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【台風10号28日の進路予想】兵庫県姫路市付近に上陸!沿岸地域では高潮ハザードマップの確認が重要

栗栖成之防災士ライター
出典:PhotoAC

本日25日の台風10号の進路を確認すると予報円の西に寄っており、筆者の住む兵庫県姫路市に接近または上陸する可能性が高くなりました。

台風への備えとして必要なことは、みなさんご存じだと思われますが、姫路市を含む台風の影響を受ける全ての地域では、沿岸地域の高潮に注意が必要です。

そこで今回は「高潮ハザードマップ」の重要性を解説します。

8月25日時点の台風10号の進路図

出典:ウェザーニュース 週間天気予報 台風10号は非常に強い勢力で上陸、縦断のおそれ
出典:ウェザーニュース 週間天気予報 台風10号は非常に強い勢力で上陸、縦断のおそれ

これは、本日25日15時にウェザーニュースが公開した、台風10号の進路図です。

予報円の中心線を見ると、現在のところ四国の高知・香川県に上陸し、その後瀬戸内海をとおり、本州の岡山県と兵庫県の県境付近に上陸すると予想されています。

そのため、兵庫県の西に位置する姫路市への接近もしくは上陸の確率も高くなっています。

もちろん、予報円が広いため今後の動きによっては、西は山口県から東は和歌山県に上陸する可能性もあります。

しかし、今回の台風10号の暴風警戒域は広範囲なため、どこに上陸しても兵庫県への影響は避けられないでしょう。

台風の接近および上陸で注意すべき点!沿岸地域は高潮にも注意

出典:PhotoAC
出典:PhotoAC

台風による大雨を予測して早期避難するのは、命を守る行動として鉄則です!

当然ながら、災害リスクの高い地域では「洪水・内水ハザードマップ」と「土砂災害ハザードマップ」を確認し、避難所への避難を検討していることでしょう。

しかし、沿岸地域ではそれだけでは足りないのです。

地域差はありますが、沿岸地域のほとんどは山などがないため、土砂災害のリスクはゼロに等しい地域が存在します。

そのため、洪水・内水ハザードマップだけを見て、リスク判断する方が多いのが現状です。ですが、一部地域では例外もあり土砂災害への警戒も必要です。

結果として、沿岸地域では「洪水・内水ハザードマップ&土砂災害ハザードマップ」にプラスして「高潮ハザードマップ」によるリスク判断が必須となります!

姫路港を例に「高潮ハザードマップ」の重要性を解説!

そこでここでは、重ねるハザードマップにて「姫路港」を例に、高潮ハザードマップの重要性を解説します。

まずは姫路市沿岸地域の、土砂災害情報を見てみましょう。

出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成
出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成

上図は重ねるハザードマップにて、姫路市全域の沿岸地域における「土砂災害警戒区域」を表示した画像です。

前述した「沿岸地域には山がほとんどない」の例外として、赤丸部分では急傾斜地があり警戒区域が設定されています。

洪水・内水ハザードマップを重ねる

出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成
出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成

次に、先の土砂災害ハザードマップに「洪水・内水ハザードマップ」を重ねました。

赤丸部分では土砂災害が起きるほどの高低差があるため、逆に浸水被害はありません。

それ以外の沿岸地域では着色の無い「浸水被害のない地域」や、最大0.5mまでの浸水地域、0.5~3.0mの浸水地域が多いのが分かります。

ところが、これに高潮ハザードマップを重ねると、次のようにほとんどの沿岸地域が、最低でも0.5~3.0mの浸水リスクに変わってしまうのです。

高潮ハザードマップを重ねた状況!

出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成
出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成

このように高潮ハザードマップを重ねると、一気に着色範囲が増えてきます。青囲みの地域では「洪水・内水ハザードマップ」では浸水しませんが、高潮ではほとんどが、0.5~3.0mの浸水ランクにアップ!

また、洪水・内水では0~0.5mだった地域が0.5~3.0に、0.5~3.0mが3.0~5.0mへ浸水ランクがアップしています。

これを見ればお分かり頂けるように、沿岸地域では『高潮ハザードマップ』の確認を忘れてはいけません。

兵庫県で起きた過去の台風による高潮被害

出典:兵庫県CGハザードマップ 防災学習<高潮編>過去の主な高潮災害を加工
出典:兵庫県CGハザードマップ 防災学習<高潮編>過去の主な高潮災害を加工

このデータは兵庫県CGハザードマップにて提供されている「過去の主な高潮災害」から、平成の災害情報を抽出して作成した表です。

兵庫県でも平成時代に、台風による高潮被害が6件起きており、床上浸水や多くの死者まで出る被害となっています。

表内の「潮位偏差値」とは、高潮時潮位と平常時潮位の差であり、これが大きいほど高潮の規模が大きくなります。

ただし、必ずしも被害と比例関係にある訳ではありません。その証拠に2004年(平成16年)9月7日の台風18号では、3地点の内「神戸・洲本」では、100cmを下回っているにもかかわらず、97人もの死者がでています。

全国どこでも沿岸地域は同じ!高潮ハザードマップの確認は重要

出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成
出典:「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成

今回は土地勘のある姫路港に接する沿岸地域を例に紹介しましたが、高潮ハザードマップの重要性は全国どの沿岸地域でも同じです。

従って台風10号の進路が変わっても、台風の影響がある沿岸地域では『高潮ハザードマップ』のリスクを考慮して、避難計画を立てておきましょう。

兵庫県では令和に入り台風による高潮の被害は出ていませんが、今回の台風10号では大きな影響が予想されるため、令和時代はじめての高潮被害が起きる可能性は高いです。

せめて死者が出ないよう、沿岸地域では早めの避難が重要になってきます。

『重ねるハザードマップはここからアクセス可能です!』

必ず自宅や会社の災害リスクを、確認しおきましょう!

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防災士ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!

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