【富田林市】富田林はあるものが日本一!そのひとつを見に、中高野街道沿いにある伏山安楽寺を訪問しました
東高野街道や西高野街道と比べると、少し地味な印象があるのが中高野街道です。しかし中高野街道も、富田林市内にあるあたりを歩いてみると古い街並みが残っており、それに合わせるように寺院がいくつかあります。
今回は伏山(ふしやま)地区にある安楽寺を訪問してみました。
中高野街道です。伏山地区の古い街並みが残っているところは、やはり昔の街道らしい風情があります。そして、この途中に安楽寺があります。
安楽寺の前に到着しました。浄土宗の寺院です。
寺内町の興正寺別院は、親鸞を祖とする浄土真宗ですが、こちらは親鸞の師匠にあたる法然が開祖とされている浄土宗。両者は似てはいますが、微妙に違う宗派のようです。
入口に大きな石塔があります。
石塔には浮彫の仏像があり、頬のあたりを押さえていますね。これは以前どこかで見たことがあります。
こちらは富田林駅近くにある歯痛(はいた)観音です。こちらは石塔を覆うようにお堂が建てられており、この浮き彫りになった観音菩薩像が痛い歯を押さえているように見えるので、そのように名付けられています。
この頬を抑えている姿が、安楽寺の石塔とよく似ています。
実際には歯が痛いから頬を抑えているのではなく、如意輪観音の姿を現したものだと思われます。
観心寺の秘仏である本尊のほか延命寺の本尊も如意輪観音像で、やはり同じ形をしているのがわかります。
安楽寺の前にある石塔の右横を見ると「西國(国)三十三度供養塔」とはっきりと書いてあり、西国三十三ヶ所巡礼行者が三十三回の満願達成すれば建てられる石塔とのこと。
ちなみにこの西国三十三度供養塔は、全国で日本一、富田林市に最も多く残っている(外部リンク)そうです。
石塔の下のほうを見るといろいろ書いてあります。
塔の下のほうを見るといろいろな文字が刻まれています。供養塔の施主の名前が伏山新田村中(村全体)、世話人の名前が3人ほど。
下の段にも大坂などの文字が見えますね。
紙媒体で印刷されたものは長期間経てば少しずつ色あせていきますし、電子データも遠い将来はどうなるかわかりません。
紙よりももっと原始的といえる石で彫られた記録ですが、おそらく100年以上前に建てられた石塔で、石に刻まれた文字の記録がはっきりと残っていることは、すごい保存法だと思いました。
門が開いていたので、境内にもお邪魔しました。山号は泰平山です。
境内の様子です。祠や石碑が立ち並んでいます。
境内の奥に本堂がありました。
ということで、中高野街道の伏山安楽寺を紹介しました。伏山地区にある安楽寺の境内を見学したり入口にある三十三度供養塔をじっくり眺めたりするなど、中高野街道の町歩きに立ち寄ってみてはいかがでしょう。
泰平山安楽寺
住所:大阪府富田林市伏山1丁目8-22
アクセス:南海金剛駅から徒歩12分、南海滝谷駅から徒歩15分
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