定借マンションは2割安い……は昔話。「リビオシティ文京小石川」の新しい切り込み方
9月の半ば、都心部で注目のマンション「リビオシティ文京小石川」を見学する機会に恵まれた。上の写真はその建設地。併せて、水道橋駅近くの販売センターでモデルルームもみせてもらった。
同マンションは10月14日まで第1期1次126戸の登録受付を実施。その後、ホームページの「物件概要」は第1期2次の予告に変わり、価格等は「未定」となった。
第1期1次でどのくらいの住戸に購入申し込みが入ったかは明らかにされていないのだが、少なくとも「全戸申し込み済み」の表記はない。
これから先、販売はゆっくり進んでゆくのだろう。その物件特性からして、爆発的に売れることは想像しにくく、地道な販売が行われるのは当然のことと考えられる。
なぜなら、「リビオシティ文京小石川」は総戸数は522戸。文京区最大級の規模であり、しかも定期借地権方式のマンション(以下、定借マンション)であるからだ。
定借マンションに関する基本的な説明は省き、いきなり本音の説明に入ろう。
まず、定借マンションは次のように考えられがちだ。
○定借マンションは、一般の所有権分譲マンションと比べて2割以上安い
○安くなければ、定借マンションにしている意味がない
たしかに、定借マンションが登場した2001年以降、2008年あたりまでの事案は安かった。初期の定借マンションは一般的な所有権分譲マンションより2割以上安く、3割、4割安い物件もあったので、そこに目を付ける投資家が多かった。
そう、初期の定借マンションは、投資目的の購入者によく売れたのである。
3割、4割安ければ、賃貸に出したときの利回りが上がる。表面金利で5パーセントは楽々クリアし、8パーセント、9パーセントに達することが多かった。
高利回りであることが知られたため、中古で売却した場合、新築時価格よりも高く売れた。投資物件として極めて魅力的だったわけだ。
「定借マンションは儲かる」という先入観をもった投資家は、「最近の定借物件は、おかしい」と言う。以前ほど安くないので、貸して儲けることも、高く転売することもできないからだ。
しかし、今の定借マンションは、以前とは異なる方向性をもっている。そのことを知ると、「投資向きではない」ことがむしろ大きな魅力ではないか、とさえ思えてしまう。
新しい発想の定借マンション、その最新事例が「リビオシティ文京小石川」だ。
では、「リビオシティ文京小石川」の第1期1次はどれくらいの価格設定だったのか。そして、同マンションの真の魅力とは……。
いまだに「定借マンションは安いことが魅力」という考えている人には分からない、「リビオシティ文京小石川」の新しい方向性を解説したい。
儲かる定借マンションが抱えていた弱点
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