341本塁打&ゴールドグラブ10度の三塁手は、トレード拒否権を行使せずポジション変更も受け入れる!?
今オフ、ノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)には、トレードの噂が浮上している。それについては、今月初旬にこちらで書いた。
◆「カーディナルスは362本塁打の一塁手との再契約を見送り、341本塁打の三塁手はトレードで放出!?」
11月26日にジ・アスレティックが掲載したケイティ・ウーの記事によると、アレナードは、放出を望んでいるわけではないものの、トレードだけでなく、三塁から一塁へのポジション変更も、受け入れる用意があるという。
メジャーリーグ1年目の2013年から、アレナードは、10シーズン続けてゴールドグラブを受賞した。三塁を守ってゴールドグラブ10度は、16度のブルックス・ロビンソンに次ぎ、マイク・シュミットと並ぶ。打者としては、12シーズンに341本のホームランを打ち、打率.285と出塁率.342、OPS.857を記録している。シーズン40本塁打以上は3度。本塁打王も3度――そのうちの1度は40本塁打未満――を数える。
もっとも、まだ好守とはいえ、かつてほどの名手ではなくなっている。コロラド・ロッキーズからカーディナルスへ移ってからの4シーズンは、いずれも610打席以上に立ち、出塁率は.312→.358→.315→.325、ホームランは34本→30本→26本→16本だ。ここ2シーズンは、二塁打も30本に届かなかった。年齢は、来年4月に34歳となる。現在の契約は、あと3年7400万ドルが残っている。
パワーが甦ることを期待し、アレナードを欲しがる球団があったとしても、残る契約のうち、カーディナルスがそれなりの額を負担しないと、トレードは実現しないのではないだろうか。また、相手の球団によっては、アレナードがトレードを拒むことも、あり得なくはない。例えば、ポストシーズン進出の可能性が低い、とアレナードが判断した場合などだ。契約には、全球団に対するトレード拒否権がついている。アレナードは、ワールドシリーズに出場したことがない。
なお、FA市場に出ている大物の三塁手は、アレックス・ブレグマンくらいだが、遊撃手のウィリー・アダメスも、条件次第では他のポジションを守るようだ(「大物FAの遊撃手と三塁手が2人揃って「ポジション変更可」と表明。ストーブリーグに新展開が起きる!?」)。また、FAの一塁手には、ピート・アロンゾとクリスチャン・ウォーカーがいる。2人とも、現時点のパワーはアレナードを凌ぎ、ウォーカーは守備もうまい。アレナードとチームメイトだったポール・ゴールドシュミットも、FAになっている。