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新築マンション23区内は1億円超えでも、首都圏全域の平均価格は今年大きく下がる

櫻井幸雄住宅評論家
山手線内側の都心部では新築マンションが高騰。その影響は今年薄まりそう。筆者撮影

 1月25日、不動産経済研究所が「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年のまとめ」を発表した。

 東京23区内の平均価格は1億1438万円。はじめて1億円を超える価格水準となった。首都圏全域の新築分譲マンション平均価格は8101万円……いつもながら、景気のよい数字が発表され、「これでは、普通の人は首都圏で新築マンションを買うことができない」という声も聞こえてくる。

 しかし、安心していただきたい。以上の数字は、東京23区内のなかでも特に販売価格が高い都心(山手線内側を中心にしたエリア)の新築物件が引き上げたもの。大きく上昇した都心の物件価格が23区内の平均価格を引き上げ、さらに首都圏全域の平均価格を引き上げた結果であるからだ。

 実際、同発表によると、2023年、東京都下(東京の市部)で分譲された新築マンションの平均価格は5427万円、埼玉県と千葉県の新築マンション平均価格は4870万円と4786万円にすぎなかった。郊外であれば、「平均8101万円」よりだいぶ安く新築マンションが購入できたわけだ。

 問題は、2024年も同様の状況が続くのか、という点。高額化した都心マンションによって23区内と首都圏全域の平均価格が引き上げられる状況が生じるのか、ということだ。

 その答えは、「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年のまとめ」のなかに隠れていた。

2023年は都心マンションの比率が大きい年だった

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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