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現代における炊飯の意味と仕組みと理屈を補完する。

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト
(写真:NOBU/イメージマート)

先ほど「炊きたてご飯よりもおひつご飯が美味しい、3つの理由」という有料記事をUPした瞬間に気づいてしまった。そもそもの「おいしいご飯の炊き方」がなければどうにもならないではないか、と。

いや、おひつは水加減をちょっとくらい間違えてもジャポニカ米をおいしくしてくれる吸湿アイテムではあるが、ご飯はきちんと炊けたほうがいい。

炊き方自体は前の投稿でも紹介させてもらった、日経ビジネスのレシピアップデート連載「実験から導き出した、「ご飯力」が著しく高まるレシピ」https://business.nikkei.com/atcl/plus/00004/101200004/)をご覧いただきたいのだが、すべてのレシピはあくまで指標である。

日経ビジネスの記事はあれで完結しているが、かなり長くなったので理由などを割愛させていただいたところもある。炊飯の実際ではちょっとしたズレが起きたりもするので、本稿で手順の理由や仕組みなどを補足しておきたい。

計量を「かさ」ではなく重量で量る理由

最初の重要ポイントは計量だ。なぜ「かさ」ではなく重量で量るのか。理由はふたつある。

まず元記事の3ページ目でも書いたように、かさで量ると意外と量がズレる。「すりきり1合」(180ml)は白米150gだが、人によって結構前後してしまうのだ。しかも几帳面に量るのに手クセがついてしまっている人は多めや少なめに振れてしまう傾向がある(いい加減に量る人は、プラマイゼロになったりする)。

特に炊飯器を使っている人は、内釜の目盛りを目安にしていることが多い。コメが多くなりがちな人は相対的に水が少なくなるし、コメが少ないとその分水が多くなる。

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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