箱根で一番古いお湯に入れる旅館に行ってみたら、貸切で可愛いレトロタイルのお風呂だった「大和館」
最近、箱根湯本温泉の奥深さに興味津々の温泉ライター 泉よしかです。
箱根湯本は駅前に大きな湯本富士屋ホテルが建っているほか、早川支流の須雲川に沿って大型のホテルや旅館が点在しています。
しかし今回ご紹介する「大和館」は、箱根湯本温泉の北西の外れ、塔ノ沢へ向かう国道からちょっと入ったエリアです。実はこの辺りで箱根最古の源泉が今も湧いているのです。
箱根温泉発祥の地と箱根最古の源泉
箱根湯本温泉は、箱根十七湯と呼ばれる箱根エリアの温泉地の中でも最も古い歴史を誇ります。
箱根湯本の熊野神社に行く途中に、目立たないながら「箱根温泉発祥之地」と記された石碑があり、その横で今も実際に温泉が湧いているのです。これが惣湯と呼ばれる奈良時代に発見されたと伝わる源泉です。
この箱根最古の源泉を使う施設は、昔は旅館・民家をあわせて湯場18軒と言われるほど多かったのでですが、現在は数も減り、使っている周辺の旅館や日帰り温泉も自家源泉など他の源泉とミックスすることで温度を上げて使っていることがほとんど。
今回ご紹介する「大和館」は、その中で今でもこの古い源泉を自家源泉などと混ぜることなく使っている貴重な旅館です。
「大和館」の浴室は貸切のみ
そんな「大和館」を日帰り入浴で訪ねてみました。浴室は3ヶ所ありいずれも貸切となっているので、電話で予約します。
平日だったので当日の予約でしたが、週末などは事前に予約した方が安心でしょう。
玄関周りなど、館内のあちこちに枝ぶりの美しい盆栽が飾られていますが、実はこれは本物の盆栽ではなくアート作品なのだそう。
さっそく浴室へ。
表示板に「御家族風呂」「御婦人風呂」と書いてあるように、昔は貸切風呂ではなく、それぞれ男湯、女湯、家族風呂として使用されていたことがわかります。ですが今は全て貸切制に。他のお客さんに気兼ねなく、カップルや友達同士で利用することができるようになっています。
タイルがレトロかわいい「大和館」の貸切風呂
貸切風呂とはいっても、もともとは男女別浴室として使われていたわけで、脱衣所も浴室も余裕のある作りです。1~2人程度で貸切で独占してしまうのがもったいないほど。
脱衣所や浴室の壁が真新しくとても綺麗であるのに対し、浴室の床と浴槽は味のある使い込まれたレトロタイル。このギャップがたまりません。
レトロな浴室に、黄色いケロリン桶がぴったりマッチ!
泉質はpH8.9のアルカリ性単純泉で、源泉温度が少し低いため、少し加熱して循環せず掛け流しで浴槽に注いでいます。上からお湯を入れる湯口は無く、全て浴槽内から注入していますが、そのぶんお湯の温度は冷めにくく、酸素に触れにくいことから温泉の劣化も押さえることができます。
加熱は最小限にとどめているため、浴槽のお湯はどちらかといえばぬるめ。だからこそリラックスしてゆったりと入ることができます。
もしもう少し熱い方が好みなら、シャワーのお湯を足すことが可能。実はシャワーのお湯も一部源泉が入っています。
箱根湯本駅から徒歩5分程度の立地に、隠れ家のように建つ「大和館」で、レトロタイルのお風呂で箱根最古のお湯にのんびり浸かる休日はいかがでしょう?
ただしぬるいからと侮っちゃいけません。新陳代謝を促してしっかり体を温めてくれるので、湯上りは汗が止まらなくなるかもしれません。特に夏場は水分補給を忘れずに!
箱根湯本 温泉旅館「大和館」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本655
電話:0460-85-5746
日帰り入浴:1人1500円 時間はお問い合わせください
公式サイト:箱根湯本 温泉旅館「大和館」(外部リンク)
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