしです。嬉しいことに、ごはんはおかわり自由です。

最後のデザートは、チーズケーキと洋ナシです。別にコーヒーを頼みましたが、Instagramをフォローしていると無料になります。

画像提供:犬と人の和食連 夜のおまかせ会席「葛城」
画像提供:犬と人の和食連 夜のおまかせ会席「葛城」

満足しました。おもわずワンちゃんのことを忘れてしまうほど。人間相手の本格和食はとてもコスパ良く、リッチなひと時を味わいました。

食事のあと、料理人の店主さんと連ちゃんが席に来てくれて少しお話を伺いました。店主さんは、リーガロイヤル堺をはじめ、様々な五つ星ホテルを経験しています。そして、店主さんは日本国内だけではなく海外経験もあり、オランダのホテルオークラに勤務していたそうです。

ワンちゃん用の懐石の器は小型犬用と大型犬用がある
ワンちゃん用の懐石の器は小型犬用と大型犬用がある

そして店主さんのオランダ滞在経験こそが、日本初のワンちゃん懐石ができるきっかけとなりました。オランダではワンちゃんは公共交通機関にも普通に乗せられ、またレストランに普通に連れて行けるとのこと。

スタッフの方が説明してくれました
スタッフの方が説明してくれました

店主さんは、オランダのワンちゃんの社会的地位が高いことに感銘を受けたそうです。そういえば日本にはそんな場所が少ないので、同じような世界になったらいいなと店主さんは考えていました。

オランダから帰国後は、ある和食店のエリアマネージャーをしていましたが、コロナ禍のため退職。このタイミングを利用した店主さんは古民家で独立開業したいと考えます。そしてドックカフェで働きながら物件を探し、犬を扱える各種資格(第1種動物取扱業、動物取扱責任者など)を取得しました。

画像提供:犬と人の和食連
画像提供:犬と人の和食連

店主さん曰く、犬と行けるカフェはたくさんありますが、きちんと和食が食べられる店がなかったので作りたかったとのこと。またお客さんも、カフェでは食べられる料理が限られてしまい、飽きている傾向もあると、ドックカフェで働きながら感じました。だったらと、あえて本格和食としたのです。

画像提供:犬と人の和食連
画像提供:犬と人の和食連

ワンちゃんが懐石料理を頂いている写真をお借りしました。ワンちゃん懐石の料理には、調味料は使っていないとのこと。スプーンで食べていますが、画像のワンちゃんはいずれも目がリラックスしているよう見えます。味がしっかりわかっているのでしょうか?私には満足げな表情をしているように見えました。

店主さんが富田林に店を構えた理由は、店主さんの奥様が富田林の方で、実家が店から車で10分の所にあるからです。

最後に店主さんから来店を希望される方へメッセージをいただきました。「お客さんは9割がワンちゃん連れですが、ワンちゃんに恐怖感やアレルギーのないお客様であれば、遠慮なくぜひ来ていただきたい。ウェルカムです」

詳しくは公式instagramを見て欲しいのですが、Q&Aを拝見すると、注意点としてむしろワンちゃん連れの人が、そうではない人に配慮して欲しいと言った内容も含まれています。ワンちゃんと過ごすための本格和食店は、ワンちゃん連れではない私もリッチに美味しく楽しめるお店でした。

犬と人の和食 連

住所:大阪府富田林市龍泉708

TEL:0721-26-9917

営業時間:11:30~15:00(昼の部)17:30~21:00(夜の部)

定休日:月曜日、火曜日(変動の可能性あり)
アクセス:近鉄富田林駅からバス 竜泉バス停下車5分

instagram

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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