横浜・川崎で中古マンション価格が大きく上昇した10地点。すべて分かる人はかなりの通
「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインド社が3月29日に「横浜・川崎のマンション相場推移10年 町名ランキング」を発表した。
これは、2021年において、横浜・川崎市内の市区町村で中古マンション価格が高い場所100カ所をランキング。さらに、10年遡り2012年の中古マンション価格と比較して上昇率の高い場所のランキングも発表したものだ。
そのうち、今、横浜市内と川崎市内で中古マンション価格が高い場所はどこか、のランキング上位は予想通りといえるものだった。
以下が、そのランキング1位から5位だ。
第1位 横浜市中区北仲通
第2位 横浜市神奈川区金港町
第3位 横浜市西区みなとみらい
第4位 横浜市西区北幸
第5位 横浜市西区紅葉ヶ丘
「予想通り」といえるのは、1位から5位までの町には、中古市場で非常に人気の高いマンションがあり、高値で取引されているからだ。場所ごとの人気マンション名を記すと、次のようになる。
北仲通=ザ・タワー横浜北仲
金港町=ナビューレ横浜 タワーレジデンス
みなとみらい=M・Mタワーズほか
北幸=ブランズ横浜
紅葉ヶ丘=横濱紅葉坂レジデンス(壱番館)
そのほとんどは、新築分譲時に短期間に完売した人気物件だ。その人気は中古になっても衰えず、新築時より価格上昇しているケースが多い。それらが、エリアの中古マンション価格相場を引き上げているわけだ。
以上の「横浜・川崎で中古マンション価格が高い場所ランキング」よりも興味深いのは、じつは「10年間で中古マンション価格が大きく上昇した場所」のランキングだ。
この10年で中古マンション価格の上昇率が高かった場所(町名)の1位から10位までを並べてみると、おもしろいことに気づく。それは、多くの人が知らないだろう、と思われる町名が目立つことだ。
誰でも知っている町名は、5位の「みなとみらい」と同率10位の「小杉(武蔵小杉駅周辺)」くらいか。それ以外は、地元の人か、横浜・川崎の地理に詳しい人でないと、ピンとこない町名が並んでいる。
なかには、9位茅ヶ崎南のように、不動産関係者ならば知っていて当然と思えるものもある。それは横浜市内、港北ニュータウン内の町名。湘南の海に近い茅ヶ崎市ではなく、港北ニュータウンにも茅ヶ崎南という町名があることで、不動産関係者の記憶に残りやすいわけだ。
しかし、ランクインした町名のなかには江ヶ崎町や市ノ坪など耳慣れない名前がある。横浜・川崎の地理に詳しいと自負する私でも、どこか分からず、地図を見て、ああ、あそこかと分かった町名が3つあった。
ベスト10の町名を聞いただけですべての町の映像が思い浮かぶ人は、不動産のプロでも少ないはずだ。
それは、地元の実需層が好んで中古マンションを購入している場所である証拠だろう。投資目的の購入者なら、駅前など有名地名の中古マンションを好む。しかし、実需層は住み心地重視で、価格に対する評価もシビア。目立たぬ場所で、抑えた価格の中古マンションを喜んで購入する。
だからこそ、「10年間で中古マンション価格が大きく上昇した場所」のランキングが興味深い。
その内容を解説したい。
10年間に最も中古マンション価格が上がった町は……
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