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【週刊くふうハヤテ】降雨コールドで連敗ストップは“幻”に。前職は公務員の早川太貴ら先発陣の奮闘光る

菊田康彦フリーランスライター
くふうハヤテの早川太貴(2024年6月11日筆者撮影)

 今シーズンからプロ野球(NPB)の二軍、ウエスタン・リーグに参加している新球団、くふうハヤテベンチャーズ静岡。先週は7月9日から11日まで阪神鳴尾浜球場で阪神タイガースと3連戦、その後は13日から15日にかけてナゴヤ球場で中日ドラゴンズと3連戦を行った。

対阪神:9日●3対7 10日●1対4 11日△3対3

 9日の試合は、2日に入団が発表されたばかりの新外国人、フランクリン・バングルブ(米独立リーグ、ロングアイランド・ダックス)が先発として初登板。くふうハヤテは4回表に七番・ 折下光輝(おりした・こうき、関西独立リーグ・堺シュライクス、元読売ジャイアンツ育成)のチーム単独トップとなる3号ソロで2対1と勝ち越すが、その裏に3番手の藤本颯太(ふじもと・そうた、関西独立リーグ・淡路島ウォリアーズ)が3点を失うと(自責点2)、後続が終盤にも失点を重ねて逆転負けを喫した。

 10日は1点ビハインドの7回表に九番・瀬井裕紀(せい・ひろき、九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズ)が阪神先発の青柳晃洋から適時二塁打を放って同点に追いつくも、2番手の池谷蒼大(いけや・そうた、横浜DeNAベイスターズ)が7、8回で3点を奪われまたも逆転負け。11日の3戦目は1点リードの9回裏に登板した2番手の奥田健誠(おくだ・けんせい、ベイサイドリーグ・YKSホワイトキングス)が1死満塁から押し出し四球で追いつかれ、逃げ切ることはできなかった。

対中日:13日●1対2× 14日●1対2× 15日△2対2

 13日は中日先発の大野雄大に対し、3回表に内野ゴロの間に1点を返して同点に追いつく。先発の二宮衣沙貴(にのみや・いさき、BCリーグ・茨城アストロプラネッツ)の後を継いだバングルブ、平間凛太郎(ひらま・りんたろう、メキシカン・リーグ、メキシコシティ・レッドデビルズ)が無失点に抑えて試合は延長へ。だが10回裏、4番手として登板した大生虎史(おおばえ・こうし、柳ヶ浦高)が2死一、二塁から四番のダヤン・ビシエドにタイムリーを浴び、サヨナラ負けで引き分けを挟んで3連敗となった。

 続く14日の2戦目も1対1の同点で迎えた9回裏、この回から4番手で登板した奥田健が2死一、三塁から二番・辻本倫太郎にレフト前に弾き返され、連日のサヨナラ負け。15日は同点に追いつかれた直後の7回表に3点を勝ち越すも、その裏に中日が1点を返してなおも攻撃中に降雨のため中断。そのままコールドゲームとなり、規定によりリードされていた中日が攻撃を完了した6回までのスコアで引き分けに終わった。

先発陣は二宮衣沙貴、早川ら3人が防御率トップ10入り

 この6試合は0勝4敗2分けと1つも勝つことができなかったくふうハヤテだが、その中でも先発投手陣の奮闘が光った。9日の試合は来日初登板のバングルブが2回1失点(自責点0)でマウンドを降りたものの、10日は昨年まで北海道北広島市役所の職員として勤務する傍ら、クラブチームのウイン北広島でプレーしていた早川太貴(はやかわ・だいき)が5回無失点、11日は昨年はオリックス・バファローズの育成選手だった西濱勇星(にしはま・ゆうせい)が8回2失点。

 中日との3連戦でも13日の二宮が6回1失点、14日の竹内奎人(たけうち・けいと、群馬大医学部)も6回1失点、そして15日の奥田域太(おくだ・かなた、星城大)は5回1失点と、そろって試合をつくった。このうちウエスタン・リーグの防御率トップ10には二宮(3.00、8位)、早川(3.01、9位)、西濱(3.36、10位)の3人が名を連ねている。

 なお、くふうハヤテはここまで73試合を消化して20勝47敗6分け、勝率.299でリーグ6位。5位の広島東洋カープとのゲーム差は5.5に広がっている。今週は17、18日と本拠地のちゅ~るスタジアム清水にイースタン・リーグの北海道日本ハムファイターズを迎え、前半戦最後の2試合となるファーム交流戦が予定されている。

(くふうハヤテの選手名後のカッコ内は読みがな、前所属。文中の今季成績等は7月15日現在)

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フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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