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高額化する都心中古マンションだが、頭打ち感が出ている場所も。たとえば、千代田区は……

櫻井幸雄住宅評論家
新築も中古もマンション価格が大きく上昇した都心部だが……。(写真:イメージマート)

 「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインド社が6月21日に「2024年5月 全国市区町村中古マンション価格/騰落率ランキング」を発表した。

 今年5月の時点で、中古マンション価格の高い場所を市区町村別でランキングするもので、調査の結果、全国で最も中古マンション価格が高いと推定された場所は東京都港区、2位が東京都中央区で3位が東京都千代田区。以下、渋谷区、目黒区、新宿区、品川区、文京区、豊島区、江東区と続き、東京23区が上位をほぼ独占していることが明らかになった。

 そして、1位港区の中古マンション推定価格は70平米で1億2456万円……2021年の調査開始以来、初めて1億2000万円を超えた、と発表された。

 この発表は、多くの人にとって想定内のものだろう。

 東京中心部の場所は軒並み中古マンション価格が上がり、港区はとんでもない価格になっている……それは多くの人が知っている事実であるからだ。

 不動産に関心がある人が知りたいのは、その先ではないか。

 中古マンションの価格上昇がいつまでも続くはずはない。頭打ちの動きは出ているのか。出ているとしたら、どこで顕著になっているのか……。

 じつは、今回発表された「2024年5月 全国市区町村中古マンション価格/騰落率ランキング」では、そのヒントとなりそうなデータも発表されていた。

 それは、過去の中古マンション価格と比較したときの騰落率ランキング。中古マンション価格が高い場所で、1年前、3年前、5年前、10年前の中古マンション価格と比較したときの騰落率を算出。その順位も発表されたからだ。特に、興味深かったのが、3年前と比較したときの騰落率だ。

 というのも、3年前の2021年、東京、大阪を中心に新築・中古のマンション価格が十分高額化していたからだ。

 高くなった中古マンションは、その後、さらに上昇を続けてきたのか、それとも上昇度合いが減速しているのか。それは、これから先を占う上で重要な指標になる、と考えられる。

 3年前と比較したときの騰落率をみると、ランキング上位を東京中心部が独占しているわけではなかった。東京都港区は騰落率、つまり上昇の度合いでは全国で6位だった。さらに驚きの騰落率を示した東京都心の区もあった。

 3年前と比較した騰落率で全国1位の上昇率を示したのは、どこなのか。そして、東京23区で騰落率が伸び悩んだ場所は?さらにうめきたエリアの再開発で注目される大阪市北区の上昇率は?

 気になる「3年前との比較」を解説したい。

騰落率10位までに入ったのは3区のみ

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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