もはや北海道庁の存在意義なし 泥沼化の「並行在来線」バス転換協議、YouTuber発信で道庁批判殺到
「ドライバーも整備士もいないのに鉄道代替バスの引き受けをできるわけがないという声が地元バス会社から上がっている」――。
これは、2023年7月に小樽市倫理法人会が開催した北海道新幹線「並行在来線」廃止を問題提起するセミナーで、倶知安町に事務所を置く北海道議会議員が発言した言葉だ。このセミナーには、小樽市の迫俊哉市長、地元選出の中村裕之衆議院議員、おおつき紅葉衆議院議員のほか、複数名の道議会議員や市町村議会議員の出席もあったとして話題になった。
北海道庁が2023年5月に非公開で開催した並行在来線対策協議会のブロック会議における議事録では、小樽市の迫俊哉市長からの指摘により、道庁が「バス会社との協議が進んでいない」ことを認めていたことが明らかになっている。
こうしたことから、セミナーに参加した中村裕之衆議院議員からは、およそ40名の参加者を前に「昨年7月、国土交通省はローカル鉄道の在り方に関する提言を発表しているが、道庁はなぜこの発表を待たずに廃止の結論を急いだのか」。「協議会では、数値も精査されていなければ、B/Cによる評価も行われていなかった。さらにバス会社との協議も行われていなかったことから、道庁には『不信感でいっぱいだ』と伝えている」という厳しい発言も飛び出した。
YouTuberが続報動画の発信でさらなる道庁への批判が殺到
北海道小樽市在住のYouTuber「北のたぬき」さんが運営する「【北海道】乗り物大好きチャンネル」では、これまでも北海道新幹線の「並行在来線問題」についてたびたび動画を制作してきているが、9月6日には最新の報道記事や独自取材に基づいた続報動画を制作。大きな反響を呼んでいる。
動画の内容は、余市町長が「道庁は、地域のことを何も考えていないこと、戦略も何ももっていないことが露呈した」と異例の道庁批判を展開し不信感をあらわにしたこと。さらに、余市町関係者の「道庁は自治体の利害を対立させ、地域が結束して道庁に刃向かわないように巧妙に議論を誘導している」というコメントを紹介し、道庁の存在意義を問いたいと問題提起した。
また、冒頭で発言を紹介した倶知安町に事務所を置く北海道議会議員が、このままバス転換が難しいという話になれば「在来線の再活用を含めて協議をさかのぼって再検討しなければならないのか」と発言していることにも触れ、一連の客観的な事実からも「山線の廃止が物理的に難しくなっていること」、バス転換協議が行き詰まり「消極的な山線存続が見えてきた」と締めくくられた。
なお、ブロック会議で倶知安町長が強引な山線先行廃止の言動を行っていることに対して役場には非難の声が寄せられているそうで、北海道庁の当事者については大手マスコミの取材に応じようとしていないそうである。
この動画の内容が多くの視聴者の反響を呼び、YouTubeのコメント欄には、
「もう道庁には行政力はないんじゃないでしょうか?」
「道庁幹部は、態度は1流だが仕事の出来は3流だ」
「道庁の感覚が現場を見ない頭でっかちであることを露呈している」
「さて、この問題にどう落とし前をつけるのですか!?道庁さんよぉ……」
「知事や道庁がどうしたいのか?がまるで見えてこないし、元担当者の無責任ぶりもひどい」と、
もはや北海道庁の存在意義さえも疑いたくなるような厳しいコメントが相次いだ。
「【北海道】乗り物大好きチャンネル」さんについては、過去には以下の記事でも取り上げている。
・2023年7月27日付記事(小樽市で開催の並行在来線廃止「問題提起」セミナー Youtuber発信で道庁への批判殺到)
・2023年7月30日付記事(鈴木直道知事リコールの声も! Youtuber発信で波紋の北海道新幹線「並行在来線」問題)
(了)