美味しい釜めしが炊けるまで40分!源泉掛け流しの濁り湯温泉に入って待てる箱根仙石原の「かま家」
箱根・仙石原の「かま家」は釜めし×温泉が楽しめるユニークなスポット。といっても最新のお洒落スポットなどではなく、昔ながらのほっこりと懐かしい感じの空間で、炊き立ての釜めしがいただけるお店です。
さらに温泉にまで入れるので、まさに一石二鳥!
箱根・仙石原の釜めし屋「かま家」
箱根に行くことの多い温泉ライターの泉よしかです。
今回ご紹介する「かま家」は、箱根湿性花園や箱根ガラスの森美術館、箱根ラリック美術館といった観光名所に近い仙石原にある釜めし専門店です。
店内は和室にテーブルと座布団。
カウンターに積み上げられた釜めしの蓋を見ると、早く食べたいなと思っちゃいますね。でも釜めしは注文してから食べられるまで40分ほど掛かります。すぐには食べられませんよ。
釜めしは全て1,580円。
貝釜めしとしゃけ親子釜めしを注文しました。貝はなんの貝が来るのだろうと思ったら、大振りのホタテでした。思った以上に贅沢です。
卓上でコンロに火をつけて釜めしをセットしてくれます。
タイマーが炊き上がるまでの40分をカウントし始めました。
「かま家」では源泉掛け流しの温泉に入れる!
さて、40分というのは食べ物を待つ時間としてはけっこう長く感じられます。事前に電話で注文を済ませてから来店すればそんなに待たなくても食べられるのですが、ここはやはり待ち時間を利用して温泉に入ることにしましょう!
むしろ「温泉に入れる釜めし屋さん」を楽しむには、この方法が一番です。
ガラガラとドアを開けると、シンプルな四角い浴槽。温泉は大涌谷の蒸気を使った天然温泉で、泉質は酸性―カルシウム―硫酸塩・塩化物泉。硫化水素を含んだお湯なので、淡いゆでたまご臭がします。
大涌谷の温泉は仙石原周辺で広く利用されていますが、大型ホテルなどでは加水や循環をしているところが多く、源泉掛け流しで入れるところはそれほど多くありません。
「かま家」はその点でも穴場でオススメです。
取材日のお湯はそれほど濁っていませんでしたが、日によっては真っ白な濁り湯になることも。
温泉のお湯は蛇口ではなく、奥のパイプを伝って浴槽の底から出ています。
浴室の奥には青いドアがありますが、現在は締め切られたままです。じつはこの向こうに露天風呂があったのですが、2015年に箱根の火山活動が活発化し、大涌谷で小規模な噴火活動が観測された時に、露天風呂側のお湯を一年ほど止めていたら、パイプが詰まって使えなくなってしまったのだとか。
そうした理由で今はもう露天風呂には入れません。とても残念です。
釜めしの炊き上がり!
のんびりお風呂に入っていたら、そろそろ釜めしの炊き上がる時間になりました。蓋を開けると視界いっぱいに白い湯気が上がります。いい匂い、思わず喉が鳴ります!
しゃけ親子釜めしはつやつやのイクラを乗せます。こちらも贅沢な一品。
お味噌汁、小鉢、香の物も付いてきます。
ホタテが肉厚で甘い!お釜のへりに付いたおこげも香ばしい。お風呂に入ってお腹が空いているので、そりゃあもう夢中で食べてしまいます。
釜めし屋の前はお寿司屋さん?
女将さんのお話によると、もともとはこちらでお寿司屋さんを営んでいたのだそう。
実はお寿司屋さん時代の名残が今でも店内に残されています。本棚や写真立ての後ろ、ラベンダー柄の暖簾の下にある透明なかまぼこ型のケースは、お寿司屋さんのカウンターにある冷蔵ネタケースじゃないですか!?
そうです、そこは昔は寿司屋のカウンターだったのです。当時はもっとネタケースも横に長かったそうですが、今もディスプレイのように残してあるんですね。
バブルのころはお寿司屋さんは目が回るほど忙しかったといいますが、今は火をつけて40分、ご自身のペースで釜めし屋さんを続けておられるそうです。
箱根・仙石原の釜めしと温泉が楽しめる「かま家」さん。時間に余裕を持って、かつお腹を空かせて訪ねてみてください。
かま家
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817
電話:0460-84-5638
営業時間:9:00~19:00、不定休
釜めし 各1580円、温泉入浴大人一人750円
タオル販売、バスタオルレンタルあり