【富田林市】巡礼街道が市内縦断しているのをご存じでしたか?美具久留御魂神社まで歩いてみました。
富田林の古いものと言えば寺内町ですが、その寺内町の中を通る古い街道も歩いてみると、意外な発見が多く非常に楽しいものがあります。有名なのは東高野街道ですが、もうひとつ巡礼街道というものがあります。
この巡礼街道の巡礼とは、西国三十三所巡礼のこと。これを33回繰り返すと「満願」として西国三十三度供養塔が立つほど名誉なことです。ちなみに富田林は、日本でいちばんこの供養塔が多いことでも有名です。
さて西国三十三所巡礼を簡単におさらいすると、奈良時代から続く日本最古の観音巡礼で、観音菩薩を祀る近畿地方2府4県と岐阜県の三十三箇所の札所寺院を回る巡礼です。2022年から今年の3月までは西国三十三所草創1300年記念行事が行われました。
西国三十三所巡礼の総距離は約1,000kmに及びます。その中の第4番礼所の槇尾山施福寺(和泉市)から5番礼所の紫雲山葛井寺(藤井寺市)にむかう途中、富田林市内を縦断する道があり、それが巡礼街道と呼ばれています。
富田林市のページ(外部リンク)によれば、東高野街道のバイパスにあたる道筋が巡礼道と呼ばれ人々に利用されるようになったとのこと。東高野街道の西側にその道が今でも残っているそうです。
この巡礼街道がとても気になった私は、富田林市内を縦断している巡礼街道のうち、寺内町から美具久留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)までの間を歩いてみることにしました。
ここは寺内町のいちばん北側の道です。画像から見て右側が寺内町で、富田林伝統的建造物群保存地区の範囲内になります。またこの道をまっすぐに歩けば東高野街道と合流します。また逆方向、つまり後ろ側に歩くとちびっこ交通公園の前に出ます、
そして左に曲がっている道が見えると思いますが、この道が巡礼街道です。
かむあんさんです。昭和の日に「イヌものネコもの雑貨巡り」というイベントをしていたのを思い出します。訪問したのは平日だったのでお店はお休みでした。
道標には旧巡礼街道と明記してあります。さあ、美具久留御魂神社を目指して歩きましょう。
いきなり地蔵菩薩の堂を発見しました。北口地蔵尊と呼ばれている物です。
ここに説明があります。北口地蔵の名前は寺内町の北入口にあるからとのことのようです。現在は元の位置とは違うところに安置されているそうで、毎年8月23日にお祭りが行われます。
北口地蔵から北に向かって歩きましょう。と、その前に左側を注目してください。
こちらが先ほどの説明版に書いてあった道標です。よく見ると左や右の字が見えます。その下の根元を見ると確かに取り外して移動したような痕跡がありますね。
さて、改めて北方向に道を歩いていきます。
右手にお好み焼きのしみずさんが見えます。巡礼街道は次の交差点から右方向に曲がっています。
右側に金属製とすりガラスの壁沿いに道が続いています。
細い道を歩いていきます。古い道によくありがちな微妙にカーブを描いています。
右側には喫茶・軽食のフランスさんがあります。
楠公通商店街と書いてあります。かつて富田林駅前にはいくつもの商店街があって賑わっていたと聞いたことがあります。その一部でしょうか?
さて巡礼街道は以前通ったことのある道の前に来ました。ここれは、関西スーパーの横にあるレトロな雰囲気の商店街として紹介したところ。
この商店街の詳細は上のリンク先をご覧いただくとして先を急ぎましょう。
富田林駅や富田林駅西口の前を走っている国道170号線(旧道)の前に来ました。巡礼街道は、道を渡ってまっすぐ続いています。
今回は長い道中なので、途中経過を案内します。こんな感じで歩いています。
国道を渡ってまっすぐ歩くと見えてきたのは歯痛観音です。実際には西国三十三度供養塔だったものが、彫られている像が歯を痛そうにしていることから、こう名付けられたといわれているものです。
歯痛観音を過ぎて、近鉄長野線の踏切を渡ります。
踏切の手前に小さな用水路があります。ここから巡礼街道は、この小さな水路沿いに続いています。
踏切を越えると行き止まりですが、このように道標があるので迷わずに歩けます。これは「右に行け」ということですね。
ここからは右側の線路を見ながら歩いていきます。
ちょうど電車が入ってきました。長野(河内長野)に向かう電車のようです。
線路と巡礼街道を隔てる杭も時代を感じさせるものです。
線路からは離れていきますが、今度は左側に水路が現れました。
水路沿いを道なりに歩いていきます。
交差点があります。水路はここからは暗渠(あんきょ)になっていて見えなくなっています。
ここで水路を見ると、さらに小さな水路との合流点になっています。
交差点を越えて左手に見えたのは、南喜久(なんぎく)さんです。河内長野にも同じ名前のお店があり、兄弟でそれぞれのお店を経営しているそうです。
巡礼街道はさらに北側に続いていきます。
歩いていくと、少し開けたところに出てきました。ホームセンターのコメリさんの看板が見えます。
コメリさんの手前、駐車場の奥にラーメン屋さんが見えます。新屋台大我さんですね。
ちなみに画像からは見えていませんが、左側には富田林税務署があります。
広い道の交差点を越えて、右手にコメリさんを見ながら巡礼街道はさらに続いています。
ここまでのルートを確認しましょう。こんな感じで北に向かって歩いています。
右手にコメリさんの大きな建物、左側には用水路が続いています。
住宅が無くなり工場地帯のようなところに差し掛かりました。ちなみに画像中央、先に見えるクリーム色した四角い建物はMEGAドン・キホーテ 富田林店です。
さらに歩いていくと、左手に緑色のものが見えます。この辺りから田んぼが現れ始めます。
田園地帯が広がっています。田植えも終わってからの稲はどこもそうですが、日を追って成長しているのがわかりますね。
右手にコメリさんの第二駐車場、さらにその先には近鉄長野線の線路が見えてきました。
遠くに山が見えます。左よりこぶのような二上山から岩橋山、大和葛城山と続いています。
少し角度を変えると金剛山も見えました。
道はさらに続きます。遠くにラーメンの看板が見えてきました。
一面に田園が広がっていますね。鳥が多く来ている姿も見られました。
ラーメン看板の方向に向かって歩いていきます。
ラーメンの看板の正体はラーメン横綱さんでした。
目の前の交通量が多い道路は大阪外環状線です。この道も本来は国道170号線のバイパスなので、東高野街道のバイパスと言われていたという巡礼街道と共通点を感じます。
今歩いた道を振り返りましょう。画像左側の道です。コメリさんからここまでの道は、今回歩いた巡礼街道の中でも最も歩きやすかったです。
大阪外環状線の交差点を渡りましょう。目の前に土木建設機械の会社敷地が見えますが、よく見ると右手に道があり、それが巡礼街道です。
交差点を渡ったところ、正面の道を歩いていきます。
引き続き巡礼街道沿いに水路が続いています。
ここまでのルートを確認しましょう。巡礼街道にほぼ並行して水路があります。また土木建物の会社の隣には重機のレンタル会社があります。そのため多数の油圧ショベルが置いてありました。
油圧ショベル群とあえて書いたのは、挟まれた中の道を歩いていくからです。両側に多数ある油圧ショベルやミニショベルの中を歩くのはなかなかの不思議感覚です。
油圧ショベル群を抜けた先に、ずっと巡礼街道が続きます。
今度は左手に田園風景を見ながら進みます。
田園地帯が消えて、今度は住宅、右側は駐車場になっています。
ここにはワコーコーヒー富田林市本店さんがあります。
右手にまた緑色の畑のようなものが見えてきましたが、あれは田畑ではないようです。
実は、緑に覆われた芝生のようなエリアでした。
遠くに白い建物が見えますが、あれはレインボーホールのようです。その手前にちょど近鉄長野線が高架になろうとしているあたり、つまり美具久留御魂神社まであとわずかです。
ここで、巡礼街道が大きく左にカーブしています。
曲がると、今度はさらに右にカーブしています。
2度の急なカーブが終わると、また直線に道が続いています。
ここで水路が再び姿を現しました。遠くには建物が続く古くからの集落が見えます。
舗装された道が、なぜか二色になっていますね。実は左側の白いほうはその下に水路が流れていて暗渠になっています。
ここで行き止まりです。正面には暗渠から出てきた水路が見えます。ただ道標があり、美具久留御魂神社は左と示しているので迷うことはありません。
ここで古い道標を発見。石に何か彫られていることはわかりますが、ちょっと読めませんでした。調べてみたら「左ふじいてら」と書いてあるそうです。
道標沿いに歩いていきます。昔ながらの細い道をまっすぐに歩きます。
現在の道標に従って、細い路地を歩いていきます。
まっすぐに道を歩きます。ゴールまであとわずか。
すると「あ!」の路面標示を発見。以前見つけたものですが、この前の交差点が美具久留御魂神社境内の入り口です。
交差点を左に曲がれば、美具久留御魂神社の入り口です。
ここまでの行程をおさらいしましょう。こうして巡礼街道を歩きながら、寺内町から美具久留御魂神社に無事に到着しました。
もちろん巡礼街道はこの先も続いており、美具久留御魂神社を越えると、喜志から喜志新家と平町の間を通って羽曳野市に入り、最終的に葛井寺に続いています。
というわけで、巡礼街道を寺内町から美具久留御魂神社まで歩いてきました。時間にして30分くらいの行程で、ほとんど坂もなく歩きやすいお散歩ルート。興味のある方はぜひ試してみてください。
巡礼街道(寺内町から美具久留御魂神社)
住所:大阪府富田林市富田林町、宮町
アクセス:近鉄富田林駅及び近鉄喜志駅から徒歩
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