筆者による受賞コメント：30年以上にわたりシリアに関わってきた研究者としてだけでなく、シリアを愛し、シリアとそこで暮らす人々から多くを与えられてきた一人として、今回の受賞は嬉しさひとしおです。シリアへの支援をめぐっては、「あの勢力には支援してはいけない」、「あの勢力に支援しても中抜きされて被災者には届かない」というネガティブ・キャンペーンをしばしば耳にします。12年におよぶ紛争がもたらしたわだかまりや憎しみは容易に解消するものでないでしょう。しかし、これまで数々の地震を経験してきた日本人として、人と人の絆があって初めて困難は克服できるという思いを胸に、シリアの人々の不和を解くため、研究活動や支援活動を通じて、シリアの人々に寄り添い、彼らに恩返しができればと思っています。改めまして、この度は月間MVAに選出頂きありがとうございます。（青山弘之）

選出理由： 2月6日未明に発生したトルコ・シリア大地震。シリア側も甚大な被害を受けながら、支援が届きにくい状況を解説した記事です。2011年から続く内戦下、複雑に分断支配されている被災地の勢力図を示しながら、適正な支援を阻害している政治事情を詳らかにしました。シリア情勢に詳しい筆者ならではの知見と復興への思いが詰まった一本です。

筆者による受賞コメント：日本ではマイナースポーツであるアメフトの記事は注目度が低く、当記事の閲覧数も多くはありません。この題材はヒット数重視の他媒体では評価されず、独自性を重んじるYahoo!ニュース 個人だからこそ書けた記事でした。アクセス数に捉われることなく、量ではなく質で月間MVAに選出されたのは、今後も取材活動を続けていく上で大きな励み、活力となります。ありがとうございました。（三尾圭）

選出理由：2028年のLA五輪新競技候補として検討されている「フラッグフットボール」。今年のスーパーボウルでNFL制作のCMが流れ、100ヶ国以上に広がっているこの競技はどんなものなのか。取り組みや現状を、普及を担当する理事にも取材しレポートした一本です。NFLを擁する米国の力の入れ方だけでなく、新採用相次ぐ現代の五輪競技に求められる基準などへの理解も深まる記事になっています。

筆者による受賞コメント：都内に生まれた私は小学４年の頃から後楽園ホールでの「笑点」の公開収録をたびたび観に行き、大喜利の面白さを生で堪能していました。昨年亡くなられた三遊亭円楽(当時は楽太郎)さんが1977年に大喜利メンバーに加わって以来、徐々に腹黒キャラを確立していく過程もリアルタイムで追い続けてきました。その円楽さんの後任として春風亭一之輔さんがメンバー入りしたことに関する記事へのコメントを評価していただけたのはとても光栄です。今後も芸能史の視点から「お笑い」や「アイドル」について書き続けていきたいと思います。（西条昇）

選出理由：昨年9月に亡くなった六代目三遊亭円楽さんの後任選びで注目されていた国民的番組「笑点」。新メンバー春風亭一之輔さんの芸風や、司会の春風亭昇太さんとの関係性を紹介するだけでなく、円楽さんの功績と「笑点」大喜利の面白さも交えバランスよく解説・分析されています。番組の今後、さらに落語界に対する期待感が高まるコメントでした。

筆者による受賞コメント：かつての不動産業は日本の土地を利用し、日本人が日本人だけに売る「国内産業」でした。しかし、今は外国人が買うし、海外で日本のマンションが分譲される「グローバル産業」になっています。となると、発想の転換が必要でしょう。外国人に不動産を売らないのではなく、買ってもらえば国内が潤う仕組みができればよい、と考え、コメントさせていただきました。新しい動きが生じる小さなきっかけになれば、よいのですが……。（櫻井幸雄）

選出理由：中国人女性が沖縄の無人島を買ったとSNSに投稿したことが波紋を広げ、さまざまな議論がわき起こっています。筆者は視点を世界に広げ、欧米では外国人が不動産を買うことを規制しておらず歓迎している面もあることを、日本との税制の違いから解説。ニュースを多角的に考えるための知識を提供してくれました。

筆者による受賞コメント：1人の命が、しかも影響力の大きい音楽アーティストの命が途絶えたことによって賞をいただくという、改めて自分の仕事の因果を実感させていただきました。コロナ禍は、命の大切さや生きることの難しさを様々な局面で感じる日々でした。そういう時こそ本来、音楽アーティストやポップミュージックは行動やメッセージソングにて救済の立場を明確にしてきました。しかしアーティストはナイーブな故に自分自身も途方に暮れ、困り果て、そして改めて自分が何故音楽を作ったり歌ったり鳴らしているのか？　という命題と深く向かい合いました。そのコロナ禍が終わろうとしている中で、今回のようにアーティストの命が途絶えたことは残念でなりません。その無念さを胸に、哀しみに暮れているであろう多くの方々に寄り添える言葉をと思い、綴らせていただきました。（鹿野淳）

選出理由：若いミュージシャンの突然の訃報は、多くの人に衝撃を与えます。報道直後で動揺が広がるなか、どういうバンドなのかを的確に表現し、黒田さんの功績や人柄を限られた文字数のなかで丁寧に伝えてくれました。ミュージシャンの音楽と心情に真摯に向き合ってきた筆者だからこそ書ける、深い愛情を感じるコメントです。ファンのみならずたくさんのユーザーの悲しみをやわらげてくれたのではないでしょうか。

筆者による受賞コメント：このたびは、月間MVCにお選びいただき、大変光栄です。皇族、特に秋篠宮家をめぐる立場は、さまざまなものがあります。上から目線で批判するのでもなく、かといってユーザーからのコメントに迎合するのでもなく、Yahoo!ニュースが、すこしでも健全で前向きな空間となるべく、記事の理解をふかめられるような事実を補足したつもりです。これからも非力ながら精進してまいりますので、いっそうご指導ご鞭撻を賜りますと幸いです。（鈴木洋仁）

選出理由：2023年5月6日にロンドンで執り行われる新英国王の戴冠式への、日本からの出席者の調整について報じる記事へのコメントです。国家元首かそれに相当する者、または代理を配偶者とともに招待するという通知について過去の戴冠式への参列の歴史を紐解き、皇室同士の外交が今に至る両国の関係の礎になっていることや今回の戴冠式への参列が皇室外交をつなぐ貴重な機会となることなど戴冠式への参列が持つ意味について、ユーザーの理解をより深めてくれました。