中古マンション市況に劇的変化。「高値取引されている場所ほど価格の上昇率も高い」
「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインド社が9月20日に「2024年8月 全国市区町村中古マンション価格/騰落率ランキング」を発表した。
今年8月の時点で、中古マンション価格の高い場所を市区町村別でランキングするもので、調査の結果、全国で最も中古マンション価格が高いと推定された場所は東京都港区、2位が東京都千代田区で3位が東京都中央区。以下、渋谷区、目黒区、新宿区、品川区、文京区、品川区、豊島区と続き、東京23区が上位の多くを占める。
ここまでの調査結果に驚きはないだろう。
日本で中古マンション価格が最も高いのは東京23区。なかでも港区と千代田区、中央区はとびきり高い場所だ。
そして、1位港区の中古マンション推定価格は70平米で1億4193万円……2021年の調査開始以来、初めて1億4000万円を超えた、と発表された。
しかし、今回の調査では注目したいのは、港区の中古マンション価格ではない。「中古マンション価格が高い場所ほど、価格上昇率も高い」という傾向が定着してきたということ、そこに驚きがある。
まず、東京都港区は「中古マンション価格が日本一高い場所」でありながら、「中古マンション価格の上昇率が日本一高い場所」にもなった。東京都港区の中古マンション価格は1年前と比べて、31.92パーセントも上昇した。
さらに、東京23区内に位置する多くの場所で中古マンション価格の上昇率が上がった。それだけでなく、地方の中心部でも中古マンション価格の上昇率が上がっている。
3カ月ほど前、高額化する都心中古マンションだが、頭打ち感が出ている場所も。たとえば、千代田区は……の記事では、「東京都中央区は中古マンションの上昇率が高いが、他の都心部はさほど上昇していない」ことをレポートした。大阪の中心部も神奈川県の横浜駅周辺も価格上昇率はさほど高くなかった。
これら都心部と地方の中心部で軒並み中古マンション価格の上昇率が高くなっている。これは、注目すべき現象といえる。
なぜなら、従来、中古マンションでは「価格が高い場所」と「上昇率が高い場所」が一致しなかったからだ。
「価格が高い場所」は、価格上昇の伸びしろが小さくなるため、上昇率は抑えられた。「1年前と比べて上昇率が高い場所」となると、それまでの価格が割安だった場所になりがち……それが、これまでの中古マンション市況だった。
実際、ワンノブアカインド社が4月に発表した「2024年3月 全国市区町村中古マンション価格/騰落率ランキング」では、中古マンション価格が高い場所は1位から順に東京都港区、千代田区、中央区。それに対し、1年前との比較で上昇率が高かった場所は1位が富山県富山市で、2位千葉県千葉市緑区、3位に東京都中央区が入ったが、4位福岡市城南区で5位名古屋市中村区、6位愛媛県松山市、7位千葉県印西市、8位埼玉県上尾市と続いていた。
東京23区内で、上昇率で上位15位までに入ったのは3位の中央区だけだったのだ。それから半年後、中古マンション価格が高い場所ほど上昇率も高いという変化が生じたわけだ。
なぜ、そのような変化が生じたのか。
今回調査で上昇率が高かった場所を明らかにし、分析を試みたい。
価格上昇地点に共通する特徴は……
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