モラタの爆発の時。シメオネ・アトレティコの「9番」に求められるタスク。
強いのか、弱いのか、分からない。だがそれがこのチームの魅力でもある。
メインテーマで取り上げたいのはアトレティコ・マドリーだ。チャンピオンズリーグ・グループステージ第2節で、アトレティコは本拠地ワンダ・メトロポリターノにフェイエノールトを迎えて、3−2で勝利した。
それでは、その“好調”のアトレティコを紐解いていきたい。
■モラタの爆発
第一に挙げたいのは、アルバロ・モラタの爆発だ。
モラタは今夏、移籍を考えていた。ユヴェントス、ミラン、ローマとイタリア勢が彼を追跡していた。サウジアラビアからも関心を寄せられていたモラタの心の中は移籍と残留の間で揺れていた。
また、プレシーズンの段階で、シメオネ監督はアントワーヌ・グリーズマンとメンフィス・デパイを2トップのファーストチョイスにしていた。
モラタは夏の韓国遠征の際、シメオネ監督、またクラブと話し合いの場を設けたと言われている。
両者から残留を請われた。ただ、シメオネ監督からはデパイとの競争は避けられず、「18ゴール」を目標として突き付けられたという。
■キャリアのターニングポイント
モラタのキャリアを考える上で、ターニングポイントになったのは、EURO2021である。
スペイン代表はグループステージで苦しみ、敗退の危機に追い込まれていた。決定力不足に喘いでいたモラタに、スペインメディアからは烈火の如く批判が浴びせられていた。しかしながらルイス・エンリケ監督は意に介せず、「我々はモラタと10人の選手で戦う」と主張し、その後の快進撃とベスト4進出に繋がった。
EURO2021が終わり、ユヴェントスへのレンタルを経て、モラタはアトレティコへのカムバックを果たした。昨季開幕前の段階では、グリーズマン、ジョアン・フェリックス、アンヘル・コレア、マテウス・クーニャに次ぐ5番手のFWという立ち位置だった。
だが蓋を開けてみれば、昨季、チーム内得点王のグリーズマン(16得点)に次ぐゴールスコアラーになったのはモラタ(15得点)だった。フェリックス、クーニャが移籍を選ぶなか、モラタはアトレティコに残留して、シメオネ監督の信頼を勝ち取っている。
■スペイン代表とアトレティコ
スペイン代表とアトレティコで、モラタの役割は変わるのだろうか。そこにフォーカスすると、アトレティコのフットボールが見えてくる。
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