【南海トラフ地震|兵庫県淡路地域の被害想定】最大震度7の揺れと8.1mの津波が襲う!
南海トラフ地震による兵庫県内の被害想定は、2014年(平成26年)6月に公表した内容が最新です。
2024年現在までに見直しはされておらず、11年が経過しようとしています。そこで前回「姫路市の被害想定のまとめ」を改めて紹介しました。
そして、姫路市だけでなく、兵庫県内の被害想定をまとめようとしたのですが・・影響のある範囲が広いため、地域ごとにまとめることとしました。
今回は、兵庫県の最も南に位置する「淡路地域」の被害想定をまとめました。
兵庫県内唯一、最大震度7のゆれが襲う
淡路地域とは「洲本市・南あわじ市・淡路市」の3市で構成されますが、南海トラフ地震では兵庫県内で唯一「最大震度7」が予想されています。
3市別の震度別面積率(%)は、以下のとおりです。
最南端の南あわじ市では、7.7%の地域を震度7のゆれが、63.3%の地域で震度6強のゆれが襲います。
洲本市でも0.8%の地域が震度7、66.4%の地域で震度6強を予測。淡路島全体では震度6弱以上のゆれとなるため、建物や人的被害は多くなると容易に想像できるでしょう。
南あわじ市で最大8.1mの津波が44分で到達|5m以上の浸水地域も
淡路島は兵庫県内で南海トラフに最も近い地域であるため、襲ってくる津波の大きさも段違いです。姫路市など播磨地域では2.0m~2.8mの津波に対して淡路島では、以下のような8m級の大きな津波が襲います。
- 淡路市 :最大3.1m 最短到達時間65分
- 洲本市 :最大5.3m 最短到達時間45分
- 南あわじ市:最大8.1m 最短到達時間44分
さらに、浸水面積も兵庫県内で唯一5m以上の地域が予想されており、各市の浸水深は次のように想定されています。
津波による被害は、南あわじ市に最大8.1mの津波が襲うため、浸水被害が最も多くなっています。
次に、建物被害について確認してみましょう。
地震による建物倒壊が約2万棟超におよぶ
建物の倒壊についてまとめると、やはり震度5弱以上が襲うため「地震によるゆれ」が原因で倒壊する建物が多いです。また、津波による建物被害は、南あわじ市が多く全半壊合わせると1,945棟にもおよんでいます。
被害想定では「冬5時・夏12時・ 冬18時」の3パンターンで予想されていますが、紹介している被害予想は3つの中で最も多くなる「冬5時」の数字です。
死者数は淡路島全体で2,827人|南あわじ市が約63%の1,774人を占める
原因別の死者数は上記のとおりで、淡路島全体で2,827人。この内、南あわじ市が1,774人と約63%を占めており、これも「冬5時」の数字です。
原因別の内訳をみると津波による死者数がトップであり、先の建物の倒壊数とは異なる点が特徴といえるでしょう。
兵庫県の想定手法を確認すると、建物倒壊数は「揺れ⇒液状化⇒火災⇒津波」の順で重複分を排除するよう計算されるようです。
このため、津波が襲う前に地震の揺れによって倒壊した建物が多いため、津波による倒壊件数は少なくなります。
防災・現在対策で被害を減少できる!
南海トラフ地震における兵庫県内の被害想定では、建物被害が最も多いのが淡路地域。特に、南あわじ市での建物被害が顕著です。これは、最大震度7のゆれと、最大8.1mの津波が襲うことによるものです。
しかし、南あわじ市では防災・減災対策による被害軽減効果によって、死者数を1,348人減少させ、全壊頭数を7,434棟軽減すると、市の公式サイトで公表しています。
防災・減災択策は今後も各市で行われるため、10年前の想定被害は大きく減少することでしょう。
今後も、兵庫県内各地域における被害想定のまとめを、お伝えする予定です。