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オンラインサロンで「養分」「カモ」にされる残念な人の特徴

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

■社会人がやらないほうがいい たった一つの勉強法

社会人がやらないほうがいい勉強法。それはたった一つだけだ。

交流がメインの講座やオンラインサロンに参加することだ。人と人とが交流する時間をやたらとお勧めしたり、機会を提供するコミュニティやオンラインサロンなどは、できる限り避けたほうがいい。

モチベーション維持のためには効果があるだろう。しかし交流のための時間が大きく取られると勉強効率が非常に悪くなる。

私がとても気になる言葉を紹介しよう。それは

「勉強になります」

という言葉だ。交流会などでビジネスパーソンと会い、いろいろ話をしていると、

「とても勉強になります」

「学びの深い時間になりました」

などと言われることが多い。あるテーマについてレクチャーして、そう言われるのは嬉しいが、実際にいったい何が勉強になったのか? と問いたくなる。

ポイントは「記憶」である。何が記憶されたのか。必要なときにタイミングよく思い返せるよう、脳に記憶された知識やノウハウがどれぐらいあったか? と問いたくなってしまう。

その場限りの「気付き」を得ただけで

「勉強になります」

と言ってはいないか。とても気になるのだ。何を隠そう、私も昔はそうだった。いろいろなコミュニティに参加し、著名な著者、経営者に会いに行って、

「勉強になります」

と言い続けた過去がある。楽しいし、その時間は充実している。だが(勉強という意味では)結局は何も残らなかった。

■勉強は一人でやるもの

結論から書くが、勉強は一人でやるものだ。

資格試験や高校受験、大学受験を思い出してほしい。人から刺激を受けることは大事だ。しかし誰かと交流している時間があるぐらいなら、10分でも20分でも勉強したほうがいい。そう思ったはずである。

社会人になっても、当然同じだ。

もちろん、人と交流することによっていろんな学びを得ることができる。

しかしそれは、そのテーマにおける「理解レベル」が【3】以上になってからにしよう。

<理解レベルの4段階>

・理解レベル(1) → 「○」か「×」など印象でしか理解できていない

・理解レベル(2) → 多様なインプットを通じて要点を整理できている

・理解レベル(3) → 知識と経験とが点と点で繋がり、腹に落ちている

・理解レベル(4) → 自分の言葉で人に教えられる

理解レベルが【3】以上になれば、同レベル以上の人と話をすることで、深い気付きを得られる。

たとえば「採用におけるAI活用」というテーマで考えてみる。理解レベル【1】の人だと、

「やっぱり採用面接にもAIを活用したほうがいいんですね。勉強になります」

ぐらいしか言えない。こういった発言を聞いたら相手も、

「ああ、そうですね。確かに、時代は変わっていきますからねえ」

といったリアクションしかとりようがない。いっぽう理解レベル【3】の人であれば、

「当社では採用戦略に合致した面接をするよう、面接官の教育を徹底しています。しかし、それでも面接官の性格や経験値によって採用の質がバラバラです。今後はAIによる採用面接によって、採用品質が上がっていくものと受け止めていいんでしょうか?」

このような突っ込んだ質問、相談ができる。講師も相手が理解レベル【3】ぐらいだとわかれば、個別具体的な助言や事例の紹介ができる。こういった貴重なアドバイスをもらえたら、心から

「勉強になりました」

と言えばいい。

■理解レベルが低い人は「養分」「カモ」にされる

「今日も勉強になりました。ありがとうございました」

これぐらいの感想しか言えない人は、まずはそのテーマにおける知識やノウハウをしっかり勉強したうえで、コミュニティやオンラインサロンに参加しよう。

勉強しているかどうかは、記憶している知識量で測ればいい。

単に知識が増えればいいわけではない。それはわかっている。しかし体系的な知識がなければ、知識と経験が繋がって新たな知見や知恵が生まれることはないのだ。

理解が足りないと、コミュニティやオンラインサロンの頂点に君臨するオーナーの「養分」にされてしまう。いつかは成果が出ると信じて高い会費を支払い続けることになる。

それどころか、交流会で理解レベルの高いメンバーの格好の営業ターゲットになることも多い。別のコミュニティに誘われたり、高額の情報商材を売り込まれる可能性もある。つまり「カモ」にされるわけだ。

■「ダム勉強」を意識しよう

私が奨励するのは「ダム勉強」だ。松下幸之助が提唱した「ダム経営」と同じ発想だ。

必要なときに必要な分だけ勉強するのではなく、ふだんから勉強を通じてある一定量の知識やノウハウを常に蓄えておくこと。これがダム勉強だ。そうすることで、ここぞというときに蓄えられた知識やノウハウを有効活用できる。

だから理解レベルの【2】ぐらいまでは、少しばかり負荷がかかっても知識を身につけておくべきである。読書や教材、研修の活用が最も一般的だろう。

<参考記事>

驚くほど知識が手に入る読書勉強法「水平読書」徹底解説

勉強は、受験や資格対策と比べるとわかりやすい。同じ目標を持つ人と集まって情報交換するのもいいが、基本的には一人でやるものだ。学生も社会人も同じ。孤独な作業であり、自分との戦いなのである。

勉強するプロセスにおいて、満足感や報酬などは求めないほうがいい。

<参考記事>

なぜ頭がいい人は脳の海馬を鍛えているのか? 認知力・記憶力をアップさせる4つの方法

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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