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【河内長野市】本日飛入り参加OK!今年から大阪芸大学園祭出展も。滝畑・創作ひろばアートの森の活動とは

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

自然や歴史が豊かな河内長野の場合、絵のモチーフになりそうな風景がたくさんありますね。そのため、うまく絵を描きたいと思いがちですが、実際には絵は上手く描こうとしない方が上達するそうです。

上手に描こうとするのではなく、自由に好きなように描いた方がのびのびと描けて結果的に上達するというわけですが、そんな自由に絵などのアートが堪能できるイベントが年3回、滝畑で行われています。それが上記「2024創作ひろば 春・アートの森」。春の会は昨日15日と本日16日の2日間開催。当日飛び入り参加も可能なイベントです。参加費は中学生までが1日1,000円で、高校生以上は2,000円。メインは子どもですが、大人も参加できる楽しいアートイベントです。

会場となっている滝畑は、1981年に滝畑ダムができてから雰囲気が一変しました。山深い静かな山郷から自然に親しめるアウトドアスポットとなり、その後アートを楽しめる土壌ができたのです。その発端となった画像のアート作品「Ishikawa」は、1998年に造られ、1999年に「滝畑アート・ウォーキング」のときにこの場所に展示されました。

また2012年には滝畑フォレストアーツ2012というイベントが行われるなど、滝畑とアートは相性が良いです。ちなみに今回の創作ひろばアートの森は、コロナ禍の2年間を除いて毎年開催されているイベントで、2019年で10回目。2010年から始まっていることとなります。

とても気になった私は、代表の末延國康先生と連絡を取り、昨日創作ひろばアートの森を見学させていただくことになりました。創作ひろばアートの森が行われているのは滝畑コミュニティセンターです。公共交通の場合は、滝畑ふるさと文化財の森センター前バス停です。

滝畑ふるさと文化財の森センターは、滝畑ダムの湖畔から坂を上った丘の上にありますが、その途中、左手に曲がると滝畑コミュニティセンターがあります。

駐車場も完備されているコミュニティセンターの前は滝畑地域の重要なものが集まっています。右から簡易郵便局、老人会館、消防団、また映っていませんが、いちばん右端に駐在所があります。

滝畑コミュニティセンターの前を見ると数多くの段ボールが並んでいました。そして真ん中に「アートの森」と書いてあります。

近づいてみました。「アートの森」と書かれた大きな段ボールの箱の周りには、いろんな柄の箱が並んでいます。

かわいらしい手書きの箱があるかと思えば、

なぜか相撲の番付表を貼ったものまでありました。

滝畑コミュニティセンターの入口にもアートの森と書いてあります。中に入ってみましょう。

コミュニティセンターの中で、会場は2階です。

会場に上がりました。開始より早い時間なのでまだ参加者は少なめです。

始まる前に末延先生にお話を伺いました。

末延先生とは、昨年一度お目にかかったことがあります。河内長野観光ボランティア倶楽部のイベントで、滝畑コミュニティセンターから見てダム湖を挟んだ反対側に末延先生のアトリエがあり、そこでお話を伺いました。

アートの森の過去作品の写真が並んでいました
アートの森の過去作品の写真が並んでいました

前回は、大人数のひとりとしてお話を伺っていましたが、今回は直接お話を聞く機会となりました。末延先生はSNBAフランス美術協会の会員で、元々は中学校の美術教諭。大阪芸術大学教授を経て、引退後に創作ひろばアートの森の代表として毎年活動をされています。

末延先生が、なぜこのようなイベントを始めたのかとお伺いしました。すると「学校の授業ではアートの時間に限りがある」というのがきっかけなんだそうです。

「アートはイメージを膨らませるのに時間をかけて、創作する側面があります。1時間程度の授業では『さあ、これから』というときに授業が終わってしまいます。そうでは無くもっとアートに1日かけて取り組める機会があってもいいのでは」ということで、始めたそうです。

2016年には読売新聞にホスピタルアートが紹介された
2016年には読売新聞にホスピタルアートが紹介された

また末延先生はアートの森のとしての活動とは、別に大阪狭山市の病院でホスピタルアートを行うなどの活動を行っていました。

末延先生の段ボール作品
末延先生の段ボール作品

今回段ボールアートにしたのは、加賀田で工場を営んでいる南さんから多くの段ボールの提供があったからとのこと。創作ひろばアートの森は賛同者が多く、滝畑地区の区長さんも創作ひろばアートの森のためにコミュニティセンターの無償提供をしてくださったそうです。

創作ひろばアートの森は大人も子どもも参加できるイベントですが、末延先生によると親子の絆が強くなるきっかけにもなっているとのこと。父と子がアートの創作を行う際に、父親が一生懸命にアートに取り組む姿を見て、子どもが「かっこいい」と思うそうです。

末延先生の左にいらっしゃる方は、60年来のお付き合いのある中学校の生徒だった、あさの先生です。中学校は3年で終わりますが、その期間の20倍もの長い間、師弟の付き合いがあるというのは横でお話を伺っているだけで素敵ですね。

「創作ひろばアートの森は授業ではないので」と、末延先生は途中まででも途中から参加でも問題ないと言います。アートを学ぶのではなく、アートを楽しむという言葉のほうが近い気がします。とはいえ、末延先生を始め美術の先生(現役、元を含む)と大阪芸大の学生がサポート役として控えているので、楽しむと言ってもハイレベルなアートのノウハウが得られます。

こちらが参加者のテーブルの前に置いてあるセットです。鉛筆、ハサミ、ボンド、定規、カッター、作業用のボードです。

それに追加した素材がいろいろと置いてあります。

好きなものを自分の感性で選べるわけですね。

さらに細かい素材があります。

画材もマーカーやクレパスなど多種多様なので、本当に自由自在にアートが楽しめるわけですね。

開始の前にすでにお絵描きをしている子どもがいました。

どの色を使うのかも参加者の思い思いです。

自画像を描いている子もいます。

顔と名前と日付が書いてあります。

上にぶら下げているものが歴代の創作ひろばアートの森の参加者のものとのことなので、こういうところで使われるのかもしれません。

子どもの参加者がメインですが、大人の参加者の方もいます。このように創作ひろばアートの森の趣旨を理解していれば誰が参加しても問題ありません。

ここでみんなが勢ぞろいして、先生方の自己紹介が行われました。

末延先生が創作ひろばアートの森の趣旨を参加者に説明します。

こちらは山口先生です。

山口先生から見て右から順に、とみおか先生、はしもと先生、あさの先生です。

左端の方は大阪芸大の車谷哲明教授です。芸術学部の初等芸術教育学科の学科長で、教務部教職相談室の室長、付属幼稚園(松ヶ鼻、照ヶ丘、金剛、泉北)の幼稚園長でもあります。

そして、末延先生の左にいるのが大阪芸大初等教育科の学生さんです。

車谷教授から興味深いお話を聞きました。なんと今年から創作ひろばアートの森の作品を11月2日・3日に開催される秋の大阪芸大の学園祭に出店するとのこと。芸術家の卵がしのぎを削っている大阪芸大に展示されるというのは素晴らしく名誉的なことだと思いました。

自己紹介が終わったらいよいよ創作の開始です。今回は段ボールを使って額と仮面をつくるという内容です。お昼休みを挟んだ午後から、別のものにも挑戦するとのこと。

山口先生による段ボールで作る額の説明です。

少しだけですが動画に撮りました。

説明の後は実際に段ボールを切って実演します。

子どもたちは真剣なまなざしで見ています。

茹でていないマカロニなどもアート素材として使います。

最終的には写真を挟み込めるようになるとのこと。

ちなみに完成品の一例です。一例と書いたのは後は参加者が自分の感性の好みなどによって全く異なる作品に仕上がるからです。

次は末延先生が仮面の作り方を説明します。

同じように段ボールの切り方の説明があります。

段ボールの端を切ることで、仮面の髪やひげを表現できるそうです。

やはり真剣に見つめている子どもたちですが、そこは授業ではなく、思ったことをいろいろ口にする子どもたち。会場内が笑いに包まれることもしばしばありました。

白目の部分に迫力を持たせるために銀紙を使います。それもアルミホイルではなく、チョコなどのお菓子を包んでいた銀紙を再利用するわけですね。

こんな感じで仮面ができましたが、これに色を塗ることで、

このように変わるようです。ぱっと見た目だけだと段ボールにみえませんね。

段ボールを上手く重ねて作る段ボールアートは立体的です。

いよいよ参加者が実際に創作を開始します。

段ボールを受け取ったら思い思いに創作を始めます。

また先生方は、先ほどの銀紙にお菓子メーカーのラベルなどがついているのでそれを剥がす作業に取り組んでおられました。

みんな楽しく、でも真剣に創作をしています。

大阪芸大の学生さんが子どもたちをサポートします。

段ボールの切り方を真剣に見つめています。

デッサンの絵がありますね。

ただ作業をするのではなく、遊んでみることも大事です。こんなことをして楽しみながら、次の創作意欲、イメージが湧くことだってあり得ますね。

末延先生によると創作ひろばアートの森に最初に参加した時は小さかったのに今では高校生になった子がいるということでした。これはもしかしたら、まもなく大阪芸大に入学する子が現れて、指導者として創作ひろばアートの森に参加する日も近いかもしれません。

見ているほうも楽しかったのですが、いい加減皆さんの創作活動の邪魔になりそうだったので、お先に失礼いたしました。

2024年創作ひろばのおさらいです。春アートは本日16日日曜日も飛び入り参加OKで、10時から16時まで段ボールアートを開催します。当日参加の人は昼食(食べ物と飲み物)を用意してください。

そして夏アートが8月10日、11日の2日間行われます。テーマは木工で木を使ったアートなので、段ボールとは違う内容ですが、本日は都合がつかず参加できないといった場合、夏に参加してみてはいかがでしょう。料金や時間などの条件は、春開催と同じです。

詳細はまだ未定ですが、10月には大阪府立花の文化園で、秋アートが行われます。「滝畑までは遠くて」と思う方や花に囲まれたところで創作をしたい人は10月に参加しても良いですね。秋についての詳細は、末延先生(suenobukuniyasu@yahoo.co.jp)まで連絡をお願いします。

春、夏開催に参加される方は、コミュニティセンター1階の展示物にもぜひ目を通してみてください。

上段にはアメリカインディアナ州(河内長野と姉妹都市を結んでいるカーメルがある州)の芸術家リックポール氏プロフィールと作品が展示してあります。下段には伝統工芸の滝畑の炭焼が展示しています。

滝畑の炭焼きは江戸時代質が良いと全国的に有名だったことや、元禄時代に入ると支配していた狭山藩に白炭の商品化を禁止されるなどといった歴史が学べます。

滝畑で焼いた滝畑炭が展示されています。

さらに、滝畑コミュニティセンターから坂を上ると滝畑ふるさと文化財の森センターがあります。

茅葺屋根の古民家を展示しています。

これは旧梶谷家住宅で、府下の他地域には見だすことができない独自の形式の民家があるということで、18世紀中ごろの梶谷家を当時の姿に復元したとのこと。

中に入ると七夕飾りがクリスマスツリーのように飾られていました。

また隣の新館のほうでは、旧梶谷家住宅を含めた屋根の吹き替えの様子を映像化したものが見られます。

5分ごとに、茅葺き、檜皮葺き、杮葺きの作業の様子が見られます。

常設展示の瀧幹(タキカン)も含めてすべて無料で見られるので、創作アートの森に参加したついでに、休憩中のときなどに見てもよさそうですね。

ということで、創作広場アートの森の様子を紹介しました。大切なことなので繰り返し書きますが、当日の飛び入り参加が可能です。興味のある方は、緑色の坊主頭が何とも言えない岩湧山山頂やその下にタテガミのように見える森を眺めながらアートにいそしんでみてはいかがでしょう。

滝畑コミュニティセンター(創作広場アートの森)(外部リンク)

住所:大阪府河内長野市滝畑540

開催日:6月16日日曜日(春)、8月10日土曜日(夏)、8月11日日曜日(夏)

時間:10:00~16:00(途中参加、途中退出可能)

定員:各日 30人(先着順)

参加費:幼児~中学生=1,000円、高校生以上=2,000円

申し込み:末延代表(suenobukuniyasu@yahoo.co.jp、090-2116-4758)

アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス、滝畑ふるさと文化財の森センター前バス停下車 徒歩2・3分(河内長野駅9:04発に乗ると9:45に到着)

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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