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住友不動産・シティタワーの上位ブランド「グランドシティタワー」のつくりは“通好み”

櫻井幸雄住宅評論家
「グランドシティタワー月島」のモデルルームで、筆者撮影。

 「グランドシティタワー」は、住友不動産の新しいマンションブランドだ。同社の超高層マンション・シリーズ「シティタワー」の上位に位置するブランドとして生まれた。

 住友不動産にはすでに高級マンションのブランド「グランドヒルズ」がある。「グランドシティタワーはシティタワーにグランドヒルズで培った経験と、新しい性能を注ぎ込んだタワーマンションの最上位ブランド」と位置づけられている。

 その第1弾として現在販売中なのが、「グランドシティタワー池袋」と「グランドシティタワー月島」だ。

 2つの「グランドシティタワー」のモデルルームを見て実感したのは、これは通(つう)好みのマンションである、ということ。そのプランに、200平米超で数10億円とか、プールが付いているとか、愛車と一緒にエレベーターで直行できる、といった人を驚かせるような派手さはない。

 住戸の広さでいえば70平米台、80平米台の住戸が多く、大きくても100平米台だ。

 一方で、超高層マンションを買うのは3度目というような、目の肥えた人が飛びつきそうな工夫が随所にちりばめられている。超高層の生活経験も、そして住宅に関する知識も豊富な「通」にとって、じつにワクワクするマンションになっているのだ。

 たとえば、冒頭に掲げた「グランドシティタワー月島」のモデルルームの写真だが、「通」ならばたちどころに3つのポイントに注目するはずだ。

 まず、わかりやすいのは天井が高いこと。一般的な天井高2.4メートルを大きくしのぐ2.6メートルとなっている。一部プレミアムフロアだけ天井が高くなっているのではなく、基準階でこの天井高を確保している。

 そして、方立(ほうだて)が細く、バルコニーの枠も繊細だ。バルコニーに椅子とテーブルを置いていることにも、「超高層の暮らしを知っているねえ」と感心する部分となる。

 「グランドシティタワー月島」では、浴室のライン照明に調光機能が加えられている。

 え、そんなところ?と拍子抜けする人もいるだろう。

 しかし、投資目的ではなく、自ら住む目的で3つめとか4つめの超高層マンションを買おうとする人はそういうところをしっかり見る。

 「グランドシティタワー」は、目の肥えた実需層のために、自信をもって送り出された超高層マンションの高級ブランドではないか。

 お金があるから、とりあえず値上がりしそうな高額住戸を買っておこう、という人のためのマンションではないと感じた。

 具体的に、どんなところが目の肥えた実需層のための工夫となるのか。写真とともに解説したい。

特大住戸を設けず、基本性能を上げることに注力

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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