本当に住みやすい街大賞・北陸から判明、地方都市の人気住宅地が備える3つの要因
3月30日、住宅ローン専門金融機関「ARUHI」が主催する「本当に住みやすい街大賞2021 in 北陸」が発表された。
北陸地方(新潟、石川、富山、福井の4県とされることが多い)で、「本当に住みやすい街大賞」に輝いた街は「小針(駅周辺)」だった。2位は「亀田」……いずれも、新潟県内の駅名だが、どんな場所か思い当たる人は少ないだろう。
亀田という名前から連想されるのは、「おせんべい」……まさに、その亀田製菓本社工場の最寄り駅が亀田駅となる。
選出される街に「それ、どこ?」という場所が多くなるのは、「本当に住みやすい街大賞」ならではの特徴。特に、地方で「本当に住みやすい街」を選ぶと、読み方も分からない街名が多くなってしまう。
知名度の低い街が選出される理由と、そこから導き出される地方における狙い目駅(家探しや住宅開発においてチェックしたい場所)の共通要素を、同賞の審査委員長を務める私から解説させていただきたい。
「住宅ローンを組んで家を買った人が多い場所」から選出
「本当に住みやすい街大賞 」は2018年から始まった表彰で、首都圏は毎年12月にその年の大賞を発表。それ以外の都市の「本当に住みやすい街」も年に3回程度発表されている。
これまで、大阪、名古屋、福岡、宮城、静岡、北海道、広島で大賞を選び、今回は北陸での大賞発表となった。
同賞の最大の特徴は、「住宅ローンを組んでマイホームを買った人が多い街から大賞を選ぶ」こと。人気やイメージで街を選ぶのではない。
「ARUHI」の住宅ローン利用者データを活用し、直近1年間で、フラット35の利用者が多い街を候補地とする。
住宅ローン利用者の多い街が候補となるため、憧れを集める有名住宅地がランキングに入らないことがある。有名住宅地は住宅価格が高く、購入者が少なくなりがちであるからだ。
一方で、新興の住宅地はランクインしやすい。そして、短期間に順位が変わりやすいのも同賞の特徴となる。
今回、「本当に住みやすい街大賞2021 in 北陸」で10位までに入った街(駅で表示)は、以下のとおりだ。
1位:小針(JR越後線)
2位:亀田(JR信越本線)
3位:金沢(JR北陸本線)
4位:長岡(JR信越本線)
5位:武生(JR北陸本線)
6位:野町(北陸鉄道石川線)
7位:大形(JR白新線)
8位:森田(JR北陸本線)
9位:新潟(JR信越本線)
10位:見附(JR信越本線)
このうち、全国的にも有名と思われるメジャー駅は3つ。3位金沢と4位長岡、9位新潟だろう。これに加え、6位の野町もじつはメジャーな場所。金沢の繁華街・香林坊に近い鉄道駅であるからだ。
香林坊には鉄道駅がなく、バスかタクシーが交通手段となる。だから、多少歩くが、野町駅周辺が、香林坊人気を反映した街となった。
以上4つの街以外は、住宅が多い場所、いわゆるベッドタウンの名前が並んでいる。
その「地方のベッドタウン」で、多くの人が「住みたい」と思う場所に共通する要素はなにか。
調べてみると、人気ベッドタウンから浮かび上がってくる共通要素が3つあった。それは、他の地方都市において多くの人が「住みたい」と思う要素だ。
3つの共通要素について解説したい。
地方ならではの、人気要素とは
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