Yahoo!ニュース

フィル・フォーデン。ルーニー、シアラー、オーウェンを超える可能性を秘めた男。

森田泰史スポーツライター
チャンピオンズリーグでゴラッソを沈めたフォーデン(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

以前から、将来を嘱望されたプレーヤーだった。

フィル・フォーデンが、プレミアリーグの年間最優秀選手に選ばれた。英国人選手としては、ウェイン・ルーニー(2009−10シーズン/マンチェスター・ユナイテッド)以来の受賞だ。

得点を喜ぶフォーデン
得点を喜ぶフォーデン写真:ロイター/アフロ

アラン・シアラー、マイケル・オーウェン、ケヴィン・フィリップス、フランク・ランパード、ルーニー、そしてフォーデン。史上6人目の英国人選手の受賞者が誕生した。

フォーデンは今季、ここまでプレミアリーグで17得点8アシストを記録している。リーグ優勝に近づくマンチェスター ・シティで、必要不可欠な選手になっている。

■メガクラブのカンテラーノ

フォーデンはシティのカンテラーノ(下部組織出身選手)だ。幼い頃からシティのカンテラでプレーして、本拠地エティハドにボールボーイとして馳せ参じていた。

シティのようなメガクラブで、カンテラーノが台頭するのは容易ではない。いわゆる「国家クラブ」のシティは、毎年のように大型補強を敢行するからだ。

実際、フォーデンは昨季、レギュラーポジションを失っていた。ジャック・グリーリッシュの加入があったためだ。だが今季はケヴィン・デ・ブライネの負傷離脱、アーリング・ハーランドの低調ぶりを受けて、フォーデンの存在感が増した。

無論、それはフォーデンの力でしかない。2017−18シーズン、17歳の若さでトップデビューを飾り、すでに5回のプレミアリーグ優勝とチャンピオンズリーグ制覇を経験している。

競り合うベリンガムとペドリ
競り合うベリンガムとペドリ写真:なかしまだいすけ/アフロ

ペドリ・ゴンサレス(バルセロナ)、ジュード・ベリンガム(レアル・マドリー)、ジャマル・ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)、ラミン・ヤマル(バルセロナ)、ハービー・エリオット(リヴァプール)、フロリアン・ヴィルツ(レヴァークーゼン)…。近年、新たな世代が突き上げてきている。しかしながら、彼らでさえ、フォーデンのように若くして数多のタイトルを獲得はしていない。

■特徴と変化

フォーデンは、元々、左利きのドリブラーだった。

この記事は有料です。
誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバーをお申し込みください。

誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバー 2024年5月

税込550(記事6本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

森田泰史の最近の記事