天神で今食べておくべきラーメンとは

　『天神ビッグバン』と呼ばれる大規模な再開発が進み、日に日に街の景色が変わっていく福岡屈指の繁華街「天神」。地元のオフィスワーカーはもとより、買い物客や観光客などが多く集まるこの街には、当然のことながら飲食店も数多く集まっている。

　福岡のラーメンと言えば博多ラーメンをはじめとする豚骨ラーメンが人気だが、近年では博多ラーメンや豚骨ラーメン以外の「非豚骨ラーメン」を提供する店も増えている。そこで天神に数多くあるラーメン店の中から、今食べておくべき「非豚骨」の注目店をご紹介しよう。

福岡非豚骨ブームを牽引する人気店『中華そば 月光軒』（2023年開業）

　2019年、川端通商店街で創業。2022年に博多駅に移転後、2023年に天神ビル地下の『天神よかまち』に再移転した人気店が『中華そば 月光軒（むんらいけん）』（福岡県福岡市中央区天神2-12-1 天神ビルＢ１）。店主は数々の人気店を立ち上げたり、海外での展開も担ってきた経験を持つ、ラーメン業界屈指のベテラン職人。現在の福岡の「非豚骨ブーム」を牽引してきた先駆者だ。

　火加減に神経を尖らせながら、数種類の地鶏の旨味をギリギリまで抽出した黄金色のスープに、既存の中華麺とは異なる設計から生まれた中細ストレートの自家製麺。鶏の旨味と醤油のコクに香りが際立ち、グイグイと飲ませるパワーがあるスープと、噛み締めるごとに小麦が香る自家製麺の見事なマリアージュ。スープも麺もどちらも主役の存在感がある。

創作系ラーメンの人気店による新たな挑戦『ラーメン海鳴』（2023年開業）

　2009年の創業以来、「魚介とんこつ」「ラーメンジェノバ」など、自由な発想で次々と革新的なラーメンを発表して、福岡のラーメンをアップデートしてきた人気店『ラーメン海鳴』（天神店：福岡県福岡市中央区天神2-7-22）。2023年に新たにオープンした天神店では、新たなアプローチの「味噌魚介とんこつ」をリリースして注目を集めている。

　「他にはない味噌ラーメン」をコンセプトに生まれた一杯は、海鳴の看板メニューである「魚介とんこつ」をベースに、赤味噌と合わせ味噌をブレンドした創作系味噌ラーメン。仕上げに東南アジアでお馴染みの「ラクサ」のエッセンスも加えて、唯一無二の新たな味わいを現出させた。もっちりとした自家製太麺も食べ応え十分だ。

店舗ごとにコンセプトが異なる人気店『中華そば かなで〜豚と節〜』（2024年開業）

　2011年に春日で創業した人気店『かなで食堂』の最新店が、2024年にオープンした『中華そば かなで〜豚と節〜』（福岡県福岡市中央区天神4-10-2）。春日の本店は濃厚豚骨、東比恵の２号店は鶏清湯、多の津の３号店は煮干と、これまで店舗ごとに違うラーメンを出してきた『かなで』だが、天神の４号店では豚骨と魚節の清湯醤油をテーマにしたラーメンを提供している。

　豚骨のクリアな清湯に鯖節などをしっかりと効かせた化学調味料不使用のスープは、甘めのカエシと魚節があと引く味わいに。エッジが立った自家製平打ち麺は密度が高く硬めの食感でパスタのよう。コリコリとした食感の糸島発酵メンマが良いアクセントになっている。「塩そば」や「まぜそば」などの魅力的なメニューも揃っている。

　今回ご紹介した３軒は、いずれも最近オープンしたばかりの店だが、いずれも経験豊富な店主が作る実力派揃い。福岡にはまだまだ美味しいラーメン店があるので、まずはこの３軒から食べ歩きを始めて、福岡のラーメンの奥深さや幅の広さを楽しんで欲しい。

※写真は筆者によるものです。
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