迷い込みたいノスタルジックな木造一軒宿!あふれる酸性のぬるい名湯…その名も「微温湯(ぬるゆ)温泉」
温泉ライターの泉よしかです。
吾妻連峰のひとつである吾妻小富士の東麓に位置し、微温湯街道と呼ばれる県道126号線のどん詰まりに位置する秘湯の一軒宿「微温湯(ぬるゆ)温泉 二階堂」。
今回は茅葺屋根も残る木造建築の風情がとても郷愁を誘う、こちらの温泉を紹介します。
行けども行けどもソーラーパネルばかりの山道
冒頭に書いたように微温湯温泉へのアクセスは、本来は福島市市街地から県道126号泉をひたすら西へ向かえば良いのですが、あいにくと訪問した2024年7月の段階では道路の一部が工事で通行止めとなっていたため、南側の道から迂回する必要がありました。
そのため、通常より時間がかかり、より秘湯感が増したことは確かです。道の途中はこれでもかというほどにソーラーパネルが斜面を覆い尽くし、さすがにその景色にも飽いてきたころ、ようやく道の先に建物が見えてきました。
まるで古い映画の中に入り込んだような、木造建築。辺りにはトンボがたくさん飛び交っていて、まさにノスタルジーという言葉がぴったりの景色。
令和の時代にこんな環境が残っていることが奇跡のように思われます。
日帰り入浴の受付をしていると、帳場の奥にいた猫がこちらを一瞥しました。
板張りの玄関や廊下もいい味を出しています。それでは早速浴室棟へ。
体温より少しぬるいお湯に包まれる
お風呂は男女別の内湯のみ。浴室の入口のドアはなかなかシンプルで暖簾もありません。
浴室には浴槽が二つ。大きい方が温泉で、蓋が閉まっている方が沸かし湯です。沸かし湯は温泉ではないので、汲み出し・掛け湯をしないよう注意書きの張り紙があります。
ざっと体を洗って温泉浴槽に身を沈めると、入る時はわずかに温かく感じましたが、それからだんだんと体温よりちょっと低いと感じる温度に。
実際に測ってみるとこの時の浴槽の温度は34.5度で、確かに体温よりちょっと低めです。
湯口のパイプから出てくるお湯はザバザバとかなりの勢い。非加熱非加水のまごうことなき源泉掛け流し。浴室のパネルによればお湯は酸性―含鉄(II,III)―アルミニウム―硫酸塩泉という少し珍しいもので、確かに少し酸味があり、金属をなめたような収れん味もあります。
40度以上ある温泉ではそれほど長くは入っていられないものですが、こちらの温泉はぬるいので1時間でも2時間でもそのまま入っていられそう。時間が止まったような古い建物で、時間を忘れて浴びる温泉は、せわしない日常をゆったり溶かし流してくれるようです。
微温湯温泉 旅館 二階堂
住所:福島県福島市桜本温湯11
電話:024-591-3173
日帰り入浴:大人700円、小学生350円
公式サイト:微温湯温泉 旅館 二階堂(外部リンク)
※冬季休業(4月下旬~11月下旬までの営業)
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