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直近の出場15試合で9本塁打は、ジャッジや大谷より多い。7年前のドラフト全体1位がブレイク!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)Jun 19, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月20日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、ホームランを1本ずつ打った。それぞれ、シーズン27本目と21本目だ。

 彼らは、リーグ本塁打ランキングの単独トップに立っている。ジャッジのホームランは、ア・リーグ2位のガナー・ヘンダーソン(ボルティモア・オリオールズ)より5本多い。大谷は、前々日の20本目でマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)に並び、6月20日に追い抜いた。ブレーブスは、6月20日の試合がなかった。

 直近の出場15試合で、ジャッジは、6本のホームランを打っている。大谷は、7本塁打だ。

 一方、直近の出場15試合における、ロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)のホームランは9本を数える。こちらも、6月20日にホームランを打った。今シーズンの出場は15試合。打率.377と出塁率.452、OPS1.377を記録している。

 2017年のドラフトで、ルイスは、全体1位指名を受けた。今シーズンはメジャーリーグ3年目。年齢は25歳だ。今月5日に誕生日を迎えた。

 ただ、現在の状態をブレイクと形容するのは、少し違う気もする。

 2022年は、5月のメジャーデビューから12試合で打率.300と出塁率.317、2本塁打、OPS.867を記録したが、12試合目にセンターでフライを捕った直後、フェンスに衝突。右膝の靱帯を損傷し、シーズンを終えた。ちょうど1年後に復帰した2023年は、58試合で打率.309と出塁率.372、15本塁打、OPS.921。7月初旬に左の脇腹、9月下旬に左の太腿裏を痛めた。

 また、今シーズンの出場は、1試合目が3月28日、2試合目は6月4日だ。そこには、2ヵ月以上のブランクがある。開幕戦の1打席目にホームランを打ち、2打席目はシングル・ヒットを打ったが、次の打者の二塁打で三塁へ進む際、右の太腿を痛め、そこで交代した。

 3シーズンのトータルは、打率.319と出塁率.380、26本塁打、OPS.993ながら、出場は85試合に過ぎない。スタッツと年齢からすると、ここから、ジャッジや大谷のようなスーパスタースーパースターになってもおかしくないが、健康を維持することができれば、という但し書きをつけざるを得ない。

 とはいえ、ホームラン1本当たりの打数は、通算が11.92、今シーズンは5.89だ。

 今シーズン、打数/本塁打のトップ3(5本塁打以上)は、1位が5.89打数/本(9本塁打)のルイス、2位が9.93打数/本(27本塁打)のジャッジ、3位は10.90打数/本(10本塁打)のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)。ちなみに、大谷は14.10打数/本(21本塁打)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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