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鈴木洋仁

鈴木洋仁

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社会学者/神戸学院大学准教授

報告

前例をふまえた対応だと思われます。 よく知られているように、70年前、1953年6月2日におこなわれたエリザベス女王の戴冠式には、当時の皇太子殿下(いまの上皇陛下)が昭和天皇の名代として列席されています。 今回もこれにならい、天皇陛下の名代として、皇位継承順位第1位の秋篠宮皇嗣殿下がご出席される、ということでしょう。 当時は、第二次世界大戦の終わりから8年弱しか過ぎておらず、英国側には捕虜の扱いをめぐって反日感情が高まっていました。そんななかで、皇室どうしの外交を続ける、という決断が、いまにいたる両国の関係の礎となっています。 当時の皇太子殿下(上皇陛下)は、戴冠式に列席されたのち、欧米の14もの国を半年ばかりで訪れました。 去年9月に行われたエリザベス女王の葬儀への天皇皇后両陛下のご出席とともに、今回の戴冠式へのご出席もまた、皇室外交をつなぐ貴重な機会になるにちがいありません。

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コメンテータープロフィール

鈴木洋仁

社会学者/神戸学院大学准教授

1980年東京都生まれ。専門は歴史社会学、メディア論。元号や天皇に関する研究を進めている。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送、ドワンゴ、国際交流基金、東京大学等を経て現職。著書に『「平成」論』(青弓社)、『「元号」と戦後日本』(青土社)、『「三代目」スタディーズ』(青土社、2021年2月刊)、共著に『牧野守 在野の映画学』(太田出版、近刊)などがある。

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