【詳細】ミン・ヒジン氏は「衝撃会見」でNewJeansをどう語っていたのか 愛情・プライド・覚悟…
1時間30分の「一人語り」と45分の「質疑応答」。
4月25日に行われたHYBEの子会社ADOR代表ミン・ヒジン氏の会見が波紋を呼んでいる。
当初は22日に経済系メディアの経営情報として多く報じられたこのニュース。両者の対立は「背任」や「名誉棄損」「ILLITのコピー疑惑」を巡っての法廷闘争に持ち込まれるものと見られている。
【公式】「’ILLITのNewJeansコピー事件’に対するADORの公式見解」=全文
【公式】HIBE「25日のミン・ヒジン氏の会見を受けて」 26日に発表した公式見解=全文
一方で韓国でも重要なポイントとして見られているのは「NewJeansがどうなるのか」だ。ミン・ヒジン氏が去ったHYBEに残るのか。はたまた違うかたちになるのか。プロデュースを手掛けたのはミン・ヒジン氏に違いはないが、HYBE側がNewJeansプロジェクトに投資したからこそグループがデビューできた面もある。
そういったなかで、25日の会見でミン氏本人はNewJeansについて多く言及している。
手元のデータを見ると、2時間15分のうち実に40回以上「NewJeans」という言葉を発した。
どういった内容を発したのか。できる限りの詳細を記す。
配慮(冒頭部分)
「NewJeansの新しく出る音盤(新譜)と時期が重なる。この活動(プロモーション時期)が終わって整理をして話をしたかったんです」
「だから実際のところ今回、記者会見を開くのにはすごく勇気がいりました。こういったインタビューはやりませんでしたし、NewJeansの活動にフォーカスを合わせたいという考えもありました。こうやって爆弾を使って私に対してマタドールをやるとは思いませんでした」
マタドールとはスペイン語で「闘牛士」を指すが、韓国では闘牛士が表裏で赤と黒の布を裏返しながら牛と対する姿が転じて「ブラック(ネガティブ)キャンペーン」という意味だ。
プライド・反論(0:25:40頃)
「私がNewJeansを担当して…韓国エンターテインメント業界の30年の歴史の中で、わずか2年でこういった実績を上げた人は他にいないんです。それなのに、実績を上げて株主の利益に貢献している系列会社の社長を、こんな風に抑え込もうとするのは、(逆に)背任ではないでしょうか。私はそう思うんです。つまり、視点を変えて考えてみれば、私には何の罪があるというのでしょうか。私には仕事をうまくやった罪しかないと思うんです」
HYBE側は会見後に正式に「背任での告訴」を発表した。むしろ背任はそちらだ、という主旨の反論だ。
葛藤・悲哀・決死の覚悟(1:05:06~)
「私は(これまで)NewJeansとお母さんに対して、私ができる限りのすべてをやりました。本当に。そして私は(こんな騒動に巻き込まれるのなら)NewJeansをもう(今後)担当しなくてもよいです。
私はそんなに欲がなくて、NewJeansを(HYBEの外に)引っ張ってきて何かをする…私はそう考えていません。
ただNewJeansは私の子供…私の…本当に、私の子供のようで、ただそのような気持ちになってしまっているんです。ただ(ひたすらに)NewJeansの子たちをどれだけ可愛いと思っているのか、私(自身)にも分かりません。
私がこうやって苦しんでいるから(メンバーが)夜に全員電話をかけてきて、20分ずっと泣いたりしています。「代表(ミン氏)が可哀想で死にそうだ」と、みんな泣いています。しかし、私が彼女たちを売ると(自分だけが会社を離れると)、また「売った」と(世は)私をののしります。売ろうとしたのではないです。これは状況証拠として言っているだけです。
私が(きょう)記者会見をすると(メンバーの)お母さんに今日言ったら…」
ここでミン氏は涙ぐみ始める。
「『世論が今、全部ひっくり返っていてヒジン様を今、火炙りの刑にする直前ですよね。だからヒジンさん、これは行って話すべき』だと」
怒り(1:15:14~)
インタビュー冒頭にナーバスな様子で、多数が押し掛けた報道陣に対し「カメラマンのフラッシュが強すぎて話せない」と意見をしていたミン氏。さらに前半から中盤部分では興奮気味で、罵詈雑言も聞かれたが、後半に向かうにあたって「少し冷静な怒り」へと変わっていった。
「正直に言うと、NewJeansのこの状況は…「ソロモンの裁判」の話を知っていますよね※? 本当に自分の子供なら、母親は子供を二つに分けたりしません。自分を犠牲にするんです。それを考えただけでも(弁護を務める)私自身もどれだけ嫌な気持ちで、もどかしかったでしょう」
※古代イスラエルの名君ソロモンが、2人の母親の子争いを裁く様子を描くストーリー。現在ならDNAで分かる「どちらが真の親か?」を問う裁判のストーリー。争う当事者よりも裁く側にも目が向けられていく。
「でも、何て言うんでしょう…NewJeansを…HYBEがNewJeansを大切にしているのは本当なんでしょうか? NewJeansの新曲リリースは明日(4月26日)なんですよ。それなのに、どうして月曜日に監査をするんでしょうか? これは正気の沙汰ですか?」
「なぜ、どうして…自分の子供な(はずなの)のに『NewJeansを大切にしています』なんて言葉だけで言うんでしょう。これでは筋が通りませんよね? 私は今週の月曜日から...急襲でした。私がそんなに間違ったことをしたから急襲するんでしょうか?
ああ、(調査しても)法人用のクレジットカードからも何も出てこないから…シャーマンがどうのこうのと、そんなことまで探し出して。私だって、法人カードを見ていますよ? 食事代くらいしかないんです。はい。デリバリー」
「私たちは...いや、だから私は、私たちの財務諸表を全部開示できます。私は皆さん、私がNewJeansと一緒に会社を乗っ取るためにバイラルマーケティングの会社に会ったと…私は本当に何もしていません。バイラルマーケティング会社も知りません。私は、はあ...」
「私たちが不思議に思うのはそれなんです。HYBEは当然知っていたはずで…今週、ああ、明日NewJeansのミュージックビデオが全てローンチされることを。なのに月曜日に(取締役会を開いて)「経営権奪取」のニュースが(HYBE経営陣に)共有されたと言うんです
親会社(HYBE経営陣)が驚くのは当然ですよね。だから状況を把握しようとするにあたって…それがすぐに月曜日にメディアに公表されてしまった。そんなんじゃあ、NewJeansのお母さん方はどうすればいいんでしょうか」
「HYBE-ミン・ヒジン対立」何が起きているのか
<前提>
両者にはもともと感情的な対立があったと韓国メディアの多くが報道。BTSで成功したパン氏には「ガールズグループも成功させたい」願望。その過程でNewJeansを成功させたミン氏と意見対立が起きる。
<心情>
HYBE:ミン氏に出ていってほしい。解任であれ辞任要求であれ。
ミン氏:出ていくのは結構。ただしHYBEのやりかたはあんまりじゃないか。22日から急に攻撃が始まった。個人的な情報も晒された。HYBE側はNewJeansのことも考えていない。
<法的>
HYBE:経営権乗っ取りの動きがあった。「背任」。正式に告訴。
ミン氏:会見で弁護士「背任は会社の損害を出す行為。当たらない」。ミン氏「HYBE側の発表は事実に反する点があり名誉棄損も」。さらに問題の根底は「ILLITのコピー疑惑をHYBE側に提起したことにある」。この点も争う構え。
<双方の条件>
HYBE:大企業レベルの株式会社。それゆえ株主に気を払う必要がある。「追い出す」には合理的な理由が必要。
ミン氏:出ていくのはかまわない。決死の覚悟。NewJeanから離れてもいい。一方でもはや「母」としてNewJeansが気になって仕方がない。
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