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4-3-3化が進むJリーグ。気になるピッチの4箇所で発生するウイング対SBの関係

杉山茂樹スポーツライター
期待感を抱かせるピーター・クラモフスキー(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 FC東京、川崎フロンターレ、サガン鳥栖は、今季布陣を4-3-3に代えてJリーグの戦いに臨んでいる。3-2-2-2が予想されたヴィッセル神戸もACLに続きJ1の初戦でも4-3-3を使用した。さらに、横浜F・マリノス、清水エスパルス、横浜FCも、ウイングプレーヤーをフィーチャーした4-2-3-1を使用する。

 昨季、横浜FMがJ1を制し、そこで右ウイングとしてプレーした仲川輝人がMVPに輝いた。その波及効果だと思われるが、遅まきながらと言うべきか、それまでけっして攻撃的ではなかったJリーグのサッカーに、潮目の変化が訪れているように見える。

 ウイングをフィーチャーすれば、サイドアタッカーは明確に2人となる。同じスタイルのチーム同士が戦えば、ウイング対サイドバック(SB)の構図が、片側2箇所、両サイドで計4箇所発生する。サッカーを観戦する上でこれは肝になる点だ。

 4-3-3はその昔、オランダサッカーやその流れを汲むバルセロナの定番だった。攻撃的サッカーを代表する布陣とされたが、全世界的な流れとはならなかった。当時のサッカーの傾向が守備的だったこともあるが、4-3-3はよく言えばカリスマ性のある奇特な、悪く言えば能天気で非現実的なサッカーとされていた。

 そうした中でSBは年々攻撃的になっていった。専守防衛が主な任務で、マイボールに転じてもセンターバックと共に最終ラインを形成したこれまでから、立ち位置を上げ、攻め上がりの回数を増やしていった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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