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日本サッカーに必要なのは守備的ではない攻撃的な3バック。その定義とは

杉山茂樹スポーツライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 森保監督が次の代表戦で使用する布陣は3バックか、4バックか。見どころのひとつだと思う。4バックに戻すのではないかと漠然と予想するが、根本的な問題として、よく分からないことは、森保監督が何を基準に3バックか4バックかを選択しているか、だ。森保監督にとって3バックと4バックを隔てる境界線は何なのか。

 さらに、これまで4-2-3-1と4-4-2の2種類を使用してきた4バックに対し、3バックはなぜ3-4-2-1だけなのか。なぜ他の3バックではないのか。素朴な疑問だ。

 世の中の議論は3か4かにほぼ終始しがちだ。森保監督はそれにさえ「原理原則は同じ」と、答えにならない答えを返しているが、複数ある3バックの中から3-4-2-1を選択する理由は、完全に闇の中にある。

 3バックには4バックに比べ守備的なイメージがある。両サイドを突かれると5バックに陥りやすいからだが、そうなりにくい3バックが存在することも確かなのだ。5バックになる時間が短ければ、4バックになる時間が長い4バックより、前にいる人数が多いことになるので攻撃的になる。

 その3バック(4バック)にはどんな特性があるのか。攻撃的なのか。守備的なのか。前回のこの欄「タッチラインの数メートル内側に仮想のラインを引いてみる」で触れた内容は、それを推し量るバロメーターになるものだ。両サイドで発生する現象と、最終ラインで発生する現象とは密接な関係がある。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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