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「並行在来線は存続が現実的」 小樽市議会定例会で市議会議員が異例の意見表明

鉄道乗蔵鉄道ライター

 現在、開催中の小樽市議会において、小樽市議会議員が令和5年第3回定例会の代表質問において「見通しが不透明なバス転換よりも、並行在来線を残す方向で考えたほうが現実的ではないか」という異例の意見表明が行われていたことが判明した。

 この小樽市議会議員は、「他国では駅や線路の鉄道インフラは公的機関が責任を持ち、日本のように民営化している国自体が少ない。鉄道は、通勤、通学、通院、買い物をはじめ生活に必要な移動手段であり、観光や地域の産業振興にとってとても大事なインフラであるとし、公営と民営、つまり上下分離で鉄道を残すべき」とも発言した。

 北海道新幹線「並行在来線」の長万部ー小樽間については、北海道庁が主導する協議会において、廃線ありきの議論の元、同程度の鉄道路線のおよそ7倍の赤字額で見積もられた試算額により沿線自治体の首長はやむなく廃線に合意させられた。しかし、事前にバス会社との協議が行われていなかったことから、地元バス会社からは「ドライバーも整備士もいないのに鉄道代替バスの引き受けをできるわけがない」という声が上がっており、バス転換協議は泥沼化の様相を呈している。

 北海道庁のこうした姿勢に対しては、沿線住民からも異論の声が上がり始めており、2023年4月には余市町で、7月には小樽市で北海道新幹線「並行在来線」廃止を問題提起するセミナーが開催されている。特に小樽市で開催されたセミナーでは、小樽市の迫俊哉市長、地元選出の中村裕之衆議院議員、おおつき紅葉衆議院議員のほか、複数名の道議会議員や市町村議会議員の出席もあったとして話題になった。

YouTuberが速報動画の発信で大反響

 本件については、北海道小樽市在住のYouTuber「北のたぬき」さんが運営する「【北海道】乗り物大好きチャンネル」でも速報動画を発信し、大きな反響を呼んでいる。

2023/09/20
北海道新幹線の並行在来線となる函館本線山線。
バス転換が決まっていますが、
ドライバー不足のためバス会社となかなか交渉が進んでいないのが現実です。

そうした現状もあり、
小樽市議会でついに市議が「もはやバス転換は不透明で、山線存続が現実的では?」
との声が上がりました。

バス転換を前提としている小樽市議会の中で、
公にこうした声が上がったのは異例ともいえます。

速報でお伝えします。
出典:【北海道】乗り物大好きチャンネル 【速報】「バス転換は無理!存続が現実的!」小樽市議会で市議が追及!続々と上がる政治家の声・・・どうなる?函館本線の山線バス転換

 YouTubeのコメント欄には、

「小樽市議さんナイス過ぎます!道庁があてにならないので、こういう沿線自治体の声はものすごく力があると思います」

「やはり根強く現場から声を発し続けた事が功を奏しましたね」

「ようやく、安易過ぎた『バス転換』について、現実の問題点について、認識が広がり始めたようですね」

などの声が相次いだほか、

「私は業界の人間ですが、交渉も何も現状のままではバス転換は無理です。

おそらく、交渉どころかバス会社が道に対し、門前払いしている状況でしょう。

勝手に道が決めてしまい、中央バスを始め、各バス会社はお伺いがなかった事に激怒してますから。

このまま乗務員不足が進めば、現在あるバス路線も次々と廃止されていくでしょう。

現在ある鉄道路線を生かしていく必要があるでしょう。道庁の交通政策があまりにアホなので困ったものです。

各バス会社は激怒してますから、普通に交渉しても代替バスはやってもらえないでしょう。

この状況では、再検討も何も山線を残すしかない状況に、おそらく道は追い込まれるでしょう」

というコメントも寄せられた。

 ツイッター(現、X)では、余市駅を存続する会からも、小樽から声が上がったことに対する反響が寄せられた。

 【関連記事】

・2023年9月9日付記事(せめて倶知安までは残して欲しい! 泥沼化の北海道新幹線「並行在来線」、バス会社社員の悲痛な叫び

・2023年9月8日付記事(もはや北海道庁の存在意義なし 泥沼化の「並行在来線」バス転換協議、YouTuber発信で道庁批判殺到

・2023年7月30日付記事(鈴木直道知事リコールの声も! Youtuber発信で波紋の北海道新幹線「並行在来線」問題

・2023年7月27日付記事(小樽市で開催の並行在来線廃止「問題提起」セミナー Youtuber発信で道庁への批判殺到

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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