タバコやお酒は血圧にどんな影響があるんだろう?【高血圧のいろはを理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
高血圧はよくないと頭では理解していても、どのように対策をすればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここからは、実践的な血圧管理の方法について順番に見ていきましょう。
高血圧の予防と管理
高血圧の予防と管理には以下の4項目がポイントとなってきます。
・喫煙や飲酒の制限
本記事では喫煙や飲酒の制限について解説していきます。
なぜ禁煙・禁酒を推奨されるのか
喫煙の影響
タバコの煙に含まれるニコチン・タール・一酸化炭素などの有害物質には血管に炎症を起こす作用があり、交感神経が緊張します。
その結果、血管が収縮し、動脈硬化を進行させ、血圧を上昇させる原因となります。
飲酒の影響
適切な量であれば健康によいといわれることもありますが、飲み過ぎには注意は必要です。
飲酒量が増えると高血圧だけでなく、生活習慣病のリスクも高まります。
禁煙の進め方
禁煙外来
医療機関での禁煙外来に通うことで、正しい知識をインプットしながら計画的に禁煙を進めることができます。
約3ヶ月の通院で、禁煙成功率は7〜8割といわれており、保険診療で約2万円の費用となります。
ニコチン代替療法
ニコチンパッチやニコチンガムを使用して、禁煙初期のニコチン依存を軽減します。
低容量のニコチン補充ができることで、ニコチン依存からの離脱を無理なく進めていくことができます。
禁煙コミュニティ
情報交換や進捗状況の共有で、仲間と進めているという連帯感が禁煙の成功率を上げるといわれています。
最近ではSNSで他の禁煙希望者さんとも繋がりを作ることができるため、一人では不安な方におすすめです。
禁煙アプリ
スマートフォンのアプリを使用して、ご自身の進捗状況を記録したり、他のユーザーと情報共有もできます。
ゲーム感覚で取り組めたり、ご自身の頑張りを可視化できることで、モチベーションを維持しやすくなります。
習慣の見直し
タバコを吸っていた環境を変える(タバコ・ライター・灰皿の撤去など)
喫煙と結びついていた生活習慣(食後の一服など)の習慣を変える
などの工夫で、習慣的な喫煙に対して対策しましょう。
禁酒の進め方
適切な飲酒量を知る
1日の適正アルコール摂取量は30グラム以下とされています。
現在の飲酒量が適正量であれば大きく減らす必要はありませんが、これを大幅に超える量を日常的に摂取している場合には見直しが必要です。
(アルコール30グラムの目安:ビール大瓶1本、ワイン2杯、日本酒1合、に相当します)
休肝日を作る
飲酒しない日を週に数日設けることで、トータルの飲酒量を減らします。
低アルコール飲料の選択
アルコール度数の低いものを選択することで、摂取するアルコール量を抑えることができます。
水分補給
お酒とお酒の間に水やお茶などのソフトドリンクを挟むことで、飲酒量を自然と減らすことができます。
飲酒習慣の見直し
ストレス発散を目的とした飲酒であれば、ストレス発散の代替手段はないか考えてみましょう。
習慣的に飲酒している場合には、そのお酒は今日飲まなければならないものなのか考え直したり、自宅での晩酌の場合はストックを持ちすぎないようにしてみましょう。
まとめ
喫煙や飲酒は楽しみの一つでもあるため、一気に無くしてしまうことは難しいかもしれません。
正しい知識を身につけた上で、時々楽しむ程度のお付き合いにできると、徐々に高血圧やその他の生活習慣病のリスク軽減にもつながってくるので、無理のない範囲で実践してみましょう。