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高血圧を予防するために気をつけること〜運動編〜【高血圧のいろはを理学療法士が解説します】

ぴぴ田舎の民間病院で働く理学療法士

田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。

みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。

「高血圧はよくない」と頭では理解していても、どのように対策をすればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

ここからは、実践的な血圧管理の方法について順番に見ていきましょう。

高血圧の予防と管理

高血圧の予防と管理には以下の4項目がポイントとなってきます。

本記事では適切な運動について解説していきます。

なぜ運動が効果的なの?

食事管理と併せて運動を取り入れることで、血管内皮細胞の機能が改善し、血管の健康を守ってくれるため、血圧の改善に効果があるといわれています。

血管内皮細胞には

  • 血管壁を守るバリア機能

血液中の悪い成分が血管壁内に侵入するのを防ぐ堤防のような役割を果たす。

  • 血管の健康を促進する活性化機能

一酸化窒素(NO)を生み出し、このNOが血管壁を広げたり、血液中に放出されることで血液をかたまりにくくさせる。

という役割があります。

皮膚と同じように、血管内皮細胞もターンオーバーがあって、新しく生まれ変わっていきます。

すでに血管年齢が高くなっている方でも、ここから食事や運動を見直すことで、血管をよりよい状態へ変えていくことができます。

おすすめの運動は?

有酸素運動がおすすめです。

1. ウォーキング

1日8,000歩以上のウォーキングで効果が期待できるといわれています。

2. 軽いジョギング

ウォーキングに慣れてきたら、次は軽いジョギングや速歩(早歩き)がおすすめです。

ジョギングは血圧を下げるだけではなく、血糖値の改善や、認知症予防も期待できます。

体や心臓への負担も考慮して、自分のペースで無理なく行いましょう。

3. 水中運動

水中運動は、水圧による血行促進効果があり、高血圧の方にはおすすめです。

また、浮力があるため、ウォーキングやジョギングよりも関節への負担を減らした状態で有酸素運動に取り組むことができます。

4.ステップ運動

ステップ運動とは、段差の上り下りを繰り返す運動です。実際に階段の上り下りをしてもよし、ステップ台と呼ばれる20cm前後の高さの台を上り下りしてもよいです。

高血圧の改善だけでなく、主にふくらはぎの筋肉のトレーニングにも効果的です。

どれくらいの頻度で運動をすればいいの?

できれば毎日30分、また1回あたり10分以上継続できる運動を推奨されています。

「1週間に1日だけ」よりは「毎日10分ずつ」の方が効果的といえるでしょう。

どれくらいのキツさの運動を続けるの?

「とてもきつい」と感じる運動は、運動中に血圧を上げてしまうため、ゆったりと続けられる強度の運動を推奨します。

まとめ

高血圧予防に効果的な運動についてご紹介してきました。

運動の習慣がない方には、最初の1歩のハードルが高く感じるかもしれませんが、生活の中での移動や家事も効果的に活用しながら、運動機会を設けていけるとよいでしょう。

田舎の民間病院で働く理学療法士

地域の高齢者のリハビリや在宅復帰に関わり10年以上理学療法として勤務しています。リハビリ目線でのお役立ちTips、病気・怪我に関する情報を執筆していきます。田舎在住の二児のママです。

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