フレッシュオールスター今日開催！ 市役所職員から転身の早川太貴は「楽しみながらアピールできたら」
プロ野球（ＮＰＢ）の二軍のオールスター戦である「フレッシュオールスターゲーム」が今日、７月２０日の午後６時からウインク球場（姫路市立姫路球場）で開催される。その出場メンバーとして、今シーズンからウエスタン・リーグに参加している新球団、くふうハヤテベンチャーズ静岡の投手陣から唯一、選ばれているのが２４歳の右腕、早川太貴（はやかわ・だいき）である。
早川は小樽商科大学卒業後、北海道北広島市役所の職員として勤務する傍ら、クラブチームのウイン北広島でプレー。昨年１１月のトライアウトを経てくふうハヤテに入団すると、現役時代は近鉄バファローズ（現在のオリックス・バファローズの前身球団の１つ）の守護神として活躍した赤堀元之監督によって、シーズンの開幕投手に抜てきされる。
だが、その３月１５日のオリックス・バファローズ戦（ちゅ～るスタジアム清水）は４回７失点（自責点５）で負け投手に。「開幕戦はプロの壁みたいなものを自分の中でつくってしまって、なかなか自分のピッチングができなかった」と振り返る。
前半戦はリーグ４位タイの４勝、同８位の防御率２．９７
それでも続く３月２２日の阪神タイガース戦（阪神鳴尾浜球場）で７回を投げて３安打、無失点で白星を手にし、チームに記念すべき創設初勝利をもたらすと、３月３１日の広島東洋カープ戦（由宇練習場）では９回１失点でチーム一番乗りの完投勝利。「相手どうこうより、自分のスタイルをまず出そうという意識に変わってきたというか、そういう気持ちで試合に臨めるようになって、そこから徐々に調子も上がっていった」と話す。
「技術面でも変化球の質が良くなって精度も上がったり、ストレートもインコースがあんまり得意じゃなかったんですけど投げ切れるようになってきたり、そういう成長もあった」という前半戦は、１４試合の登板で４勝４敗、防御率２．９７。勝利数はリーグ４位タイ、防御率は同８位、そして５３奪三振は同６位タイにランクされている。
前述のとおり、フレッシュオールスターへの選出はチームの投手陣からは早川ただ１人（他に外野手の増田将馬が選出）で「ありがたいことに選んでいただいたので、楽しみながら持ち味をアピールできたらなというふうに思ってます」と語る。その“持ち味”とはストレートであり、赤堀監督も「今までどおりのプレーでいいと思いますけども、もっと自分の力を信じて、ストレートを投げ込んで圧倒できるようにしてほしい」と、晴れの舞台での活躍に期待を寄せる。
「ピンチの場面でストレートの威力を上げられれば」
もっとも早川にはその先に見据える大きな目標がある。早川のみならず、二軍だけのチームであるくふうハヤテの選手が目指すのは、一軍を持つセ・パ１２球団への入団。そのためには、１２球団に在籍した経験のない選手はドラフト会議で指名を受ける必要があり、早川も２６日から始まる後半戦でどれだけ自分を売り込めるかが、これまで以上に重要になる。
「僕はやっぱりストレートが持ち味で、スピードももうちょっと出せるようになってるつもりだったんですけど、なかなか（球速が）上がってきていない。今の良いところは削らずに、ストレートももうちょっと出せたらなと思います。後半戦もこのまま先発でやるなら、安定したピッチングの中でピンチの場面でストレートの威力を上げれればなと思っています」
二軍とはいえ各球団の若き精鋭が集まるフレッシュオールスターは、注目を集める格好のチャンス。リーグ戦でも後半戦を通じてアピールを続け、昨年はかなわなかったドラフト指名を目指す。
（文中の今季成績等は７月１９日現在）
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