東日本では18きっぷの上位交換? 一部3セクでも使える北海道&東日本パス(通称:北東パス)
18きっぷ大幅改定のニュースが駆け巡り、その内容に対する興奮さめやらぬ中、10月29日には冬季の「北海道&東日本パス」(通称:北東パス)の発売が発表された。
北東パスは青春18きっぷと同じく、春・夏・冬の年3回の長期休みに合わせて発売されるフリーきっぷだ。JR北海道とJR東日本の2社の普通・快速列車自由席が乗り放題となるきっぷで、18きっぷの2社限定版と言ってもいい存在だ。今回の18きっぷの改定(連続化・自動改札機対応)により、18きっぷとの差が縮まり、「上位交換」といっていいような存在と化している。今回はそんな北東パスを紹介しよう。
今年冬季の北東パスの概要は以下の通りだ。
【発売期間】11月26日~来年1月4日
【利用期間】12月10日~来年1月10日
【有効期間】連続7日間
【値段】おとな11,330円、こども5,660円
発売期間・利用期間は18きっぷとほぼ同じだが、春季は4月下旬、夏季は9月下旬までと18きっぷよりも遅くまで使えるのが特徴だ。
有効期間は3日間、または5日間の18きっぷよりも長く連続7日間。長期休みの取れる学生や定年後の高齢者ならともかく、社会人にとっては正直使いづらい。
一方、値段は1日あたり1,619円(小数点以下は四捨五入)と、18きっぷ5日間用の2,410円と比べてかなり安い。東京駅起点なら根府川駅や自治医大駅までの片道で元が取れてしまう。この値段であれば、間に一日や二日休みを入れたとしても他の日に多く乗ることでトータルでは元を取るなどという使い方も容易だ。
北東パスの特筆すべき点としては、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行という3つの第三セクターに乗れる点だろう。18きっぷの場合、IGRと北越急行は利用不可、青い森鉄道は青森~野辺地~八戸間の相互発着のみ利用可能という形で制限がかけられているが、北東パスならいずれも乗り降り自由なのだ。18きっぷなら、盛岡~好摩間でIGRに別途運賃を払う必要があるが、北東パスならそのまま乗れる。
普通列車の本数が少ない北海道で使うのなら、特急にも乗れる「北海道フリーパス」の方が便利だが、JR東日本管内で使うのであれば、北東パスが一番コスパがいい。実際、筆者も東京に住んでいた学生時代は、東北・関東・甲信越の駅巡りに幾度となく北東パスを利用させてもらった。18きっぷが自動改札機に対応していなかった当時、自動改札に対応しているという点も、値段と同じくらい北東パスの大きな魅力だった。
この冬、東北・関東・甲信越を鉄道で旅をしようと考えている学生諸兄は、18きっぷよりもコスパの良い北東パスで旅をしてみてはいかがだろうか。発売箇所はJR北海道・JR東日本のみどりの窓口およびみどりの券売機、指定席券売機、主な旅行会社などだ。
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