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「予約が取れない」状況からみえてくる、都心高額マンションのこれからの売り方

櫻井幸雄住宅評論家
憧れを集める都心のタワマン。人気が集中すると、予約が取りにくい状況が生じている。(写真:イメージマート)

 一部都心の新築分譲マンションで、モデルルーム見学の予約が取りにくい状況が生じている。その状況が目立つのは高額の超高層マンション。いわゆる都心タワマンだ。が、タワマンに限らず、注目度の高い都心マンションでは予約が取れないとの声が多くなっている。

 「抽選に当たらない」以前に、販売センターに入ることができず、モデルルーム見学ができない。そうなると、購入申し込みができない。抽選に当たるかどうか、の前に抽選に参加できない状況が生まれている。

 これは20世紀までの新築マンション販売では考えられなかった事態である。

 2000年頃まで、日本の新築マンションは、いつでも見学OKだった。

 街を歩いていたら、マンションの販売センターがあった。ちょっと見ていこうか、とドアを開けると、「いらっしゃいませ!」と歓迎してもらえた。そういう状況だった。

 1980年代に始まったバブルのときは、人気マンションに見学希望者が押し寄せたが、その場合も列に並べば、順番に販売センターに入ることができた。

 販売センターの内容が今ほど盛りだくさんではなく、打ち合わせスペースの奥にモデルルームがあるだけといったシンプルなつくりだったので、見学に要する時間は今よりずっと短かった。なので、そんなやり方ができたのだ。

 しかし、今は新築分譲マンションの売り方が大きく変わった。その結果、一部のマンションで販売センターに入る予約が取れないという事態が生じている。

 この状況に対し、「予約が取れないことを演出し、購入意欲を煽っているのではないか」との声が出ることも……。今、都心高額マンションに起きている販売方法の変化を解説したい。

販売センターに入るのもひと苦労

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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