レアルが抱える「カゼミロ問題」の本質。中盤の構成力不足とアンカーがいない現状。
スペイン勢で唯一、チャンピオンズリーグで決勝トーナメント進出を果たした。
レアル・マドリーが欧州の16強に名を連ねている。バルセロナ、アトレティコ・マドリー、セビージャの敗退が次々に決まるなか、マドリーはグループ最終節でセルティックに5−1と大勝して首位通過の切符を手にした。
マドリーは好調だ。だが、ここでは、あえてそのチームの課題を指摘する。
■中盤の構成力
現在のマドリーが抱える問題、それは中盤の構成である。
マドリーは今夏、カゼミロがマンチェスター・ユナイテッドに移籍した。カゼミロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチの3選手はマドリーで盤石の中盤を形成していた。チャンピオンズリーグで4度の優勝に貢献。ミドルゾーンにぶれない軸があることで、チームに一本芯が通っていた。
基本的には【4−1−2−3】のアンカーにカゼミロが入る。左インサイドハーフにクロース、右インサイドハーフにモドリッチ。2人の司令塔がゲームメイクを行い、彼らの背後のスペースをカゼミロがカバーするというのがベースの構造だった。
ただ、マドリーの中盤の構成力というのは、そこに留まらなかった。
カゼミロが「アンカー出し」の動きで、トップ下化する。クロースとモドリッチがダブルボランチを形成する。これにより、相手のプレスの的を絞り難くしていた。
■カゼミロ不在の影響
カゼミロが去り、この形が作れなくなった影響は大きい。
カルロ・アンチェロッティ監督はそこに気付き始めている。そもそも、カゼミロと彼の代役として期待されているオウリエン・チュアメニではプレースタイルが異なる。もっと言えば、チュアメニという選手はワンアンカータイプのプレーヤーではない。
そのような状況で、試されてきたのがダブルボランチだ。
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