Yahoo!ニュース

【富田林市】美具久留御魂神社境内入口交差点の路面表示がオノマトペである謎!その意味を調べてみました。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

よく漫画などでは、いろんなシーンでオノマトペ(擬音)が描かれることがありますね。実際には音で聞こえるものが文字として描かれることで読者にわかりやすくなっています。

ちなみにオノマトぺの言葉の由来は大変古く、古代ギリシア語の「オノマトペイア」から来ているそうです。

ギリシャ語の意味は「語を創ること」「名付け」ということですが、 古代ギリシアで名付ける前提が音声による模写だったために、オノマトペは「対象の特徴を表す音の響きを名前(文字)でつける」という意味があるとのこと。

また日本語は世界の中でも動詞が少ない言語と言われており、動詞が表す内容を詳細に伝えようとすると、オノマトペ(擬音の文字表現)が必要となるので、外国語と比べ日本語ではオノマトペの数が多いのだそうです。

そんなオノマトペのひとつが、なぜか喜志の宮こと美具久留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)の入口近く、道路の路面に描かれているのを見つけてしまいました。

宮前の交差点から美具久留御魂神社に続く参道。秋祭りになれば、地車が列をなして練り歩く道ですね。

そして美具久留御魂神社の境内入口まで来ましたが、入口のすぐ前を交差する細い路地に謎のオトマトペが描かれているのを発見したのです。

それがこちらです。なんと路面に「あっ!」と書かれています。

さらに反対側にも同じように「あっ!」を発見しました。ちなみに「あっ!」のオノマトペでの意味を調べると次のようなものがでてきました。

  1. 人が驚きや感動から思わず発する言葉。
  2. とても短い、一瞬の時間を表す言葉。

このようなオノマトペの「あっ!」表示が、なぜか美具久留御魂神社の入口の交差点にあるという謎。いったいこれはどういうことなのでしょう。

オノマトペの表示の前に近づいてみました。「あっ!」というオノマトペが塗料で描かれていて、まるで漫画の世界のようです。

ところでこの塗料は比較的新しいようで、2022年10月時点でのストリートビューで確認するとまだ描かれていませんでした。

喜志駅
喜志駅

当初私はこのようなオノマトペを路面に描いているのは、美具久留御魂神社との関係というより、芸術的な路上アート作品ではと想像しました。というのは美具久留御魂神社は喜志駅に近く、喜志駅からは大阪芸術大学に向かうバスが出ています。

大阪芸術大学自体は河南町にありますが、大学に通う学生の多くは富田林の喜志に住んでそこから通っている人もいるとのことで、そういう学生のアート作品としてこのようなオノマトペ文字が描かれていると考えたのです。

ところが、この「あっ!」という路面の表示についてさらに調べると、これはれっきとした路面標示(道路上の安全と円滑のために設置されるもの)で、美具久留御魂神社の入口以外にも全国各地にあることがわかりました。

調べてみると、「あっ!」に関する情報で多く出てくるのは神奈川県川崎市で、この「あっ!」という道路標識が約500メートルの範囲内に9か所あるそうです。

川崎市だけでなく、同じ神奈川県の二宮町や群馬県、島根県、大阪府摂津市や山梨県側の八ヶ岳などにも同じような「あっ!」の路面標示があることがわかりました。

さらに調べるとこの路面標示を意味するところは、見通し悪いカーブなどで「ヒヤリ・ハット」を防止する狙いがあるそうで、走る車もこの標示を見ると意識的に速度を落とすそうです。

確かに富田林市で見つけたところも車1台が通るのがやっとのような細い路地にあり、交差点の手前なので、車が速度を上げると危険な気がしました。

さて、交差点の両側に標示されている「あっ!」ですが、宮前交差点から美具久留御魂神社方面に向かう場合から見て右側にまがったところ(南側)の道には、「あっ!」の路面標示の前に禿げたペンキの別の路面標示があります。

よく見ると「とまれ」と書かれていたようです。「とまれ」もインパクトがありますが、それ以上にオノマトペである「あっ!」のほうが確かにインパクト強いですね。

さてこの、車一台がやっと入れる細い道路を調べると、巡礼街道の一部だとわかりました。

巡礼街道については、富田林市の公式ページ(公式サイト)にも紹介されていますが、富田林市内では羽曳野市に隣接する平野から美具久留御魂神社のある宮町をぬけて、それから田んぼの広がる道を通って寺内町へとつながっているそうです。

またいつか巡礼街道も歩いてみたいと思いました。

ということで美具久留御魂神社にある謎のオノマトペ表示「あっ!」について調べてみました。

美具久留御魂神社や大阪芸術大学のアート作品ではなく、全国各地にあるドライバーの注意を促す、れっきとした路面標示とのこと。

富田林は細い道も多いので運転は常に注意が必要ですが、一瞬のミスを気付かせるオノマトペの注意喚起は、確かに効果がありそうな気がしました。

美具久留御魂神社入口にある謎の路面標示
住所:大阪府富田林市宮町
アクセス:近鉄岸駅から徒歩10分

※記事へのご感想等ございましたら、「奥河内から情報発信」ページのプロフィール欄にSNSへのリンクがありますので、そちらからお願いします。

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

奥河内から情報発信の最近の記事