Yahoo!ニュース

昨オフはマイナーリーグ契約の選手が今オフは1年900万ドルの契約を得たが、もらえる金額は減少!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイソン・ヘイワード(ロサンゼルス・ドジャース)Sep 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースは、FAになったジェイソン・ヘイワードを呼び戻したようだ。ESPNのカイリー・マクダニエルが、1年900万ドルで合意、あとは身体検査、と報じている。

 昨オフ、ヘイワードは、シカゴ・カブスから解雇され、ドジャースとマイナーリーグ契約を交わした。そして、復活を遂げた。2021~22年の計152試合で出塁率.280、9本塁打、OPS.606に対し、今シーズンは124試合に出場し、出塁率.340、15本塁打、OPS.813を記録した。また、昨シーズンは、守備スタッツのDRS――外野3ポジションのトータル――がキャリアで初めてマイナスとなったが、今シーズンは再びプラスに転じた。

 今シーズン、ヘイワードに対するドジャースの支払い額は、72万ドルだった。この金額は、メジャーリーグでプレーする選手の下限だ。それと比べると、今回の契約額は10倍以上ながら、ヘイワードが手にする金額は、今シーズンよりも来シーズンのほうが少ない。

 カブスは、8年1億8400万ドルの契約7年目が終わったところで、ヘイワードを解雇した。この契約の8年目は、年俸2200万ドルだった。従って、今シーズンは、ドジャースから72万ドルとカブスから2128万ドル、合わせて2200万ドル、という計算になる。

 解雇とマイナーリーグ契約(とそれまでの経緯)については、それぞれ、こちらで書いた。

「「8年1億8400万ドル」の契約を1年残して解雇へ。7年間に62本塁打、OPS.700」

「ドジャースが捨てた外野手をカブスが拾い、カブスが捨てた外野手をドジャースが拾う」

 今シーズン、ヘイワードの先発出場98試合は、いずれも、相手チームの先発投手が右腕だった。対左腕の試合は、ムーキー・ベッツがライトの守備についた。おそらく、来シーズンも、この起用は変わらないだろう。ベッツは、二塁と遊撃も守る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事