「8年1億8400万ドル」の契約を1年残して解雇へ。7年間に62本塁打、OPS.700
2015年のオフ、シカゴ・カブスは、FA市場に出ていたジェイソン・ヘイワードと8年1億8400万ドルの契約を交わした。来シーズンは、契約最終年となる。
ただ、ヘイワードがカブスでプレーする日々は、すでに終わっている可能性が高い。ESPNのジェシー・ロジャースによると、編成部門の責任者である――GMの上に位置する――ジェド・ホイヤーは、来年のチームにヘイワードはいない、と語ったという。契約を1年残し、解雇するということだろう。ヘイワードは、右膝を痛め、6月下旬から離脱している。
カブスで過ごした7シーズンのうち、OPS.800以上を記録したのは、短縮シーズンの2020年(.848)だけだ。5シーズンのOPSは.735に届かなかった。2016~22年のトータルは、打率.245と出塁率.323、62本塁打と32盗塁、OPS.700。ライトの優秀な守備を含めても、契約に見合う成績とは言い難い。ちなみに、カブスに入団する前の6シーズンは、打率.268と出塁率.353、97本塁打と86盗塁、OPS.784だった。
けれども、ヘイワードがいなければ、6年前のワールドシリーズ優勝はなかったかもしれない。
2016年のワールドシリーズ第7戦。カブスは、3点をリードして8回裏を迎えたものの、2死一塁から登板したアロルディス・チャップマン(現ニューヨーク・ヤンキース)が、最初の2人に二塁打とホームランを打たれ、同点とされた。
同点のまま、試合は延長戦へ。9回裏と10回表の間に、雨による17分間の中断が生じた。その時、ヘイワードは、選手だけをウェイト・ルームに集め、スピーチを行った。
直後の10回表に、カブスは2点を挙げた。なおも1死満塁の場面でヘイワードは三振を喫し、カブスは10回裏に1点を返されたが、108年ぶりにワールドシリーズを制した。