【Yahoo!ニュース 個人】2月の月間MVAとMVCが決定
■Yahoo!ニュース 個人、2月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました
社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選6本の記事と1本のオーサーコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。
※※※
2月のMVA
■100円のコーヒーカップに150円のカフェラテを注いで逮捕 コンビニ「セルフコーヒー事件」の罪と罰(前田恒彦)
筆者による受賞コメント:法学部では条文の丸暗記よりも、「リーガルマインド」と呼ばれる論理的思考力やバランス感覚を身につけることのほうが重要だと言われています。法曹以外の分野に進んでも役立つし、まったく新たな問題に直面したとき、妥当な解決策を導くことができるようにもなるからです。こうしたシンプルで身近な事案こそ、それを試す格好の題材と言えるでしょう。
(前田恒彦)
選出理由: 100円のコーヒーカップに150円のカフェラテを注いだ男が逮捕された事件は、「何罪が成立するのか」「被害額はいくらか」「処罰に値するのか」……。身近なコンビニエンスストアで起きたケースを題材に丁寧に解説することで、読者を法の世界へといざないます。
※※※
■「売れ残り試算16億円?」節分夜35店舗の恵方巻、閉店前で残り272本 税金投入され大部分が焼却処分(井出留美)
筆者による受賞コメント:受賞の知らせを渡航先で受け、嬉しさを噛み締めています。恵方巻きの大量廃棄、「発信し続けても状況はちっとも変わらない」と半ば諦めかけていましたが、ついに国が動き、発信は社会を変え得るのだと実感しています。国の通知がどれほど現場に浸透したかを確認したく、メディア各社が殺到した食品リサイクル工場への取材と並行し、節分夜に大学生と手分けして小売店を調査しました。コンビニ・スーパーの売れ残りや飲食店の食べ残しは多くの人にとって「他人ごと」ですが、実は巨額の血税が費やされる「自分ごと」であることはまだまだ知られていません。受賞を励みに今後とも精進し、社会的課題に関心のない読み手にも届き、課題解決に貢献し得る記事を目指してまいります。このたびの授賞、誠に有難うございました。
(井出留美)
選出理由:国から通知が出るなどし注目が高まっていた恵方巻きの廃棄問題に関連して、節分の夜に店舗を回って実際の売れ残り状況を調査した迫力ある報告記事です。筆者が追い続けている食品ロス問題について、現場に足を運んで関係者から話を聞き、自身の発信のその後をしっかりとフォローする一貫した取材姿勢が伝わってきます。
※※※
■大阪の公立小中の携帯持込が「一部解除」 学校、保護者は混乱 保管や歩きスマホなど問題点は?(竹内和雄)
筆者による受賞コメント:今回の受賞、大変うれしく思います。受賞をきっかけにさらに多くの方の目に留まってほしいです。反響は大きく、多くのご意見をいたたきましたが、特徴は極端なご意見が多いことです。「スマホは亡国の危機、子どもに不要」等のスマホ撲滅派、「情報化のため自由に使わせるべき」等のスマホ賞賛派。0か100かです。私はどちらも危険だと思っています。自由に使わせるにはまだ危ないし、禁止すると日本の子どもたちは情報化社会を生き抜いていけません。30なのか50なのか70なのか、そのあたりの議論が今まさに必要なのだと思います。そういう議論のきっかけになれたらうれしいです。
(竹内和雄)
選出理由:子どもの小中学校での携帯電話について、大阪府教育庁が持ち込み禁止を「一部解除」するガイドライン素案を発表し、文科省も原則禁止の指針の見直しを検討する考えを表明しました。社会や学校現場、保護者に大きな影響を与える事象にいち早く取り組み、課題や問題点を指摘し深い議論の必要性を提言。著者にしか書けない1本です。
※※※
■2019年アメリカ一般教書演説のポイント(前嶋和弘)
筆者による受賞コメント:とても光栄です。アメリカの政治は身近なようで、実は複雑。そのポイントを今後も最新の情報とともに、わかりやすく伝えることができたらいいと思ってます。
(前嶋和弘)
選出理由:トランプ大統領が2月に行った一般教書演説の、今年ならではの特徴や注目点をタイムリーに解説。アメリカ現代政治を専門とする筆者が、深い知識を生かしながら一般の読者にもわかりやすくポイントをまとめています。
※※※
■メイウェザーの目の色を変えた天心のパンチ【 那須川天心 独占インタビュー前編】(木村悠)
■天心が語る夢の舞台【那須川天心 独占インタビュー後編】(木村悠)
筆者による受賞コメント:月間MVAに選出していただき、光栄に思います。私はこの試合を観戦していて、数々の疑問が湧きました。直接、彼に話を聞きたいと思いインタビューをしましたが、メディアの報道では伝えられてない事実を聞くことができました。実は記事にはできない真実もありましたが、それは心の奥にしまっておこうと思います笑。これからも元世界チャンピオンの視点で、ボクシングの魅力や奥深さを多くの人に伝えていけたらと思います。
(木村悠)
選出理由:大きな注目を集めた大みそかのメイウェザーと那須川天心の対戦。筆者は天心選手にインタビュー取材し、混乱していた舞台裏やメイウェザー選手の知られざる一面などを伝えました。元世界王者であり、かねてから天心選手と親交がある筆者だからこその深いインタビュー記事です。
※※※
■「グリーンブック」:5才のボクが、オスカー受賞者になるまで。(猿渡由紀)
筆者による受賞コメント:長年、映画製作に関わる人々を取材させていただいてきている私は、1本の映画を世の中に送り出すというのがいかに難しいことか、繰り返し認識させられてきています。撮影寸前で資金を出してくれるはずだった人がキャンセルしたり、映画が完成したと思ったら配給するはずだった会社が潰れたり。その意味で、「グリーンブック」の裏側は、本当の意味でのハリウッドストーリーだったと思います。まるで有名ではない脚本家が、子供の頃から父に聞かされてきた話を映画にできただけでも、すでに今の映画業界ではミラクル。それがオスカーまで取ったのですから。やはりハリウッドには夢があると思います。どうもありがとうございます!
(猿渡由紀)
選出理由:アカデミー賞作品賞を受賞した「グリーンブック」について、プロデューサーの生い立ちをたどることで製作の背景に迫る記事です。賛否の議論も多数飛び交う本作に対し、製作者側の目線でタイトルや設定の意図を解説しています。
2月のMVC
■『採用直結のインターン、政府も禁止要請へ 21年春入社』の記事へのオーサーコメント(やつづかえり)
筆者による受賞コメント:選出いただき、ありがとうございます。新たな新卒採用手法を模索する会社についての記事を準備しているときにこのニュースが報じられ、強く疑問を感じました。読者の皆さんには、このような小手先の対策の良し悪しというよりは、従来の新卒採用のあり方そのものについて考えていただければと考え、コメントしました。
(やつづかえり)
選出理由:就活直結インターン禁止の方針に対して、あえてインターンのメリットなどをタイムリーに解説したコメントです。インターンだけでなく就活全体のあり方を踏まえて課題の本質を提示してくれる指摘です。