【ASD】幼児期の特徴3選・独特な言葉と感情の表現【保育士ママがイラストで対応法もわかりやすく解説】
こんにちは。発達支援サポーターの『夢 カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。
前回は、保育園の先生からウチの子が「発達障害ではないか」という指摘を受けてショックを受けたこと…
そして、発達相談や療育などのサポートを受けるまでの内面の葛藤を中心に書きました。
今回は、発達障害(ASD・自閉スペクトラム症)の幼児期特有の症状と対応法について、わたしの体験を交えてご紹介したいと思います。
1. 言葉の遅れや偏り
ASDの幼児期の特徴の一つに『言葉の遅れや偏り』があります。
2~3歳になっても「あーあー」のような喃語(意味のない赤ちゃん言葉)や、「パパ」「ママ」のような単語しか話せない子もいます。
「ワンワンかわいいね」のように、複数の単語を組み合わせて話すことが、なかなかできません。
また、人の言葉をそのまま言い返す「オウム返し」もみられます。
そうかと思うと、急に年齢のわりに難しい言葉を話したりします。
ただそれは、覚えた言葉をそのまま口にしているだけで、意味を理解して相手に伝えようとしているわけではないようです。
対応のポイント
ASDの特徴として、自分の気持ちを人に伝えることが苦手ということが挙げられます。
また、人と話したいという欲求が乏しいタイプの人もいます。
最初は言葉の覚えが遅いもの、成長にしたがって追いつく『レイト トーカー』と呼ばれる子もいます。
周りの子と比べて、言葉の覚えが遅くても、それが本人の特性だと理解することで、親の気持ちも少し落ち着きます。
焦って、無理やり言葉を覚えさせようとしなくても大丈夫です。
本人のペースで、大人になるまでに、少しずつ覚えていけば良いと考えてみましょう。
2. あいまいな表現が理解できない
「ちょっと下がって」
「少しだけ取ってきて」
などの、あいまいな表現を理解することが苦手です。
『ちょっと』や『少し』が、具体的にどのくらいなのか、その場の雰囲気から想像することができません。
大人がよく言う、
「こんなことしたらダメ!」
「自分の好きなように・・・」
「この前と同じように」
などの表現も、理解ができません。
経験や記憶をもとにイメージを広げたり、想像することが難しいのです。
対応のポイント
具体的な数字や、絵を使って伝えましょう。
カードに絵を描いて伝える『見える化』も有効です。
わたしは、よく使う『言葉』や『動作』をカードにして持ち歩いていました。
言葉だけでは伝わりにくいことも、必要な場面で、その都度カードを見せて教えると理解してくれました。
大人はふだんの生活で、ついあいまいな言葉を使いがちですが、できるだけ具体的に伝えることを心がけましょう。
3. かんしゃく
突然奇声をあげたり、物を投げつけたり、場所や状況にかかわらず泣き叫ぶ『かんしゃく』は、ASDの子どもによくみられる行動の1つです。
先にも挙げた、あいまいな表現が理解できないことや、その場の空気を読むことが苦手なせいで、ストレスがたまることも原因です。
また、発達障害の人には、何らかの『感覚過敏』があることが多いのです。
大抵の人は気にならない、照明の光がまぶしかったり、人混みの音や、においなどが我慢できないくらい苦痛に感じることもあります。
対応のポイント
できるだけ静かな場所に移動して、落ち着くまで待ちましょう。
何が不快の原因なのか、伝えられない子もいます。
かんしゃくを起こした時の状況を分析し、音、光、においなど、考えられる原因に、一つずつ対応してみましょう。
○音をさえぎるイヤーマフ
○光を防ぐサングラス
○匂いを低減するマスク
など、不快感を軽減する便利グッズを試してみるのもよいでしょう。
かんしゃくを起こさずに過ごせた日には
「今日はがんばったね!」
と褒めることも忘れずに。
まとめ
わたしもASDの子どもを育てて、10年以上の月日が経ちました。
今回紹介したASDの子どもとの接し方は、どれも、すぐには効果が出ないかもしれません。それでも、
「今日ははこれで失敗したから、次はこれを試してみよう」
と、根気よく親子で試行錯誤を繰り返すうちに、いつかきっと良い結果が現れると思います。
そして、忘れてならないのは、発達障害の子には、優れた特性もたくさんあるということです。
そんな良い面も、回を改めてご紹介できればと思います。