都心タワマンは購入・居住・売却を繰り返すたびに数千万円の儲け。だから、売れたが……
不動産経済研究所が発表した2024年5月の「新築マンション市場動向」によると、この5月に首都圏で新規に発売されたマンションは1550戸で前年同月比で19.9パーセント減。「戸当た価格は前年同月比で7.2パーセントダウンの7468万円」。そして、「契約率は56.0パーセント」……発売戸数が減り、価格が下がり、売れ行きも落ちたという結果が出た。
さらに、驚くのは超高層物件(地上20階以上)の契約率で、販売好調の目安となる70パーセントを大きく割り込む26.2パーセントとなった。1年前の2023年5月、超高層物件の契約率は87.2パーセントであったことと比べると、雲泥の差である。
ちなみに、東京23区内の新築マンション平均価格は1億326万円。4月の9674万円より持ち直したが、2023年年度の平均価格が1億464万円であったことと比べると、横ばいか少し下がっている印象だ。
東京23区内の新築分譲マンションに、「高騰を続けている」といえるような勢いはない。さすがに暴落というような状況はみられないが、上昇一辺倒だった動きが一段落したのは確かだ。
なぜ、東京23区内の新築マンションは、「高騰」から「横ばい」か「少し下落」に変わったのだろうか。
その理由を考えると、これまで都心マンションが価格上昇した真の事情も見えてきた。
建設費と外国人でマンション価格が上がった?
昨年まで都心マンションは価格上昇を続けた。その理由として、建設費の上昇や円安で外国人の購入が増えたこと、インバウンドの影響を挙げる人が多かった。
その3つでマンション価格が上がったのであれば、今回、価格上昇が止まったときに、3要素になんらかの変化が生じたことになる。
建設費が下がったり、円安から円高に変わる、インバウンドがしぼむ、といった変化だ。が、いずれも起きていない。建設費は高いままだし、円安も変わらない。インバウンドはむしろ盛り上がっている。
にも関わらず、東京23区内で新築マンションの発売戸数が減り、価格上昇がみられなくなり、売れ行きも落ちたのはなぜか。
つまるところ、都心マンション価格の高騰は、建設費の上昇や外国人の購入、インバウンドの影響で起きたわけではなかったのだ。
真の理由は別のところにあった。
マンション価格高騰のきっかけは、いつも同じ
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