炊きたてご飯よりもおひつご飯が美味しい、3つの理由
先日、日経ビジネスの連載記事で炊飯について書いたところ、友人が道具屋街の合羽橋でおひつを買ったという。そして実際に使用したところ「これがもうね、すんごい笑う。ぜんぜん違う。」と最大級の賛辞をFacebookに投稿してくれていた。
逡巡した結果の購入だけあって、おいしさの実感が強く伝わってくる投稿で、コメント欄に「ほしい!」「導入を検討!」など多くのコメントがついた。
ではおひつを使うとご飯はどんな風においしくなるのか。おひつでなぜご飯がおいしくなるか。そのメカニズムを解説してきたい。
ご飯のおいしさは複合的な要素で決定されている。人の官能が感じる順番で言うと、ざっくり次のような順番になる。
ご飯のおいしさは複雑な要素で成り立っている
1.香り
まず口に入れる前、茶碗から立ち上る香りがある。実は炊きたてご飯の香りは人によって、好みが分かれるし、温度や表面の水分量などご飯の状態によっても感じ方は異なる。日本人は体験としても、あの蒸れたようなほの甘いご飯の香りを「おいしそう」と感じる人が多いが、なかには「炊きたての香りが苦手」という声もある。
極論すれば、香りや匂いの良し悪しを最終的に決定するのは香りの強度とバランス。香りも味も強ければ、多ければいいというものではない。適性量がある。鼻腔にある約400種の匂いの受容体に、適量&いいバランスで調った匂い成分が届くことが「いい香り」だと感じるための条件なのだ。
この記事は有料です。
食とグルメ、本当のナイショ話 -生産現場から飲食店まで-のバックナンバーをお申し込みください。
食とグルメ、本当のナイショ話 -生産現場から飲食店まで-のバックナンバー 2021年11月
税込550円(記事2本)
2021年11月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。