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月の裏側に着陸成功 中国の月探査機「嫦娥6号」 6月25日頃に月面のサンプルを採取し地球へ帰還予定

中国の月着陸機「嫦娥6号」イメージ図©CNSA / Wikipedia

6月2日、中国の月探査機「嫦娥6号」が月の裏側への着陸に成功しました。ミッションはこれで完了ではなく、これから探査機は月面のサンプルを採取し、地球へと持ち帰る予定となっています。

本記事では、嫦娥6号の詳細をはじめ、今後の中国の探査計画まで解説していきます。

中国の月面探査「嫦娥計画」日本を凌駕するその開発スピードとは

■月の裏側に着陸成功!

長征5号ロケット打ち上げの様子©Wikipedia
長征5号ロケット打ち上げの様子©Wikipedia

嫦娥6号の目的は、月の南極付近のアポロクレーターに着陸し、2kgの試料採取・地球へ帰還することが計画されています。もし月の裏側から砂を持ち帰ることに成功すれば、世界で初めての快挙となるのです。

嫦娥6号は5月3日に長征5号ロケットで打ち上げられました。5月8日に月周回軌道へ投入され、6月2日7時23分(日本時間)に月の裏側に位置する南極のアポロ・クレーターへの着陸に成功しました。

嫦娥6号のモックアップ©Wikipedia
嫦娥6号のモックアップ©Wikipedia

嫦娥6号は、軌道船と帰還船、離陸船と着陸船の4つから構成されており、着陸船のドリルで土を掘る方式と、ロボットアームで砂をかき取る二つの方式で、月の土壌を収集します。その後、離陸船が月面のサンプルをもって離陸を開始。最終的に、離陸船は月を周回している軌道船とドッキングし、地球への帰還を始めます。地球への帰還は6月25日ごろを想定しているようです。全体のミッション帰還は53日間とのことです。

中国の観測機器以外にも、イタリアの再帰反射器や、ESAとスウェーデンが開発した月面負イオン検出器、フランスのラドン検出器など様々な国のペイロードが搭載されています。

■中国の月探査計画「嫦娥」とは?

月の裏側に着陸した中国の月着陸機「嫦娥4号」©Wikipedia/CNSA
月の裏側に着陸した中国の月着陸機「嫦娥4号」©Wikipedia/CNSA

嫦娥計画とは、中国が国家プロジェクトとして推進する月探査計画です。今までで5機の人工衛星を月に送っており、最初は2007年の嫦娥1号に始まり、以下のように全てのミッションに成功しています。

・嫦娥1号(2007年):月周回軌道への投入に成功

・嫦娥2号(2010年):月周回軌道への投入、小惑星トータティスに到達

・嫦娥3号(2013年):中国初の月面着陸に成功

・嫦娥4号(2019年):世界で初めて月の裏側へ着陸成功

・嫦娥5号(2020年):月からのサンプルリターンに成功

続く2026年に嫦娥7号、2027年に嫦娥8号では、月のレゴリスの分析をはじめ、月での陸上生態系の実験が予定されているとのこと。一体何をしようとしているのか、今から楽しみです。

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