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TORACO DAYに女性ファンが殺到! 女性入場者比率は過去最高、驚異の55%!!

土井麻由実フリーアナウンサー、フリーライター
左から木浪聖也、才木浩人、近本光司&インタビュアーのTORACO(球団提供写真)

■TORACO DAYは過去最高の盛況

 TORACOパワーや、おそるべし―。

 5月17日からの対東京ヤクルトスワローズ戦を2勝1敗で勝ち越した阪神タイガース。この3日間は「TORACO DAY」が開催され、阪神甲子園球場はタイガースが大好きな女性…TORACOたちで溢れかえっていた。

 TORACOパワーが虎戦士を後押ししたのは間違いないだろう。

阪神甲子園駅前に設営されたメインビジュアル(撮影:筆者)
阪神甲子園駅前に設営されたメインビジュアル(撮影:筆者)

 同18日のヒーローインタビューではTORACOから好きな女性のタイプを尋ねられ、「奥さんです!」と答えて拍手喝采を浴びた大山悠輔選手。

 四回の無死一、二塁からの自身のバットでたたき出した“虎の子”の1点が、決勝打になった。

 TORACOサイトに掲載されている『TORACOに聞いた〇〇な選手ランキング』では、大山選手は『結婚したい選手』の2位にランクインしている。

 奥さん、幸せだろうなぁ…。

ビジョンもTORACO DAYバージョン(撮影:筆者)
ビジョンもTORACO DAYバージョン(撮影:筆者)

 同19日は両リーグ単独トップの5勝目(5月19日時点)を挙げた才木浩人投手が同じくTORACOにインタビューされ、一緒にお立ち台に上がった近本光司選手と木浪聖也選手に“告る”というシーンがあり、球場内はハートが飛び交うようなムードに包まれた。

 ちなみに才木投手は『恋人にしたい選手』の堂々1位に輝いたが、『一緒にお祭りに行きたい選手』でも2位、『結婚したい選手』でも5位と、人気ぶりがうかがえる。

TORACOカラーで彩られている(撮影:筆者)
TORACOカラーで彩られている(撮影:筆者)

 TORACOの喜ぶ笑顔が見られて、選手たちも大満足な3日間を終えた。球団発表によると、この3日間の入場者の女性比率はなんと55%で、過去最高の割合だった。

 プロ野球の試合において、女性客の数が過半数になるとは…!これは歴史的な記録だ。

 女性ファンを呼び込もうとTORACO DAYを立ち上げ、ここまでに育て上げた関係者すべての苦労が報われる結果でもある。

青空にTORACOフラッグが映える(撮影:筆者)
青空にTORACOフラッグが映える(撮影:筆者)

はるばる広島から3days参戦の母娘(撮影:筆者)
はるばる広島から3days参戦の母娘(撮影:筆者)

■メインビジュアルに選手が初登場

 すっかり恒例となった「TORACO DAY」は今年、11年目を迎えた。年々バージョンアップしているこのイベントを、TORACOたちはシーズン前から心待ちにしている。

 特典付き「TORACOシート」のチケット販売開始は春季キャンプ中の2月13日だったが、「待ってました」とばかりに即日完売し、担当の上村菜穂子(事業本部・営業部)さんも目を丸くしたという。

 そんな大人気の「TORACO DAY」を上村さんとともに振り返ろう。

フォトブースで選手に囲まれて撮影(撮影:筆者)
フォトブースで選手に囲まれて撮影(撮影:筆者)

 まずメインビジュアルだ。これまでは「ショッピングモールなどにあっても違和感のないようなデザイン性の高さ」を重視して、女性タレントや人気イラストレーターによるオシャレなイラストを採用していた。

 しかし、11年目にして初めて選手の顔写真のものにした。

 「近年の“推し活”というところに目を向けて、選手を起用しました。わたしも現場でファンの方の選手への思いを感じて、そういう方々に喜んでもらえる魅力的なポスターを作りたいなと思ったんです。プラス、優勝したことでテレビなどで取り上げられることが多く、選手の認知度がすごく上がっているので、ちょっと違った顔、これまで見せたことのない顔を出せればいいかなと」。

 上村さんが語るとおり、その認知度は優勝以前と以降ではまるで違う。バラエティー番組などにも出演したことで、野球をまったく知らないゾーンや関西以外のゾーンにも知れ渡り、人気は爆上がりしている。

甲子園歴史館で開催のTORACO特別展示には選手の生サイン入りパネルが(撮影:筆者)
甲子園歴史館で開催のTORACO特別展示には選手の生サイン入りパネルが(撮影:筆者)

■モデルばりのイケメン選手たち

 「ちょっと違った顔」という上村さんの狙いも大成功だ。起用された16人の選手それぞれ個性あふれる表情なのだが、普段見慣れている我々でも「こんな顔するんだ」と驚くくらいのいいカオを見せている。

 「照れもある中、選手が前向きに協力してくださっています。わたしも笑わせる一発芸を持っているわけではないので(笑)、『こういう感じでいきたい』というのを伝えて、それに選手が対応してくださっています」と上村さんは感謝するが、それは選手が上村さんはじめTORACOチームを信頼している証しでもある。

 だからこそ、心を許してここまでの表情が出せるのだ。

 「プレーの合間に見える人柄、そういう優しい部分や楽しい部分というのを少しでも伝えられたらいいなと、あえてごちゃごちゃせず白いTシャツにイメージカラーを入れて、明るい感じを伝えるようにしました」。

甲子園歴史館のTORACO特別展示では、選手の直筆メッセージも!(撮影:筆者)
甲子園歴史館のTORACO特別展示では、選手の直筆メッセージも!(撮影:筆者)

 舌を出していたり、ピースをしていたり、ポーズもさまざまだ。中でも秀逸なのは熊谷敬宥選手である。なんと目をつぶって左手を頬に当てている。アイドルですか?と問いたくなる至高の1枚だ。

 「すごく迷ったんです。イケメンというのを知ってもらうには目を開けたほうがいいかな、いや、目を閉じててもカッコいいってわかるんだから、これを伝えたほうがいいかな、と」。

 イケメンぶりはしっかり伝わっている。佐藤輝明選手も目を開けていないが、また違った感じでステキだ。こちらは男くさく、ワイルドな感じが滲み出ている。

 1枚の写真がこれほどまでに雄弁だとは…。それだけ上村さんが選手をよく見ているということだ。かくして、最高のメインビジュアルが仕上がった。

 このメインビジュアルは阪神甲子園駅を降りたところにドーンと飾られたのをはじめ、メモリアルウォール、ミズノスクエアのフォトブース、グッズにも採用され、各所での記念撮影は大いに盛り上がっていた。

 メモリアルウォールの前ではタオルやうちわなど小物を取り出して撮影するだけでなく、伊藤将司投手や湯浅京己投手、佐藤選手ら1軍にいない選手に「早く帰ってきてね」と話しかけるなど、連日行列が絶えなかった。

(メモリアルウォール(左上から)中野拓夢、近本光司、小幡竜平、熊谷敬宥、糸原健斗、坂本誠志郎、村上頌樹、森下翔太(撮影:筆者)
(メモリアルウォール(左上から)中野拓夢、近本光司、小幡竜平、熊谷敬宥、糸原健斗、坂本誠志郎、村上頌樹、森下翔太(撮影:筆者)

メモリアルウォール(左上から)梅野隆太郎、湯浅京己、伊藤将司、西純矢、才木浩人、佐藤輝明、木浪聖也、大山悠輔(撮影:筆者)
メモリアルウォール(左上から)梅野隆太郎、湯浅京己、伊藤将司、西純矢、才木浩人、佐藤輝明、木浪聖也、大山悠輔(撮影:筆者)

■シークレットゲストにTravis Japan

 土日の練習見学会には500組1000人のTORACOが当選し、貴重な練習風景に胸をときめかせた。土曜は強い日差しのもとで通常通り実施されたが、日曜は小雨が降りだし、野手の打撃練習が室内練習場に切り替わったため、中止も考えられた。

 しかし「最後まで悩んだんですけど、せっかくなので」と銀傘の下、外野にいる投手陣の練習見学を決行。さらに「喜んでもらえることができないかなとチームと相談して」とジェレミー・ビーズリー投手にサプライズでハイタッチを行ってもらった。この英断は、中止も覚悟していたTORACOたちを歓喜させた。

練習見学会(上)灼熱の土曜、(下)雨の日曜(撮影:筆者)
練習見学会(上)灼熱の土曜、(下)雨の日曜(撮影:筆者)

 勝利した土日はTORACOによるヒーローインタビューやハイタッチ、日曜はスタメンキッズが行われ、今年初めて選手との写真撮影会も実施され、才木投手が笑顔でカメラに収まった。

 また、シークレットゲストとしてTravis Japan七五三掛龍也中村海人のファーストピッチセレモニーも行われた。登場には女性ファンの黄色い歓声が上がったが、「お二人とも野球経験があって、ノーバウンドのストライク投球だったんです。それを見た男性ファンも『おぉ~』って声を上げられていたので、よかった」と男女ともに沸いたことを、上村さんも喜んだ。

初開催の写真撮影会には才木浩人が登場(球団提供写真)
初開催の写真撮影会には才木浩人が登場(球団提供写真)

メモリアルウォール前で自然発生的に行列を作るお行儀のよいTORACO(撮影:筆者)
メモリアルウォール前で自然発生的に行列を作るお行儀のよいTORACO(撮影:筆者)

■来場者プレゼントはdazzlinとのコラボ

 来場者プレゼントも3日間、日替わりで用意された。「パッと華やかになるかなというのと、初めて来た方にも今後ずっとたいせつに着てもらえるかなと考えたときのデザイン性が、一番よかった」と、今年は女性に大人気のブランド「dazzlin」とコラボした。

 チーム名にちなんだタイガーリリーのオリジナル花柄デザインが上品でかわいらしい。この柄のユニフォーム、チケットホルダー、メッシュエコバッグがプレゼントされた。

 TORACOシートには同デザインのパスケースが付いており、さらに公式ファンクラブの女性会員が女性(非会員含む)を誘って来場すると、一緒に観戦するグループの女性全員にdazzlinとコラボしたTORACOタオルが手渡されるTORACOスペシャルデーも、初日と日曜に行われた。

dazzlinとコラボしたチケットホルダー(撮影:筆者)
dazzlinとコラボしたチケットホルダー(撮影:筆者)

TORACOシートで楽しむTORACOたち(撮影:筆者)
TORACOシートで楽しむTORACOたち(撮影:筆者)

■TORACOダンスにも注目

 そしてTORACO DAYといえば、なんといっても「TORACOダンス」だ。今年は最多の40選手が踊り、その動画が公開されるや、TikTokで1,205万回再生、YouTubeで43万回再生と大バズりした。とにかく、それぞれの選手がおもろかわいいのだ。(公式YouTube「TORACOダンス」公式TikTok「TORACOダンス」)

 順番に各パートを踊るのだが、笑顔がとてもいい。普段あんなにクールで、円陣で坂本誠志郎選手に「口角を上げて」なんて言われてしまうシェルドン・ノイジー選手も、弾けるスマイルを見せてくれている。

 「ファンから出てほしいと言われたので。女性ファンに楽しんでもらいたい」とノイジー選手が言えば、これまたニコニコで踊った植田海選手も「めっちゃ恥ずかしかった!ほかの選手に見られながら踊るのが恥ずかしい。振り付けを覚えるのも苦手やし。でも簡単やったけどね。ちゃんとできてたでしょ?」と得意げだった。

 同じく初登場の島本浩也投手の笑顔も、ファンに大好評だったようだ。

 「基本、みなさん一発オッケー。撮り直しをして笑顔が減っていくのは嫌だし、照れている姿もファンの方からするとたまらない部分だと思うので」と、ほぼファーストテイクだったと上村さんは明かす。メイキング動画もあり、選手同士の絡みや素の表情が見られ、さらに楽しめる。(公式YouTube「TORACOダンス・撮影の舞台裏」)

TORACO DAYを満喫(撮影:筆者)
TORACO DAYを満喫(撮影:筆者)

■TORACOダンスへのそれぞれの思い

 振り付けを担当したのはTigersGirlsのディレクター・SARIさんで、「誰でもが踊れるような簡単な振り付けを考えました」と話す。

 「選手のちょっとしたオチャメな感じとか、普段見られないような一面をファンの方に見てもらえる振り付けになればと思ったんですが、そういうのが見られて嬉しかった。最初の『ガオガオガオ』ってやるところも、ちょっと照れながら、でも一生懸命やってくださっている感じがよかったですね」。

 SARIさんは「『♪阪神タイガース』のときに『T』のマークを作るので、みなさんも一緒にやってください。そこは一番のポイントにしています」と呼びかけていた。

TORACOダンスの振り付けを担当したTigers GirlsのSARIディレクター(撮影:筆者)
TORACOダンスの振り付けを担当したTigers GirlsのSARIディレクター(撮影:筆者)

 中野拓夢選手も「ファンのみなさんにとってイベントって大事だと思いますし、こういうのはあったほうがいい。喜んでもらえることをしていきたい」とTORACO DAYに積極的だ。

 「ダンス?それはもちろん恥ずかしいですよ(笑)。部分によってね。僕のところはそんなに恥ずかしくはなかったけど…。野球人口も減ってきている中で、たとえばこのダンスを見て選手を知る子どももいると思う。女性はもちろんだけど、子どもに与える影響もすごく大きいダンスだなと思うので、こういうことは選手も率先してやっていきたい」。

 女性ファンもちびっこファンも喜ばせたい。選手会長としての使命感にもあふれている。

TORACOバージョンの中野拓夢(撮影:筆者)
TORACOバージョンの中野拓夢(撮影:筆者)

■女性ファンが激増。「TORACO MAGAZINE」にも注目!

 前述したように、TORACO DAY3日間の女性入場者の割合が55%と過去最高の数字となった。これには上村さんも「想定外です」と驚きを隠せない。

 「ファンの方の声やこういう数字、SNSでのトレンドなどで、また来年以降も頑張れます。ファンの方々の喜んでいただいている声がなければ、イベントは継続できないですから。それにしても今年は異常レベルにすごかった」。

 上村さんの肌感でも、それはひしひしと感じられたという。

 常にエゴサーチし、現場に出てはファンの言葉に耳を傾ける。ホーム開催の日はもちろんのこと、チームが遠征に出ているときも試合の動向を気にかけ、タイミングよくSNSに投稿をする。流行りのものにアンテナを張り、仕事以外で街に出てもウインドーショッピングをしながら「これ、TORACOにどうかな?」と、上村さんの頭の中はいつもTORACOでいっぱいだ。

メモリアルウォール前での撮影は大賑わい(撮影:筆者)
メモリアルウォール前での撮影は大賑わい(撮影:筆者)

 野球観戦が初めてという新規ファンもかなり増えた。そこで、上村さんは公式サイトの中に「TORACO MAGAZINE」というページを作った。いわゆる“ハウツー”だ。(公式サイト「TORACO MAGAZINE」)

 「わたしも野球以外のスポーツを知らないので、観戦に行くってなったときに何が不安かを全部書き出して、『甲子園ってどうやって行くの?』『どういう服装がいい?』などを掲載して、入り口を広げるようにしています」。

 観戦ガイドや野球に関する豆知識、マスコット紹介、ヒッティングマーチの歌詞などもあり、至れり尽くせりだ。これを見れば、ビギナーのハードルもかなり下がるのではないだろうか。

 昨年の優勝が大きな起爆剤にはなったが、このような細やかな努力が実を結び、着実に新規女性ファンは増えている。ファンクラブも過去最高の女性比率となったという。

推しのタオルは必須?(撮影:筆者)
推しのタオルは必須?(撮影:筆者)

■京セラドームでのTORACO DAY、“萌え企画”が楽しみだ

 「次は京セラドームを楽しみにしていてください」と、ニヤリと笑う上村さん。8月20日、京セラドームで開催されるTORACO DAYではまた、「萌え~」となる企画があるようだ。「めっちゃいいですよ。絶対に喜んでもらえます」と自信たっぷりに胸を張る。

 そして、「今年できなかったこともあったりするんで、来年はこうしたいとか、こういうグッズを作りたいとか、構想はあります」と、早くも来年のTORACO DAYにも目を向けている。

 新規ファンの開拓も頑張るが、既存のファンも置いてけぼりにはしない。ライトもコアも、そしてすべての世代の女性ファンに楽しんでもらうべく、上村さんの奮闘は続く。

Tigers GirlsもTORACOユニフォームで(撮影:筆者)
Tigers GirlsもTORACOユニフォームで(撮影:筆者)

キラキラの背ネームがまぶしい(撮影:筆者)
キラキラの背ネームがまぶしい(撮影:筆者)

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「TORACO DAY」で阪神タイガースの女性ファンが拡大

フリーアナウンサー、フリーライター

CS放送「GAORA」「スカイA」の阪神タイガース野球中継番組「Tigersーai」で、ベンチリポーターとして携わったゲームは1000試合近く。2005年の阪神優勝時にはビールかけインタビューも!イベントやパーティーでのプロ野球選手、OBとのトークショーは数100本。サンケイスポーツで阪神タイガース関連のコラム「SMILE♡TIGERS」を連載中。かつては阪神タイガースの公式ホームページや公式携帯サイト、阪神電鉄の機関紙でも執筆。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報を伝えています!!

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